No.270 道東旅行(2011.6.27-6.30)

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(総括記録 勝巳)

DOUTO-25.jpg突然の大震災の後で、なんとなく後ろめたい気持ちもあったが、この冬からの準備計画でもあり、多少大震災発生から時間も経過していたので、決行とした。長い準備ではHISとの交渉、行動計画策定等すっかり孝義さんにお世話になったが急遽参加できなくなり残念。

一度ぐらい同じようなコースに経験があると言っても、良い季節に、いい所を、ツアー観光客の少ないところを選定し、安く、一つでも多く、無理なく、安全にと欲張った厳しい条件もあるこの様な長期の旅の計画策定は、ボケ防止に何よりも効果があり、幹事の苦労も悪くない等と思ったりする。

腰痛にもめげず杖をついて会計担当を達也さん、憲治さんや、善右衛門さんが前日の好きな飲酒さえ控えて安全運転に徹し、他の参加者もそれぞれが見事な連携を取り、気持のよい旅行になった。

DOUTO-26.jpg強い印象を持った所こそ違え、尻羽岬や、春国岱等の道東や、知床の地の果て温泉は二度と来られない場所のように思った方も居るだろう。気温も涼しさを通り越していて寒く、神奈川が猛暑なのにすまない気持ちですらあった。霧多布、琵琶瀬展望台などに本当に寒い霧の中で出合い、サロマ湖は本物の手つかずの広大な原生花園で、別海町は何処までも緑濃き北欧の様な牧場風景で、蝦夷鹿は群れなして野に遊び、遥かに丹頂鶴が湿原に憩う。オホーツクの静かな波の向こうに、北方領土が対岸のように見え、知床半島はこれ以上進入禁止の最奥まで自己の車のままでシャトルバスに乗り換えることもなく行くことができた。

旅行中、高齢者に付きものの落し物、けが、病気、集合時間遅れ等のトラブルも一切なく全員無事に帰って来たことは誇れることだ。

それにしても、道北と知床の山や、川、湿地、街、岬、湖等全てにわたり地名はアイヌ語だ。多くのアイヌの人たちが最近まで生活していたことを物語っている。だが、アイヌは観光のレベルでしか扱われていない。彼らの歴史や、文化、遺跡を物語るものは少ない。和人によるアイヌ民族の被征服の物悲しさを地名が語っているように思えてならない。

  • 参加者 9名(男4名、女5名)勝巳(リーダー、全体記録)、才美(第1日、第5日記録)、善右衛門(車両)、     恵美子(第2日記録)、達也(会計)、茂子(会計)、憲冶(サブリーダー、車両) 幸子(第4日記録)、邦子 (第3日記録) 
  •   
  • 持ち物 第一日の昼食。軽ハイキングスタイル(登山靴不要)。春の服装、長袖など。(寝巻不要)。常備薬(多めに)、保険証のコピー、行程表(写しを留守でも連絡が取れる家族等に渡す)、参加者全員の緊急連絡先表、携帯電話(充電器)、洗面具、タオル、雨具。カメラ。虫よけ。サングラス。帽子。熊よけホイッスル、懐中電灯、水筒、その他ハイキング用品、
  • 費用 一人当たり総費用約8万5000円(既集金の6万円は往復航空券、釧路、網走宿泊、レンタカーに充当済み)一人3万円追加集金。(別海町、岩尾別宿泊、ガソリン代諸雑費などに充当)
  • 今回の健ハイ留守連絡担当者孝義 
  • 集合 2011年6月27日(月)羽田空港 第2ターミナル ANA受付前 午前8時15分羽田発9時――釧路着10時35分釧路空港着――到着後、昼食(各自解決)――ロビー内のマツダレンタカーへ(免許証所持者運転者登録、保険内容、カーナビ確認、ガソリン満タン、関係書類は憲治持参)2台に乗車出発11時30分使用車両セレナワゴン5人(運転憲治 勝巳、才美、幸子、邦子+荷物、)アクセラ4人(運転善右衛門、恵美子、達也、茂子)
  • コース概要(詳細は日別担当者の記録参照)

 

  • 6月27日(月)第一日目 (記録 才美)
    • コース概要 早い昼食後レンタカーで釧路空港出発11時30分――20k――釧路湿原温根内遊歩道(木道)3.1km 90分――どさんこ牧場243号線――35km――コッタロ展望台1063号線――20km――サルボ湖展望台――40km――釧路ANA釧路ホテル着18時30分――19時夕食(港岸の屋台炉端焼き)

