No.172 高峰高原の雪に遊ぶ(2007.2.13-15)

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Takamine_1.JPG(記録担当 勝巳)

第1日(2月13日)

 急遽、車で行くことに変更になり、新幹線のキップをキャンセル。高坂SAで車2台が集合。朝の2時から支度してきた75歳のあきらさんには申し訳ない。ともかく車坂峠に9時30分には到着。天気もいいので、計画を変えて黒斑山に登る。トレースははっきりしているし、時間は余裕。天気快晴、風すらない。珍しいことだがこんな状態の2000m級の冬山もある。帰りのことを考えて昭さんの車にチエーンをあらかじめ取り付けて準備万端出発、暖かな9時50分。

 登山口はかなり車坂峠を車道に沿って戻ったところにある。登山口の大きな看板に従って林の中の歩きやすい雪の小道を登り詰めトーミの頭に10時50分着。

Takamine_2.JPG 突然浅間山が眼前を遮るがごとく劇的に現れる。まるで交響曲の奏でる中の登場だ。浅間は斑雪を頂きさすがに大きい。山には饒舌な山と、無口な山があるが浅間は無口でそして雄大で、ずっしりと優しい品格に溢れている。ここまでくればほとんど登りは無い。朝が早かったので少し早めの昼食後、黒斑山に向かう。この山の周辺の峰々は火山独特の鋭い岩山が起立し特異な風景をなしている。絶壁の尾根から見下ろす眼下の平原は雪の中に小さく林を残しまるで砂漠の風景だ。ゆったりした浅間山がどこまでも絶えず同行してくれる。遠く飛行機雲が流れ、明日の天気の変化を伝えている。雪はトレースをたどればアイゼンすら不要。黒々とした林ではさすがに深い雪の中にあるが。

Takamine_3.JPG 帰りはアイゼンをつけ太陽に向かって快適な下りだ。裏コースを登ったので、変化を求めて表コースを下る。この道は、南アルプス、八ヶ岳、北アルプスなどほとんどの山を睥睨できる感にとらわれる道。だんだん高峰山が高く見え始める頃、出発点の車坂峠に着く。14時。ゆっくり汗をかかないスピードと、急激に車で2000mに登ってしまうことから来る軽い高山病対策を考慮しても往復4時間のペースは雪山では理想的だ。高峰温泉送迎駐車場に迎えの雪上車を待つこと10分。三角のお結びを4個つけたような子供が喜びそうな雪上車でゴトゴトとスキー場を横切っていく。今日は平日で、しかも連休明け、ほとんど人がいない。宿も30人程度。いつもの半分もいない。快適な温泉を満喫できる。やはりどんなところでも適度の運動と登頂の満足感があってこそのこの気分だ。

 夜、宿のサービスの天体望遠鏡で久しぶりに土星をみる。何度見ても土星は不思議である。あんな形で、空に浮かんでるなんて世俗の人間にはどうにも納得しがたい。あんな異型を天体は難なく受け入れて見事に収まっている。厳冬の高原から仰ぐ宇宙は大きい。

 

第2日(2月14日)

Takamine_4.JPG 日本海側に発達した低気圧が張り出して天気が崩れそうで、TVは朝から「荒れ模様」の予報を繰り返している。三方が峰は時間も掛かるので変更、短い時間で充実感ある登山なら温泉の裏山の高峰山に限る。スノーシューをつけて出発。午前8時45分。昨日と違い天気は曇り。気温は起きたときマイナス7度から今は5度も上昇している。暖かで途中で雨になることすら心配。高峰山への道はすっかり固まったトレースがあり、まったくの冬山ハイキングだ。初夏に石楠花の咲く尾根道も雪の中では様相を一変する。唐松の霧氷らしき森を抜け、道はゆっくりと上下して尾根道を山頂に向かう。赤布がところどころについていて慣れた道とは言うものの安心する。どうしてもペースが早足になる。雪の山では絶対に早足は禁物。どんな環境の変化にも全員が余裕を残せる登り方が必要なのだ。冬山は体力で登るのではない。多くの失敗の経験で登るものだ。山頂には1時間で到着。風を避けて岩陰で小休止。景色はほとんど見えない。帰り道では十分な余裕と晴天に感謝し、あえて誰もいないスキー場に入り込み冬山の鉄則を少しばかり破ってコースをはずす。広々としたゲレンデは爽快な気分だ。10時45分宿に着く。正味2時間の雪山散歩になった。

