No.152 檜洞丸(1,601m)山行記録(2006.5.25)

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Hinokibora_2.jpg白銀の富士、シロヤシオツツジ、トウゴクミツバツツジを満喫

(記録担当 恒雄)

 今年2月、第7回健ハイサロン会は「写真・・・その四季」。参加者は各々が撮った山の写真を持ち寄りそれが題材になった。当日今回のリーダー紘正さんは、昨年行かれた西丹沢の"檜洞丸のシロヤシオツツジ"を数枚持参された。その写真を拝見し、何かわからぬが"檜洞とツツジ"に引き付けらた。そして今年は実際に見たいとの願望に変わっていった。

Hinokibora_1.JPG 4月1日現在の"会山行計画一覧"によれぱ5月27日に"畦ヶ丸"の予定が組まれていた。5月例会で、檜洞丸の話からリーダー間の調整となり、その結果、平日の檜洞行きが決まり勇躍参加を申し込んだ。自分は"原生林の檜洞"と"シロヤシオツツジの観賞"が主眼と決め込んだ。

 前書きが長くなったが、集合場所の山北駅に電車は定刻に到着。手配したタクシーに分乗し一路西丹沢に向かった。バスでは努力しても終点着が7時半を回るが、今日は登り口の"用木沢出合"まで入り、歩き始めの貴重な時間が大巾に稼げた。この出会は一寸した広場になっており、すでに数台の駐車を見た。かっての大石・小石の砂利道も、今は舗装され、道々のキャンプ場、コッテージは、登山者にはそう縁のない施設で、便利さの象徴、車社会がこの山奥まで入り込んだあまりの開発は、やがて環境の破壌へ、荒廃へと繋がるのではないかとの危倶の感を持った。

 全員が揃ったところで、朝のミーティング、リーダーよりのコースの再説明、安全登山、準備体操、諸注意等の後、オーダーも決まり出発する。この登り口は古ぼけた道標が1本立つのみの狭い、薄暗い所と記憶していたが、東海自然歩道の整備、維持によるもの思われるたいへんに歩き良く作られ、前日沢沿いに降ったと思われる雨も、木橋1ヶ所のみ外されていただけで増水の心配もなく、右に左に用木沢を渡り返して快調に進む。コシツバ沢出合で小休止。点在する赤紫のツツジをバックで支える柔らかい若葉の緑は飛び切りの風景で、一服の清涼剤になった。ここでコシツバ沢を横切り、用木沢右岸の尾根に入る。熊笹の急坂25分を登り切ると1,060mの峠、犬越路(いぬこえじ)である。

Hinokibora_3.jpg 信玄小田原攻めの時、愛犬を先導させて峠を越えたところから、このように呼ぱれるようになったとの伝説や、この付近はイノシシが多く生息していたので猪越路とも言われたとか、名前の由来も賑やかだが、登る人、下る人、縦走の人と多くの人がクロスするこの峠は、避難小屋やベンチが有り、360度の展望、遠望が楽しめるため、登山者でも賑わうところでもある。

 富士から?遠く南アルプスを跳め、汗拭き、喉へ、腹へでの忙しい峠の時間、予定の時間は忽ちオーバーする。出発準備を整えて檜洞まで距離4km、標高差541mの縦走に入る。

 犬越路隧道の上を通過する辺りから、左右にツツジの姿が増えてきた。ただ登山道から離れており眺めるのみである。一般に標高が低いところより、高くなるにつれ、蕾の割合が増えた。周囲の木々の葉は若草の色一色で、期待のツツジに代わり、一面明るい雰囲気に醸し出された縦走路は、後方から"先頭がこの緑に吸い込まれて行くように見える"とのこと、この時期ならではの初夏の山の気配を感じたところである。

 30分ほどだろうか進むとクサリ場に出た。小笄(ここうげ)の登りである。標高1288mとも1320mとも言われているが、前者が正しいようである。続く大笄(おおこうげ)は、標高1510m。両方の登りに、クサリ、ロープ、鉄梯子等が数ヶ所有る。順調に通過する。両ピークとも山頂の標識・表示はなにもないが、犬越路から登って初めと、次のピークが小笄・大笄である。

Hinokibora_4.jpg 大笄を下った鞍部には長者舎・神ノ川沿いからの道が上がってくる。好天に恵まれたためかとても明るく広々と感じた。切り開かれたところにテーブルも2つある。昼食休憩に入る。犬越路からここまで姿を見せていた富士、モクモク湧く厚い雲に覆われてきた。陽射しは強い。