    DOUTO-1.jpg釧路湿原は、湿原だけの珍しい国立公園で、そのほとんどが特別保護地域に指定されラムサール条約湿地でもあり、貴重な特別天然記念物である丹頂鶴の生息地でもある。こういってみると、なんだか湿原に入りにくいほどの緊張を覚えるが、そこは観光地、環境省が税金をふんだんに投入した立派な幅2mは超す木道を整備し、気楽に散策できる。

    カーナビを温根内に設定したら、温根内の集落に行きどまった。数件の畜産農家が、巨大な機械を庭先にして森に囲まれ全く静まり返っている。迷い込んで初めて観光地ではない本物の北の大地の生活集落に入る。時たま、初めてみる牧草用の巨大な機械の様なトラックが埃をまきあげてすれ違う。みんな叔母さんが運転していた。偶然が望んでも得られない光景を見せてくれた。

    DOUTO-27.jpg温根内鶴居軌道コースへは駐車場から10分も歩いて、ビジターセンターの横から木道で行く。登山のクラブらしく、数ある木道コースの中から躊躇せず最も長い全長3kmのコースを選ぶ。ここは、釧路湿原のうちの温根内にある、枯れた植物の堆積の上に育つ植生の高層湿原ルートである。横浜から、長い道のりでやっと大自然に到達し背伸びしたい気分だ。天気は晴れ。北海道の6月下旬は最も美しく爽やかだ。釧路湿原のしかも温根内木道であればなおさらである。木道周辺ですら黄色の小さな花のエンコウソウ、紫の日本的な優美なカキツバタ、白い綿帽子のミツガシワ、叢に隠れて黒ユリも咲いている。このハンノ木の林が島のように茂るその奥の湿原にはどんな花が咲き、どんな楽園が隠れているのかと思う。名も知らない小鳥が、湿原を分ける乾いた木道を先導してくれる。遠くでカッコウが鳴く。空はれ渡り、初夏の青い風が吹く。誰も居ない木道は何処までも柔らかな日差しの中でまっすぐだ。木道に寝ころび流れる雲を見て居たい衝動に駆られる。

    DOUTO-28.jpg釧路湿原の北はずれに「どさんこ牧場」とポツンと一軒観光地図に書いてあるから、那須等の様なさぞ賑やかな所と恐る恐る立ち寄る。全く浅はかな推量だった。第一に入口をうっかりすると見過ごす。牧場につきもののアイスクリームも売っていないし、あの目障りな商魂の旗もない。宿泊が出来るらしいが、閑散としていて、眼前に広い牧草地と深い森が広がり、乗馬用の馬が何頭か暇そうに遊んでいるばかりだ。ここは、北海道の本物の牧場で、片手間に観光客を立ち寄らせているのだろう。コーヒーを飲む空間は、天井高く、広々たして、がっちりした木造の格式さえある建物だった。

    DOUTO-29.jpgコッタロ展望台は第一から第三まであり、いずれも釧路湿原の北部を俯瞰できる。湿原はただ緑に静かに横たわっている。コッタロ川が自然のままにうねうねと流れ、地塘に消えて、また光って離れて出てくる。鶴を探すがそうは簡単に特別天然記念物は姿を見せない。目の悪い老年達は、いる居ないで結構楽しんでいる。ちょっと川沿いの森で車を止め休憩する。釧路川は湿原の水を集めてゆっくり気ままに流れ、水辺の大木の陰には、幻の魚イトウが居るに違いない雰囲気を醸し出している。川の水は大きな湿地を流れ来た独特の色だ。

    サルボ展望台はJR釧網線を越えて、直角に左折するのだが、間違って直進しやすい。トイレもある立派な駐車場から急な階段の登りだ、途中振り返ると塘路湖が見渡せる、息が切れるころ、海抜72m、360度の展望台に着く。確かに鶴がいた。望遠鏡を廻し見て次々に見つけ出す。展望台のすぐ近くに、小さな小高い城址があった。ここが、部族同士の戦いの最前線であり、動静を見渡す場所であったらしい。どんな恐怖を感じながら敵を向かい討ったのだろう。特に自然の厳しい僻地なのにそんな歴史があるという。どんな人たちがどんな生活をしていたのだろうか。