 部屋に帰り、すぐに温泉。館主の創生水のありがたいお話を伺い、たくさん飲んで、昼食。それでも時間があるのでスキーをする人以外は13時ごろから周辺の雪山散歩。もちろんスノーシューをつけ2本杖でだ。このごろになると、この変な履物にも皆なれてきて上手にガニマタで歩けるようになる。前回はダマシダマシ通り過ぎた例のうぐいす台方面の取り付を少し登りそこからスキー場に向かって森の中の勝手な道を歩き始める。これこそスノーシューの醍醐味だ。森はとたんに雪が深く悪戦苦闘。交代にトップを歩いて、膝まで雪があるところを歩くということがどんなことか経験する。普通の雪山は、もっと深い雪の中を、重い荷物を持って長時間ひたすら登ることになる。一度雪の中に倒れると立ち上がるのに相当なエネルギーを費やす。疲れと寒さは大変なものだ。その一端でも経験できたのは収穫。森のなかをヨタヨタさまよっているとスキー組が快適に滑っている。ハの字でしりもちをつきながら曲がることも出来ないスキーしか知らない身にはトニーザイラーのように見える。

 無事宿の見える道にでて本日の散策は終わり。14時30分。八甲田山の雪崩事故のニュースを聞きながら若干の後ろめたさとともに部屋の温かさの中で太平楽を決め込む。後は、温泉と酒と意気込んだのに7時には寝入ってしまった。

 

第3日(2月15日)

Takamine_5.JPG 8時朝食は同じ。創生水のせいか、温泉当たりかどうか分からないが2名が腹痛。昨日らい雪を十分歩いたこともあり、今は風も強く、気温も急速に下がってきたので、今日はこのまま帰る。

 宿出発9時。ゴトゴトと雪上車で送ってもらい、着いたところは来たときの駐車場なのに、今日は一面の氷。ともかくよくすべる。昨日の雨の後、急速に気温が下がり、そこらじゅうが凍ってしまったのだ。こんなこともありなんとチェーンをあらかじめつけたあきらさんにあらためて流石と感心する。2台の車はヨロヨロと車坂峠を過ぎ、途中チェーンをはずしたところで解散して勢い良く高速に飛び込む。順調に快晴の赤城、妙義、榛名、日光、もちろん浅間を眺めながら帰路に着く。

 ところで旅館責任者が薦めている創生水とは要は油を溶かす作用がある水らしい。理屈は難しくって分からないが、温泉では洗剤もシャンプー、石鹸も使わない。飲んでもアトピーが治り、高血圧や、糖尿にもいいとのこと。詳しくはサロンでの説明者であるあきらさんにお聞き願いたい。近くの有限会社が売り出しているものらしいが、興味のある方は紹介する。設備費が200万。その他黒曜石などのメンテ費用はかかるが不明である。どなたか購入してくれれば、皆でその水をもらいに行くのでその際は宜しくお願いしたい。

  • 日時:2007年2月13日-15日
  • 参加者
    勝巳、才美、伊久枝、紘正、文子、きみ子、昭、以上計7名
  • 費用:車、宿泊等含め約3万円程度
  • コースタイム:(着/発) 
    • 第1日 快晴
      高坂SA(/7:00)......浅間2000駐車場(9:30/9:50)......(登山開始)......トーミの頭(10:50)......黒斑山山頂(11:10/11:20)......駐車場(14:00/14:15)......(雪上車)......高峰温泉(/14:30)
    • 第2日 曇り
      高峰温泉(/8:50)......高峰山山頂(9:50/10:00)......高峰温泉(10:50/昼食/13:30)......(スノーシュー散策)......高峰温泉(/14:30)
    • 第3日 うす曇り
      高峰温泉(/9:00)......駐車場(/9:30)......車坂峠経由帰途につく

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このページは、akirafが2007年2月16日 09:45に書いたブログ記事です。

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