No.153 高峰高原山行記録(2006.6.9-11)

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Takamine_4.JPG黒斑山(2414m)、東篭の塔山(2227m)、西篭の塔山(2212m)、水の塔山(2202m)、高峰山(2075m)をめぐる。色とりどりの高山植物に感嘆の声

【第1日】6月9日午前中雨、午後曇り

(記録担当 伊久枝)

 高所対応の慣らし山行ということで2泊3日の高峰温泉行きは11名となり、東京駅を予定通りに出発。

 車窓からの景色は雨に煙る麦秋と稲田の緑の美しいアンサンブル。次第に雨も上るかなと思いきや軽井沢あたりはひどい雨足。それでも佐久平駅は傘の必要もなく、貸切り状態のバスに乗る。

Takamine_1.JPG 回数券が5枚しかないので他の人は割引きにならないという運転手さんの言葉に??...と納得しかねながらも、いつもの如く勝巳リーダーの値切り交渉や楽しい会話で座を和やかにしてくれたおかげで、シコリも残らずチェリーパークラインを走る。

 温泉宿に上り荷物を整理。雨仕度もしっかりと整え、宿のマイクロで車坂峠まで送ってもらう。黒斑山の登山口でコースの紹介。軽いザックに気をよくして中コースを歩き出すが、ひたすら細い登り坂。ガレた道には雨水が流れている。

 雨具の内側からの暑さと共にしたたる汗を拭いながらトーミの頭まで登る。このあたりは岩がゴロゴロで樹木もなく慎重に登る。晴天であれば浅間山も、周囲の山並みも見渡せるらしいが、生憎の雨で眺望がきかない。

Takamine_2.JPG 分岐の道を黒斑山方面にとり少し行ったあたりの樹林の中で昼食となる。大木の切り株や倒木に腰かけたが、右側の崖から吹きつける風の音はゴーゴーとして木をゆらしている。あまりの風の凄さに大木が地表を揺らすのか地震と間違え、"スワ! 浅間山の爆発?!"...とゾッとする。食後5分くらいの登りで黒斑山山頂に着き、記念撮影。ところどころ霧が切れる程度で雨も小止み状態。もと来た道を下り、トーミの頭(遠くを見るの意味との説明あり)で見まわすが浅間は見えず、登ってきた中コースの分岐を左の表コースへ進むと避難小屋があり、トイレ休憩となる。 そこからは道幅も広くカラマツの新緑が美しい。実を付けた枝の張り具合と全体に調和のとれた見事さに見とれながらの尾根下り。

 ガレ場付近で愛らしいイワカガミが目に留まる。休憩をはさんでのゆっくりとした下りは次第に雨も上り、雲の切れ間にボンヤリ空も顔を出し...と明日の天気を約束してくれているよう。

 今日の雨の山行もそこここでのカラマツの歓迎に気分もほぐれ苦にならない。心なごんだ山行でした。

Takamine_5.JPG 林道を20分ほど歩き宿へ。ダンロの前に濡れたものを全て干して下さり、われわれは一目散に温泉へ。一度温まってから冷たい湯にじっくり入り、30分も皆でおしゃべりをする。

 食事の前の1時間半を男性の部屋でダベリパーティ。ワイン・ビールで花が咲き大笑いの連続。

 6時からの食事はお品書き付きの懐石料理。食前酒からはじまり、一つ一つを確認しながらの楽しい食事。

 献立は――朝鮮五味子 (食前酒)、鯉のたたき、そば寒天、わらびくるみ和え、蒟蒻の刺身、蕪のとりひき肉あんかけ、鯉のうま煮、ふきの葉みそ焼、山菜のてんぷら、ご飯、味噌汁、野沢菜

 男女別の部屋に戻ったのは"8時?! 寝るのも早いわね"といいつつ、のんびりした時の流れに浸っていた。

 健ハイではかってないのんびり山行の一日目ではありました。

 

Takamine_6.JPG【第2日】6月10日 雲は多いが晴れ

(記録担当 きみ子)

 湿原入り口で車を降り、散策コースを行く運転手兼案内人たちのグループと別れて歩き出す。左手に昨日登った黒斑山などを見ながら、一昨年の雪中行軍(?)の話などに花を咲かせる。岩に群生するイワカガミの可憐なこと、みずみずしいカラマツの新緑、いろんな緑のグラデーションを見せる樹林帯の中に白やピンクの小さな花が彩りを添える。

 鏡池。目の前に東篭ノ塔山、やや右寄りに水ノ塔山の頭が見える。ここから上り、オトギの森を経て、三方が峰へ。鉄柵の向こうにコマクサの群生。だが、開花まではあと少しか。先の案内人と行き会い、いい具合に焦点を当てた望遠鏡でコマクサを見せてもらった。それは、もう"咲いている"状態だった。

 ここで出会った花をアトランダムに記すと
ミネザクラ、ショウジョウバカマ、イワハタザオ、ツバメオモト、シロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)、ミツバオーレン(「ゴサンノピン」と覚えておこうねと???」)、フデリンドウ、コヨウラクツツジ、ツガザクラ、イチヨウラン(高山植物監視員に教えてもらった)、ヒメイチゲ、ハクサンイチゲ、オオカメノキ、シロバナヘビイチゴ、ガンコウラン、シロスミレ