    DOUTO-30jpg.jpg釧路は湿原から戻ってくると文句なく大都会だ。ホテルに荷物を置き、ぞろぞろと夕食の場所を探す。ここに来たら、やっぱり、パンフレットにある岸壁炉端焼。ホテルの隣で便利だし。19時過ぎのためか観光客以外の地元の人も居て混んでいる。岸壁だから、潮風が心地よい。炭火で勝手に魚やトウモロコシを傍の店で買ってきて自分で焼く。結構ワイルドだ。もちろん生ビールも釧路ラーメンもある。明日からは、いよいよ湿原を後にして、道東の海岸線を辿る。出発前夜にふさわしい宴である。

    6月28日(火)第二日目 (記録 恵美子)

    天気 雨のち曇り

    • コースタイム 釧路ANAホテル(8:10)――尻羽岬(8:50)――あやめが原(10:30)――琵琶瀬(11:30)――レストラン森のくまさん(12:30)――ネイチャーセンター風連湖(14:45)――宿泊施設別海町保養所(17:20)――夕食(18:30)――反省会(20:30)

    DOUTO-24.jpg今日のテーマは霧と生きもの達、朝5時起床7時より朝食―8:10釧路ANAホテル出発、霧が濃くあたり一面靄がかかっています。

    DOUTO-2.jpg霧多布湿原と言う位なので霧は珍らしくないのだろう、尻羽岬に8:50に到着、車から降りて断崖から鋭く落ち込む岬をながめたかったのですがその思いはかなえられなく、断崖から風が吹き上げてくる様子はわかりましたが見渡せませんでした。

    DOUTO-4.jpg  あやめヶ原10:30分到着、昨日出会った馬よりあやめヶ原の馬は大きくたくましい。馬達は霧の中で幻想的にゆれて、ゆったりと草を食べていた。ここの馬はあやめ以外の植物を食べてしまうので緋扇あやめだけが残りつぼみだけのあやめが沢山ありました。晴れて太陽が出たら一勢に咲きだし紫の絨毯を敷きつめることでしょう。次に木で出来た長い階段を登り屋上で望遠鏡を皆で回して丹頂鶴、キタキツネ、かるがもの親子を見ながら楽しい一時を過ごした。

    DOUTO-23.jpg昼食は昨年訪れた民宿に行ったところ、近くのレストランを紹介してくれました。レストラン名は(森のくまさん)メニューは一度に同じ物を頼めなかったので、ジャンケンで勝った人が好きなものを選べると言うことになり、ワァーワァいいながら楽しみました。料理は熱い揚げ物に冷たいものなどボリューム満点、デザートのキャラメルアイスも美味しく頂きました。

    DOUTO-6.jpg14:00レストラン出発―春国袋14:45到着 ネイチャーセンター風連湖木道の両側には花々が、エゾカンゾウ、せんだいはぎ、サギスゲ、ハナショウブ、ハクサンチドリ、くろゆり、くろゆりは特に可愛い花でした。鹿のファミリー2グループが真近に寄ってきて餌を欲しそうにしていました。きっと観光客が餌をあげるのではないかと思いました。人間が環境をこわしていくのだと情けない思いです。可愛い動物がいる反面立枯れしたアカエゾマツ、トドマツの荒涼した風景が見られました。大木に(さるおがせ)と言うトロロ昆布のようなものがふわふわとからみつき栄養分を吸い取って枯らしてしまうそうです。水辺近くに行くと蟹の死骸、貝の残骸、鹿の頭の部分が波打ち際に打ち上げられその身をカラス達がむしばんでいる悲しい風景に遭遇して心が暗くなりました。公園の入り口の看板に(野生の生きもの達が主役をつとめる世界です)と印象的な言葉が書かれてありました。

    DOUTO-7.jpg当日の見学は終了16:50―宿泊施設別海町の保養所に17:20到着お部屋、お風呂ととても気持ち良くお食事も薄味でとても美味しく頂きました。特にお風呂の茶色かかったお湯が身体によさそうで気持ち良いお風呂でした。

     

     

     

    6月29日(水) 第3日目  (記録 邦子)