 昼食後は、安定してる天候と見通しの良い一本道とあって、各々檜洞山頂まで自由行動となる。目の前の第3のピークは"熊笹の峰" 1523m。名前と少々異なりスズタケが密生している。少しの登りでなだらかな丸い頂きを踏む。ここも山頂に標識はない。一旦下って檜洞丸への最後の登りはガレた感じの、しかし良く整備された登山道をジグザクに登る。やや細長い感じの檜洞丸山頂(1601m)には、12時30分?44分全員集結した。

 かなり広い、明るい山頂は、平日にもかかわらず、昼時・花の時期でもあり、驚くほどの人・人・人。とても数え切れぬが50人は下らない数と見た。鬱蒼とした霧の中のプナ林を想像していたが、曾ての秘境、巨木は夢かもしれない。そこかしこに群生してるバイケイソウは、丈約40?50?位、まもなく開花の時を迎えるだろうが、今は伸び盛りの葉の淡緑色が周囲を明るくし、この山の幽玄さのただずまいを変化させているように思える。

 早々に記念の写真を撮り下山開始。下山路はブナを始めとする山頂付近の植生の養生・保護のため長々と木道が敷かれている。石棚山コースとの分岐点で、右の"ツツジ新道コース"に入る。段々と目指す"シロヤシオ"の数が多くなる。標高約1300m付近の急坂が左折する所で、本日最高のシロヤシオに会う。横から眺め、下から仰ぎ見て純白の花ビラに見とれる。この辺りトウゴクミツバツツジも見頃で、白と赤紫のなんとも言えぬ色合いがブルーの空に映え、存分に脳裏に焼付け、此の上ない満足感に浸る。標高約1100mの展望台で一休みし、ゴーラ沢出合まで一気に下る。小憩後、足に快い感触を与えてくれる東沢右岸を高捲く山道は30分で、朝タクシーで通った車道に出る。さらに西丹沢自然教室バス停までは10分ほどで着いた。計画した時間は若干オーバーしたが、余裕をもって予定のバス待ちの列に並んだ。 バスは定刻に発車。小田急新松田駅に17時30分到着。この山行きは好天にも恵まれて約8時間の山の旅を予定通り終えた。

 

≪メモ≫

  1. リーダー紘正さんのこの計画は、昨年の経験と去る5月の下見行きをべ一スして練られており、細部にまで気が届き、集合場所・交通の方法・時間設定等など、余裕を持った安全な山行で、リーダーのご努力に感謝したいと思います。
  2. 距離:約10.5?、標高差:約960m、気温:12℃(朝5時) / 26℃(正午)。
  3. タクシー:約7,000円(山北駅?用木沢出合)、他に早朝料金400円が加算された。
  4. "バイケイソウ"は、ほかに"ミヤマバイケイソウ"もあり、花期は7月、ミヤマの方が小振り、丹沢山のと同類と思われる。根茎に猛毒有り。"コバイケソウ"は同類。
  • 日時:2006年5月25日
  • 参加者
    恒雄、勝巳、才美、伊久枝、紘正、邦子、昭、幸子、以上計8名
  • コースタイム
    • (実際着/発)
      JR山北駅(7:03/7:07)......(タクシー)......用木沢出合(7:40/7:50)......(登山開始)......コシツバ沢出合(8:38/8:45)......犬越路(9:10/9:30)......犬越路トンネル上(9:44)......小笄......大笄(11:10)......神ノ川道合流(11:34/昼食/12:00)......熊笹の峰(12:10)......桧洞丸山頂(12:30-44 /12:55)......(下山開始)......ツツジ新道分岐(13:13)......展望台(13:45-14:16/14:30)......ゴーラ沢出合(15:00-10/15:20)......車道(15:50)......西丹沢自然教室バス停(16:00/16:20)......(バス)......小田急新松田駅(17:30)(解散)
    • (予定着/発)
      JR山北駅(7:05/7:10)......(タクシー)......用木沢出合(7:50)......(登山開始)......コシツバ沢出合(8:50 /8:55)......犬越路(9:20 /9:30)......犬越路トンネル上(9:45)......小笄......大笄......神ノ川道合流(11:40/昼食/12:10)......熊笹の峰......桧洞丸山頂(12:50/13:10)......(下山開始)......ツツジ新道分岐(13:25)......展望台(14:20/14:30)......ゴーラ沢出合(15:05)......西丹沢自然教室バス停(15:40/16:20)......(バス)......小田急新松田駅(17:35)(解散)

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このページは、akirafが2006年5月31日 17:36に書いたブログ記事です。

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