 そのほか、まだあったが、残念ながら名前がわからない。

Takamine_3.JPG 湿原入り口に戻って、いよいよ東篭ノ塔山をめざす。カラマツの樹林帯や、シャクナゲの紅、朱、ピンク、赤の間を縫うようにして歩く。そこを抜けるとガレ場になり頂上が見えてきた。が、ここからが大変。ともすれば休みたくなる足を励まし励まし、やっと頂上へ。ここで昼食。ヤレヤレと思うまもなく西篭ノ塔を目指す。ここまではめったに来ないという。引き返して再び東篭ノ塔。

 東篭ノ塔から水ノ塔への道を見ると、赤茶色の地肌をした細い道が長く続いている。「赤ゾレ」と言うのだそうだ。このあたりは、厳しい風の影響で植物が育ちにくいと言うことだが、この道筋でキバナノコマノツメ(スミレの仲間で「スミレ」とつかないのはこの花だけだそうだ」を見つけた。水ノ塔頂上から、しばらく険しい岩場が続く。慎重に進み、この難所を無事通過。改めて、今日が雨でなかったことを感謝する。

 宿に着いて、まずは温泉でゆっくり手足を伸ばす。アーいい気持ち。

 夕食の前に、スイス行きの話や高地でのアルコールの体への影響?の実験をして盛り上がる。

 今夜の献立は――ブルーベリーワイン(食前酒)、鯉の酢ぬた、おかひじきのゴマ酢和え、おひたし(蕨、水菜など)、煮物(淡竹、蕪など)、馬刺し、岩魚塩焼き、鯉ステーキ、山菜のてんぷら、ご飯、味噌汁、野沢菜

 

Takamine_7.JPG【第3日】6月11日 曇り、のち雨

(記録担当 きみ子)

 高峰山は「花の百名山」で、ヒメシャジンが上げられているが、今日は見られなかった。

 霧が深い。向こうから来る車のライトもぼんやりとしている。気温も低いが、みんなの意気は高い。車坂峠でリーダーの話 「今日はゆっくりと歩く。休憩も十分とって行きます」と。服装を整えてから歩き出す。先頭は邦子さん。

 頂上から1キロくらい手前から、道の両側にハクサンイチゲの群落が続く。「まさにイチゲ街道ね」と伊久枝さん。樹林帯をいくほどに見事なシャクナゲが現れる。足元にはミツバオーレン、イワカガミ、ヒメイチゲ、ツバメオモトなどなど。

 時折きりが晴れて、ふもとの町並みや、山並みが見えるがすぐ隠れてしまう。

 一歩山道を外れて奥へ入ると、足元がふわふわしている。奥に進むにつれて、見事なシャクナゲの競演が広がる。まるで、美人たちが研を競っているかのようだ。感嘆の声が尽きない。この景観は、他の人には封印してしまおうと、私たちが道に戻った後、枯れ木を横に渡してきた。ウフフ(だれが?)

 高峰温泉の到着。手洗いもそこそこに食堂へ。宿自慢の十割そばを食す。もちろんその前にビールで乾杯。

 窓の外は本降りの雨。私たちが林道に出たとき、パラパラっと来たがたいしたことにはならなくて宿に帰り着いたのに・・・。なんとタイミングがいいことか。どこまでもついているなーと感動する。食後、温泉にのんびりと浸かる。荷造りをし、コーヒーを飲みながら窓外のサンクチュアリを眺める。アナグマやリスが来ている。たくさんのキジバト。彼らの行動の意味するところを想像したりして・・。

 JRバスは、往きと同じ、若くて真面目な運転手さん。定刻に佐久平に着いた。

  • 日時:2006年6月9日-11日
  • 参加者
    孝儀、多摩江、初枝、善右衛門、勝巳、才美、伊久枝、邦子、きみ子、昭、幸子、以上計11名
  • コースタイム(着/発)
    • 【第1日】
      東京駅(6:52)......(新幹線)......佐久平駅(8:20/8:40)......(バス)......高峰温泉(9:50/10:10)......(マイクロバス)......車坂峠(10:20)......(登山開始)......トーミの頭......樹林の中(11:50/昼食/12:15)......黒斑山山頂(12:30/12:50)......トーミの頭......避難小屋......車坂峠(14:25)......高峰温泉 (14:50)
    • 【第2日】
      高峰温泉(8:45)......(マイクロバス)......池の平湿原入り口(9:00)......アヤメ歩道・忠治の隠れ岩・三方が峰・見晴丘・雲上の丘・雷の丘......湿原入り口(11:00)......東篭ノ塔山(11:30/昼食/12:00)......西篭ノ塔山(12:30)......東篭ノ塔山(13:00/13:15)......水ノ塔山(14:00/14:15)......高峰温泉(15:10)
    • 【第3日】
      高峰温泉(8:40)......車坂峠(9:00)......高峰山(10:20/11:10)......高峰温泉(12:05/昼食入浴休憩/15:50)......(JRバス)......佐久平駅(17:00/17:12)......(新幹線)......東京駅(18:32)(解散)

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このページは、akirafが2006年6月20日 10:25に書いたブログ記事です。

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