    • コースタイム 別海町町営ホテル「郊楽苑」出発(7:50)― 走古丹(8:30/9:00)― 野付け半島ネイチャーセンター(10:15/12:10)― 道の駅らうす(13:15/13:30)― 知床峠(13:15/14:00)カムイワッカの滝(14:45/15:00)― 知床五湖センター高架木道(15:25/16:15)―岩尾別温泉着(16:30)― 夕食(18:00)― 就寝(20:15)

    DOUTO-31.jpg私たちが泊まったホテルのある別海町は香川県と同じ位の面積で、イギリスの田舎の牧場風景に似ているという。町の面積のほとんどが牧場で、そこでは牛や鹿が草を食んでいるのどかなところであった。 ホテルを8時ごろ出発し、別海町の端にある走古丹という岬に向う。そこは昨日風蓮湖のほとりにある春国岱から望遠鏡で見た、丹頂鶴の飛来地の近くでもうこれ以上車が入れないというところで降りる。一面紫色の濱エンドウが咲き、海岸には白い大きなハマグリが落ちていた。女性たちは北海道の思い出に拾い集めていた。

    DOUTO-10.jpg走古丹より知床ミノサップ道路を(国道244号線)40km以上も走り、野付半島に入りネイチャーセンターに到着。トドワラを見に散策路を歩いていると、馬車が私たちの脇を通りぬけて行った。道の両側は、ヒオオギアヤメ、センダイハギ、シシウド、エゾカンゾウ、ハマナスなどの花が咲いていてとてもきれいだった。[トドワラ・・・・樹齢90年?150年のトドマツの林が、海水面の上昇によって海水に侵され風化した枯れ木が横たわる奇観のこと。]その後、ネイチャセンターの食堂で思い思いの昼食を食べ、知床へ向う。

    DOUTO-11.jpg羅臼町から知床に入った頃より雨が降り出す。知床峠は雨の中、皆で傘をさして羅臼岳を背景に記念撮影。 知床五湖への道路でキタキツネが車のそばに寄ってくる。少しやせ細っていて冬の厳しさに耐えてきたことがうかがえる。知床五湖への少し手前で脇道に入り、10km以上先にある知床最北端のカムイワッカの滝を見に行く。この滝は知床連山の硫黄岳の中腹から湧き出る温泉が川に流れ込み、カムイワッカ川全体が流れる温泉となっている。滝つぼには、川の中を歩いて行かなければならず諦める。

    DOUTO-32.jpgカムイワッカの滝から来た道を戻り、知床五湖センターに到着。知床五湖へは熊が出没しているということで行けず、世界遺産登録で観光化された立派な高架木道を歩き、1番目の湖のところまで行く。湖は夕方で人が少なく、知床連山が湖面に移りとても幻想的。木道の下の湿原では鹿がゆったりと横たわり、木道脇の草むらの中にとてもきれいなルリ色の小さな糸トンボも見つけ、知床を満喫。

    DOUTO-14.jpg知床五湖センターを後にして今夜の宿、岩尾別温泉への道に入ると数十頭の鹿の群れが私たちを出迎えてくれた。一軒宿のホテル「地の涯」は、熊が出てきそうなところで、ホテルの玄関前では立派な角を持った2頭の牡鹿がのんびりと草を食べていたり、キタキツネもみかけました。またホテルの前の林の中には、野天風呂もあり男性が2-3人ゆうゆうと入っていました。

     

    6月30日(木)第4日  (記録 幸子)

    曇のち晴

    • コース概要 起床6時――7時朝食――7時30分出発――フレペの滝――ウトロ――オシンコシンの滝――以久科里原生花園――小清水原生花園60分(昼食)――能取岬60分、――網走市内――網走セントラルホテル泊着――18時夕食会宿泊 網走セントラルホテル 

    6:00起床。樹海の中にひっそり佇む岩尾別温泉(地の涯)朝食前に温泉に行き7:00朝食。旅ならではの至福の一時です。

    DOUTO-13.jpg出発前、ホテル地の涯の自家発電用の大きな水車の前で、記念撮影をし、8:00宿を後にする。8:15知床自然センターに着く。ここからフレペの滝の遊歩道へ入る。片道1キロメートル約20分のコースです。遊歩道は林とササ原を抜け、 8:40展望台に着き、ここからフレペの滝を見る。フレペの滝は知床連山に降った雪や雨が地下に浸透し、垂直に切り立った約100メートルの断崖の割れ目から、オホーツク海に流れ落ちている。川のない滝で涙がこぼれるように流れていることから別名、乙女の涙と呼ばれているそうです。

