No.537南房総半島、花旅、 記録(実施日2023年3月22日―23日)

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房総半島の春の花を。旅人憧れの「小湊線」「いすみ線」全線に乗り房総半島を横断。 千倉に立ち寄り花畑を訪れる。二日目はあいにくの悪天候で、雨の中の花畑散策。boso-3.JPG

実施日:2023年3月22日(水)―23日(木)1泊2日 少雨決行

集合: 横浜駅JR改札口(みどりの窓口前)3月22日6時50分

参加者: 勝巳、才美、達也、茂子、吉生、恵美子、亮子、和子(計8名)

コース:

3月22日(水)晴れ 小湊鉄道、いすみ鉄道全線乗車。花畑散策
横浜発7時01分発(横須賀線千葉行10番線)――千葉8時24分着(内房線木更津行乗換)8時28分発――五井着8時43分(9時05分小湊鉄道乗換、)――上総中野10時23分着(10時26分発(いすみ鉄道乗換)――JR大原11時28分着(11時58分発外房線木更津行き乗換)―――和田浦着13時18分、13時20分。宿に荷物置き(黒滝方面散策出発)――13時40分花見の老人会6人と出会う――14時元郵便局員に近道案内をいただく――15時花園広場花見の老人会5人と出逢う。――15時20分黒滝着――農家でミカン購入――宿帰着16時45分――18時30分鯨料理フルコース夕食
? 宿泊民宿「じんざ」0470?47?2252、駅徒歩1分1万円一人 16畳1室4名(望月S。両角 峯村。冨山)8畳A(恩田K恩田S)8畳B(望月T。堀尾)
3月23日(木)雨、一時曇り 千倉花畑。 7時朝食――宿発8時――JR和田浦発8時20分(内房線木更津行き)――JR千倉着8時37分――タクシー2台JR千倉駅発9時――「道の駅」ちくら着「潮騒大国」9時30分――雨の中千田花畑散策――11時20分千田「花のえん」昼食(約1時間程度)――路線バス13時45分千田バス停発(日東交通)――千倉駅着14時――JR千倉駅発14時23分――15時40分君津着乗換(快速久里浜)――横浜着17時43分

3月22日 二日間、雨の予報が例によってはずれ、第一日は暖かな春日和。思ったより、東京駅までの区間は混雑。昔の通勤を思い出す。五井はJRは無人駅ではないのに、駅員なんて見当たらない。(教訓は、「無人駅」らしき所での乗降は、「事前にみどりの窓口」で切符購入するのが良い)。小湊鉄道はローカル線の代表のようなもの。観光鉄道で有名だが、それは、走っている鉄道を遠くから眺めた時の風景。実際に乗ると誠に大変。走りだすと同時に列車の屋根付近で大きな悲鳴のような金属音が出始め終点まで続く。

