No.538栃木県 大平山(おおひらやま)343m――晃石山419m

user-pic
0
4000本の満開の桜の大平山から「陸の松島」の長閑な田舎道へ
昨年4月実施コースと少し違い、花を見ながらゆっくり歩くという計画だったのだが、甘かった。もちろん桜は満開ので、これでもかこれでもかと押し寄せて来るし、途中の清水寺の桜は、優しい色の暖かな香りる見事な花。帰り道では長閑な畑にブドウの棚が連なり、何処か浮世離れしている。山は近くであっても春の中に霞でいる。低く連なる山は、新緑の森に色濃く桜が浮き上がる。山桜が点在。まさに春の山、一斉に芽吹く。風に花びらがはらはらと降りかかる。本物の藪鶯がなく。なんという所だ。酒の名前ではなく本物の春爛漫にであう。野は広々、関東平野が広い。大きな新しい豊そうな農家は別荘の様に連なって、風景は南面に明るく眼がまぶしい。日は高く、暑い。水が欲しい。このままだと熱中症になりかねない。まだ3月なのに。
oohira-5.JPG
前回は、両毛線大平下駅からまじめに歩いたが今回はズルをしてJR栃木駅からタクシー。いくらでもあるとたかをくくっていたが、タクシー会社が何件も潰れ駅前は閑散としている。コロナのせいだそうだ。それでも御山は花見客の車で混雑を予想、一方通行になっているが、見る限りはそんな必要はないようだ。終点の謙信平につき、花見客で賑やかな茶店に直行。oohira-2.JPG朝食が早いため空腹。ここの玉焼きが名物。なんでそうなるのかは聞かなかったが、甘くケーキの様。400円。他に、焼き鳥、団子の取り合わせがここの3大名物。栃木の謙虚な生活がしのばれる。望洋と春の盛りに浸りながら、桜花びら散る茶店の縁台に腰掛ける。平野を点のごとく横切る車らしき姿が動いている。空に鶯の鳴き声のみ。周囲の山は、全山春ボケ。俳句に、「山笑う」という春の季語があるが、なんとなく品がない。oohira-1.JPG
清爽の春山はそんなものではない。このまま昼寝して帰りたい気持ちをおくびにも出さずに、重い腰をあげて寺院のような大平山神社へ。願い事は全てかなうというスーパー神社。振り返れば1000段を超える石段のてっぺんが頭を見せている。誰も律儀に1000段を登らないで皆自動車。これでは神様もむくれてご利益は半減するはず。適当に神様に挨拶して、大きなアンテナを横目に、「ぐみの木峠」への道に入る。稜線上の大きな道。峠でやっと昼食。昼食はいつとるのだとのご下問。「食べたい時が昼食時」と答えたが、かなり昔、山でも12時までは弁当を食べさせてくれなかった山岳部時代を思い出す。oohira-3.JPG
道は当初、是ならさっきのタクシーででも行けると思うほど。空にはパラグライダーがゆっくり飛ぶ。峠を越えて、晃石神社までの間は道が急に悪い。急坂だけでなく、道が深く掘れていて、その上の落ち葉に隠れて岩がごろごろ、道底を見せない。慎重に足元を選ぶのはよいが、度を過ぎると全体に影響する。相当遅れる人の付き添いに男性2人が付きっ切り。彼らも山を楽しみにきているのに、申し訳ないと、先頭を歩きながら思う。観光ツアーの添乗員ではなく皆同格な参加者だ。結果として誰かの犠牲を伴う行動は避けなければならない。
oohira-4.JPG 悪路は晃石神社から清水寺まで続く。清水寺の桜は今回の桜の中で一番美しい。日本的で、優雅、控え目、それで穢れなき美しさ。二条の清水が垂れ落ちる。山中には珍しくお墓や、きれいなトイレや小さいながら駐車場もある。こんな山の中に、こんな桜が黙って咲いている。上野公園のような華やかに見られることもなく。ほんの少しの時間だけ。後は、鬱蒼とした樹木の中に静かに眠りにつく。この花が健気だから好かれるのだろう。
oohira-6.JPG 清水寺から最近できた舗装道。やがて集落が散見されて、あぜ道のような農免道路。暑い。何も日陰はない、出来るだけ集落近くを歩き、少しでも日陰をと思うが、大きな農家ばかりでさっぱり協力的でない。炎天下の春山で、気分茫洋。道はきりなく先の先までこれでもかと見せている。延々と続く。まだかまだかと畑中の道。途中から、ブドウ畑。ほとんどがハウス栽培。なんだかブドウ畑を見ると、ホットする。ミカン畑も、オリーブ畑も同じだ。農耕民族のDNAか。駅近く来て道を聞く。親切なおばさんが「ブドウのなるころに来なさい」といってくれる。農家の庭に、木蓮が咲き菜の花が、その他大勢の花が咲き競る。疲れた体では感性は鈍く、もったいない風景だ。水を切らして、同行者に恵んでもらう。3月の炎天下を甘く見ていた罰が当たる。
駅は無人、どうやって乗車するか研究会。無人だが、マイクを通じて説明を受け、やっとわかって、おもわず「遠隔で案内するより人がいるならここに出てくればいいのに」と仲間と話したらそのまま相手に聞こえた。かなりばつが悪かった。両毛線とは妙な名前と思うのは間違い、大和政権支配にも関係する由緒正しきもの。ただし、路線に関しては「上毛の国、群馬県」「下毛の国、栃木県」を結んだからとかなり横着な命名。両毛線は単線の分際で思ったより混んでいる。車窓の景色は花盛り。千葉の小湊線と違い、車両はいいし、駅もきれいで速度もすごい。ここらに住むのもいいかな、坪単価はなどと不動産屋のようなことを考える。やはり下界に戻った証拠だ。後は、下界の代表のような街々を過ぎて眠りながら横浜に向かう。
oohira-7.JPG

実施日: 2023年3月30日(木)晴れ

集合:  横浜駅中央コンコースみどりの窓口付近7時00分(発車7時18分)

参加者: 勝巳、達也、茂子、吉生、恵美子、亮子、和子、良信(計8名)

コース: 徒歩4時間(地元おすすめ時間表示は3時間。) 横浜7時18分発(上野東京ライン宇都宮行7番線)――小山9時02分着(9時27分発、両毛線高崎行8番線)――栃木9時38分着――タクシー9時40分1890円――大平山(謙信平)着見晴台10時30分――茶屋で休憩――徒歩開始――大平山神社――大平山343m11時30分--?アンテナ12時――ぐみのき峠12時20分昼食――晃石神社13時30分――清水寺14時40分――田園の道――大平下駅15時40分時着(16時07分発両毛線小山行)――小山着16時23分(16時33分発湘南新宿ライン伊東行)――横浜着18時30分解散

持ち物: 靴は歩き慣れたもの。雨具。杖(あった方が良い)。手袋。昼食弁当。水筒。
    幹事 : 勝巳、

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/2437

コメントする

カウンタ

月別 アーカイブ