    展望台からはオホーツクの海と断崖絶壁の上に灯台が見え、親子の鹿、上空ではオオセグロカモメ、岩ツバメが飛び交い、うす日が差して知床連山が霞んで見える。9:15知床自然センターに戻り、9:25オシンコシンの滝に向かう。

    DOUTO-16.jpg海岸線を走り途中道の駅に寄り、10:00オシンコシンの滝に着く。滝は斜里郡斜里町のチャラッセナイ川の河口付近にあり、日本の滝百選に選ばれています。

    滝と言えば山奥にあると思っていましたが、国道334号沿いにあり、途中で二つに広がって流れる滝を正面から間近に見ることが出来迫力があり感動です。車は、小麦畑、ジャガイモ畑を両側に見ながら暫く走り、10:40予定外の北海道指定史跡「朱円周堤墓」に急遽立ち寄る。この史跡は縄文時代後期の墳墓群で、2011年6月より約60年ぶりに発掘調査が始まりました。

    11:00以久科原生花園に着く。狭い駐車場より細い遊歩道を登るとオホーツク海沿いの砂丘に一面に広がる花園にオレンジ色のエゾスカシユリ、ハマナス、ハマエンドウ、淡いピンク色のハマフーロが風に戦いで愛らしい。ここでは殆ど人に会わず、訪れる方が少ないようです。

    DOUTO-18.jpg11:20少し走ると海岸沿いに広い墓地が延々と続いているのが目にはいる。 11:45小清水原生花園に着く。こちらは大勢の観光客で賑わっています。国道244号線に沿いオホーツク海と濤沸湖に挟まれた約12キロメートルの砂丘地に、淡い黄色のエゾキスゲ、エゾカンゾウ、エゾスカシユリ、ハマナス、ハマフーロ、振り向くとヒオウギアヤメの群生も遠望できます。

    また、オホーツク海岸に網走国定公園小清水原生花園「日本最北の鳴り砂浜」と書いた看板があり、ここに立つと、寄せては返す波の音どこまでも続く広い砂浜、ここでしか味わえない景観です。

    12:45網走市街に入り駅近くのレストランポパイで13:00少し遅い昼食です。各自で注文する。店内は昔の帯を背景に沢山のお花が生けられています。

    DOUTO-20.jpg14:00お店を出て車で5分位走ると、もう山や畑、牧草地が続き14:20能取岬(のとろ)に着く。能取岬は網走湾の北端部にあり、オホーツク海に突出する岬で周囲は標高40?60メートルの丘陵で、突端部に能取岬灯台があります。

    お天気は快晴になり、岬から見下ろすと美しいオホーツク海と知床連山の雄大さに感動です。また、夕日と流氷見物のポイントとして人気が高いとの事で沢山のベンチが置いてあります

    白と黒のボーダーカラーの灯台があり、近くに巨大なニポポ像もあります。広大な草原は奇麗に刈り取られ、海の断崖の斜面にはカンゾウの花が一面に咲き乱れています。遊歩道を進むと、網走のシンボルタワー「オホーツクの塔」がオホーツク海を背景に建てられています。高さ10メートルのコンクリート製で漁民の像と鮭がありました。

    青い海、青い空の下、ベンチで横になる人、お話をする人、心地良い爽やかな風に吹かれながら15:30迄ゆっくり休憩です。

    長いトンネルを抜け、能取湖を見ながら走り、16:00網走セントラルホテルに着く。各部屋で寛ぎ、18:00ロビーに集まりホテルから少し歩いて、酒菜亭喜八で夕食です。お店は混んでいるようで少し待ち、2階の堀炬燵のある個室で3名ずつのグループになる。くじら料理と地酒の店、という事で普段あまり食べない物を注文する。くじらの竜田揚げ、しまエビのお造り盛り合わせ、白アスパラガスの塩焼き、特製つくねの串焼き、シャキシャキサラダ等、珍しいお酒もあり、楽しい夕食になりました。