boso-1.JPG小舟並みの揺れで、乗り物酔いで気分が悪い。運転席のハンドルのような器具はペンキが剥げ、錆が出ている。もちろん2両編成の中古車両は博物館クラス。無人駅舎はこれも重文クラス。
boso-2.JPG 電車から手の届きそうな藪。線路保守はしてないかのごとく、終始、前後、左右上下に激しく揺さぶられる。そのかわり風景は申し分ない。房総半島は田舎。暖かい陽の中に、人のいない里山を文字通りガタゴトといく。途中で乗り降りする高校生も、一昔前の漫画に出てくる姿。途中、いくつかの桜と菜の花咲く古びた無人駅を通過。自転車が数台あるだけの何もない駅前。
今日の宿は、駅前15m。近く便利だし、駅前に何もないのも至極の贅沢。何度も大声で到着を告げて、やっと出てきた宿の人に「荷物を置き、散歩して5時に戻る」と告げる。要旨がわかったのかどうか怪しい。
槇の防風林に囲まれた広い大きな日の当たる庭、家はゆったりして長閑で暖かい黒光りする瓦屋根の房総の家。森は、南方系の常緑樹が鬱蒼と茂る。boso-4.JPGそんな家から出てきた、中年のおじさんに出逢う。暇だからと線路のそばの近道を「スタンド、バイ、ミー」さながら道案内してくれる。かつてこの辺は花の村だった。何処に行っても、何処を歩いても花、花。でも今はすっかり変わってしまった。ハウス栽培の花小屋は、壊れ、錆ついた鉄骨が雑草の中に残骸をさらす。周囲の里山のマシバテイの枯れ木が白骨のように林立し、じっさい、歩いている最中に山から枯れた樹が大きな音を立てて落下してきた。かつての花園は、ほとんど雑草の生える荒畑。どうしたのだろう。boso-5.JPG黒滝近くの、広場は、背の丈の雑草におおわれている。かつて、ここで毎年春「和田浦歩こう会」主催のハイキング大会が催され、多くの人混みでトン汁などを無料で配っていた。その元気な風景はもはや見る影もない。
数本の満開の桜の下で、おばあさん達が花見をしている。ビールの空きケースを並べたテーブルと椅子を作って談笑。遠くから我々を見て手招き「何処から来たの、どこへ行くの」とにこにこと質問してくる。花見といってもただ、数本のジュース缶と煎餅が置かれているだけ。春の日はあくまでも高く、天に雲、道に行人無し。桜の花の下で人生を共にしたであろう仲良しの談笑。これこそ、本物の花見。憧れの人生だ。この道は黒滝を経て花婿街道に至る。先ほど通過した道を行けば花嫁街道だ。boso-6.JPGなんという名称だ。昔この山道を登って、初めてその名を知った時、童話の世界を彷彿し、地名に残る「経文」「馬返し」「馬井戸」「烏場」などに民俗学を思った。集落を通って、かつては、花嫁行列がこの道を行ったのだろう。
海浜の村へ、はるか山郷の村から。世に知られることもなく、長い年月を悠然と繰り返してきたのだろう。さっきの、桜の下の御婆さんたちも越えた道に違いない。峠を越えれば懐かしい村営「くすの木」宿がある里見伝説の村。川沿いを巧に辿り到着した15mの黒滝は本当に黒い岸壁。帰り道、農家で、夏みかんを譲ってもらう。乾いたのどにその甘さと水気だ。房総半島の暖かい日をいっぱいに浴びてこの実は伸び伸びと育ったのだろう。畑中の老夫婦の遠慮がちな奥ゆかしさは日本昔話の風景。
boso-7.JPG 宿は、民宿そのもの。御婆さんが入院して、庭周りまで手が回らず、荒れ放題。その中に草花がお構いなく満開。きっと帰りを待っているのだ。 クジラ料理を堪能することも今回の目的。畝須ベーコン、百寿のたれ、クジラのむね肉、さえずり、槌クジラの漬け、本皮、などの名称の料理が、たくさん出て、さっぱりわからない。終戦後の子供のころ、クジラといえば、竜田揚げ、ベーコン、大和煮の缶詰ぐらい。ともかく「鯨フルコース」は質量ともに驚くべきもの。説明を聞いても途中で理解放棄。それでも全部食べた。ついにはどれも同じ味、もったいない食べ方をした。boso-8.JPG

3月23日 千倉の空は曇り、春雨。海は灰色。遠く波は元気がない。「道の駅」は雨の中。真ん前の花畑はさすがに房総一の花園。「道の駅」には当たり前のように生きているような魚が並ぶ、ともかく目の前の花園に雨中果敢に挑戦。いろいろ咲いていて美しい。この感想がいかにこの種の知識がお粗末かお判りいただけるだろう。

boso-9.JPG 花畑で作業している人から花を買う。雨のなか、遠くから来たからとやたら花のおまけ。電車で帰る身には有難いのだが重い。いっぱいの花束を抱えて、さて昼食。昼食を見込んだレストランは「本日だけ臨時休業」の看板。再度親切な「道の駅」の事務員にお聞きして近場の店に行く。開店に10分早いが、雨だし、店の中で待たせてくれという丁重な申し出はヒットラーなみのおばさんにすげなく拒否され雨中をうろうろ。
やっと「花のえん」が開店。対応の悪さに反比例し、料理はうまい、安い、新鮮。「ナメロウ」なるものを注文。驚くほどの量。あとは千倉行きバス停まで300m残すのみ。時間はたっぷり。ゆっくりくつろぐ。雨も上がっている。気温は暖か。満腹。旅の余裕、余韻を浸る。花の村。これでは文句もない。再び降り出した小雨の中バス停のブロック小屋に8人が潜り込む。遠くバスの屋根がゆっくり近づく。毎度のことだが、旅の終わりは感慨にふける。
boso-10.JPG JR線で千倉発。さすがJR。速さが違う。揺れが少ない。車内も車両も美しい。車内放送も聞こえる、車内表示も電動で正確。やっぱり乗るだけならJRだ。 まてよ、その程度ではまだ、本物の旅人ではないのだろうか。
タクシー予約が難航。なにしろ、3日前、前日、当日と交渉した結果が、「道の駅から」の帰りの予約は、他にお客があれば迎えに行かない。行くかどうかはほかに客がいるか否かで決まるというしろもの。待っていてもタクシーが来なければ、道の駅から千倉駅へまで雨の中、全員2時間は歩くこととなる。その危険を避け、帰りは路線バスに変更。僻地はタクシー会社は独占。楽で、稼げる自分の都合が最優先され、危険負担はすべて利用者にある。経済原則はここにも通じている。

持ち物: 雨具(傘有効)、水筒、リック。非常用品。菓子など。

幹事:  勝巳(記録)、吉生(写真)、達也(行動記録。会計)

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