    20:30ホテルに戻る。有志のみ部屋に集まり2次会です。

    毎日、運転をして下さった善右衛門さん、憲治さん本当にお疲れ様でございます

  • 7月1日(金)第五日目(記録 才美)
    • コース概要 7時30分網走セントラルホテル出発――ワッカ原生花園9時(借り自転車でのサイクリング2時間)11時――ネイチャーセンター昼食(ホタテ弁当)12時――小向原生花園(サロマ湖畔原生花園。海岸砂丘昼寝)13時15分――湧別道の駅14時(土産物屋)――女満別空港16時着――レンタカー返し――各自夕食、女満別空港発18時25分――羽田着20時20分

    網走から、能取湖畔左岸を大きく廻り、北海道最大の湖、サロマ湖に向かう。サロマ湖は日本三大湖といわれる汽水湖である。道の右手に続くサロマ湖は海と区別がつかない。なんとなく浅くは見えるが。

    DOUTO-33.jpg栄浦大橋を渡り、サロマ湖ネイチャーセンターに着き、早速500円で自転車を借りる。1991年から、一切の車の乗り入れを禁じて、自然環境を守っている。サロマ湖とオオホーツクに挟まれた砂州は幅が200m?700mにおよび、長さは20kmもある日本最大の海岸草原であり、300種を超える花が競っている。両側の草原のハマンスは濃い花の色のもと、美しく清楚で、とてもいい香りがしている。白く大きいエゾノ鎧草、黄色のセンダイハギ、エゾスカシユリ、カンゾウ、オレンジに近い黄色いエゾデンテイカ、紫の弱々しいハマエンドウが咲き乱れている。カッコウが姿を見せて鳴いている。小鳥が叢を低く飛び交いオオサギがゆっくり魚を狙っている。ここは日本一の本物の原生花園に違いない。どうも、他の原生花園では、人工的に肥料を与えたり、花をまとめて植えたりしているようだ。

    DOUTO-34.jpg自転車道は竜宮街道というが、海中でもないのに当を得ていない名前だ。幅5mの道は舗装されているが少しきつい坂があったり、いくら行ってもきりがない長さが続いている。花園を清々しい風を受けて走るのだが、いささか疲れる。2時間ほど、十分に走りまわり、尻が痛くなったのを機にネイチャーセンターに戻る。

    ここサロマ湖は、有名な帆立て貝の産地で、その弁当を地元の漁協が特別に売っている。数は僅かで、私達がほとんどすべてを買い占める結果になってしまった。店の人が丁寧に弁当を温めてくれる。さすがに大きな帆立て貝はしっかりした味だった。

    DOUTO-35.jpg欲張って小向原生花園に向かう。サロマ湖から少しオホーツクを北上することになるがなんとなく魅力あったからだ。車は、小向原生花園の道しるべに従い国道を離れて海岸に向かうが、あたり一面丈の高い草原。確かに、古い看板が原生花園を示しているが、そもそもそこの駐車場への道に車の跡もない。訪れる人もめったにいないようだ。菖蒲の花があるが遠くに僅かしか見当たらない。その代りと言っては語弊があるが、ここに続く海岸の砂丘は誰もいなく、静かで、浮世離れして別世界だ。サロマ湖畔の自転車道では寒く、到底半袖などではいられなくすっかり体が冷えたが、ここの温かい砂に寝そべるとうっとりする。みんなそれぞれの時間をそれぞれの砂で過ごす。長かった旅の終焉を心地よく噛みしめている。オホーツクは静かで小さい波音を立て、潮風がそよと吹く。花はないが立派な原生花園のひとつだ。

    DOUTO-36.jpg空港へのまっすぐな道の途中、湧別で道の駅に立ち寄る。薄暗い室内、ペンキの剥げた建物、どう見ても繁盛している店に見えない。それでもかっては、観光バスが押し寄せていたこともあるのだろう、広大な雑草だらけの駐車場がそれを物語っている。元気のいい、店員に反比例して商品は無理に買おうとしても到底買う気はしない。早々にトイレを済ませ、空港に向かう。

    女満別空港は思ったより大きい。夕飯をするにはちょうどいい所だ。やっとレンタカーをチェックインして落ち着く。後は、飛行機に乗るだけである。飛行機は、案外混み合っていた。どこから湧いてきたのだろう。

    ひと寝入りして羽田で解散。二俣川行きのバスにいつもながら慌ただしく乗りこむ。大きな荷物と、大きな道東を持ってそれぞれ家路に着く。健康で良かった。

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