No.238 烏帽子岳(2066m)、池の平散策、村上山(1746m)山行記録(2009.11.6-7)

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Eboshi_01.JPG(記録担当 紘正)

 立冬の前日、幸運を引き当てたように、今年一番と思える天気に恵まれた。横浜も山麓のも、ここ地蔵峠も青空の下にあった。 4台の車は、上信越道東部湯の丸ICより約700mの標高差を駆け上がって10時30分地蔵峠に着いた。

Eboshi_02.JPG 『地蔵峠』は湯の丸高原の中心部で、大きな駐車場やホテル・食堂・売店があったが、紅葉も終わったこの時期は、ゴーストタウンみたいな佇まいで、人の気配を帯びながらも静まっていた。そんな広々とした場所の牧草地に陽だまりを見つけて、昼食をとりながらリーダーの話に耳を傾けた。

 今回の山行の特筆すべき点は、この広大な山域と個々人の趣向に配慮して、登山組と散策組に分けて行動する事であった。

  11時5分、登山組はあきらさんをリーダーとして『烏帽子岳』へ、散策組は勝巳さんがリーダーになって、『池の平湿原』へ出発した。特に登山組に対しては、勝巳さんから、「14時になったら、頂上に至らなくても引き返すこと」と厳命された。やはり、まもなく冬が来る2000m級の山域を歩くのだ、と気を引き締めた。

 

  Eboshi_03.JPG【第1日】11月6日(金)

 (登山組記録担当 紘正)

 烏帽子岳に行く(地蔵峠より4.1km)

  ロッジ花紋横(登山口)から平坦なキャンプ場の道を進む。暫く行くと、枝だけになった落葉松(カラマツ)の林が割れて、その向こうに湯の丸山南峰が見えてきた。落葉の林は淡く沈んでいたが、この山の巻き道に入ると、南面が開けて、山肌の緑や雲ひとつない空の青さに爽やかな秋を感じるようになった。

Eboshi_04.JPG  地蔵峠(標高1730m)から小梨平分岐(標高1850m)に至る2.6kmの巻き道は楽しい道であった。この行程の標高差は120mであるから、起伏の小さい水平道で歩き易い。会話が弾んだり、徐々に変わる落葉松とダケカンバの植生分布に興味を持ったりした。

 道半ば迄行った頃、リーダーが岩鏡の群生に目を留めた。折からの陽射しを受けて、テカテカと輝いていた。邦子さんが「来年の春には、ピンクの花を付けるのよ」と言うと、「わ?、来て見たい、連れてきて!」と、茂子さんの声が弾む。

Eboshi_05.JPG 小梨平分岐が近づく頃、巻き道を境にして、左の谷側に落葉松右の山側にダケカンバと植生が分かれた。そして、落葉松の向こうに、烏帽子岳の山容――稜線出合(標高2000m)・左ピークが見えるようになった。

 12時5分小梨平分岐に到着。地蔵峠から丁度1時間の所要であった。小梨の木の下で15分休憩。 小梨平分岐から左へ、陽の差さない山側の傾斜を登る。途端に道がぬかるんで足抜きの悪い登坂となったが、稜線出合・左ピーク(ニセピークとも言うらしい)を経由して、烏帽子岳山頂に13時10分到着。

Eboshi_06.JPG 登りを総括すると、地蔵峠より4.1km、標高差330m、所要時間(含む休憩)約2時間であった。リーダーのペース配分は適正で、充分に余力を残す往路であった。

  さすがに人気の山の頂上は360度の眺望で、近くに湯の丸山、籠ノ塔山、浅間山、北の方向に四阿山、根子岳 西南の方向に冠雪した北ア後立山連峰が望まれた。

 13時20分同じコースを復路に入る。持ち時間には余裕があったが、一目散に下る。そんなわけで登山口入り口に14時50分に到着。 本日の登山を、記録者の独断で評価すると、
  満足度☆☆☆☆ 体力度 難易度
この時期には最適の山でした。

 但し、これは最高の気象条件に恵まれた結果である事を肝に銘じ、今後も慎重な事前準備、余裕のある行動に努めたいと思います。

  • 参加者
    善右衛門、才美、紘正、邦子、きみ子、昭、茂子、幸子、計8名
  • コースタイム:(着/発)
    【第1日】11月6日(金)地蔵峠?烏帽子岳往復
    二俣川JA前(/6:40)――(乗用車)――地蔵峠登山口(10:30/昼食/11:05)――(登山開始)――小梨平分岐(12:05/12:20)――主稜線出合(12:40)――左ピーク(12:50)――烏帽子岳山頂(13:10/13:20)――(下山)――小梨平分岐(14:20)――地蔵峠登山口(14:50/)――(乗用車)――休暇村鹿沢高原(15:20/)


Eboshi_07.jpg【第1日】11月6日(金)

(散策組記録担当 文子)

 池の平湿原を散策する
 高峰高原・湯の丸山高原を中心とする山域とは、健ハイの人々にとって特別の場所かもしれませんね。旅を重ねること10回目とか。「・・・風格ある木々の群れ。広大な緑の懐に抱かれて、気持ちが溶け出していくようだ」(記念誌4号例外会高峰高原記録より抜粋)確かに、そんな想いが伝わる原風景が、今日の『池の平湿原』にもありました。

 なんて静かな佇まいでしょう・・・鳥達は眠っているのでしょうか、樹木は直ぐ来る雪に備えて殻に閉じこもってしまったのでしょうか・・・体の感覚を研ぎ澄まして、三方ヶ峰に通じる池の平遊歩道に足を踏み入れました。

Eboshi_08.JPG 春や夏の景色より広く感じます、そして、紅葉で彩られた華やかさとは違った明るさ――多分、今日の青空と光が、湿原や周囲の樹木にあまねく降り注いでいるのでしょう、穏やかで暖かい陽射しを浴びた散策、幸せです!

  こんなに穏やかな秋景色の中にも、三方ヶ峰に近い木道には雪が残っていました。もう平常心を失って、へっぴり腰になって登って行きました。でも、皆さんとご一緒だと、こんな事も楽しい。

 景色を眺めながら、木道をゆっくり歩き、12時頃頂上に到着しました。360度を見渡せる眺めに感動しました。八ヶ岳、北アルプスなど山頂に冠雪が始まっていました。

 登山組は、14時までに山頂――きっと、急峻な道を一生懸命に登っていることでしょう。でも???何かおかしい。「ここも(三方ヶ峰頂上)標高2040m、向こうも(烏帽子岳)標高2065m、ほとんど同じ高さ、何が違う???」ウイットに富んだ皆さん、と暫し笑いに興じる。

 12時30分、今は朽ちたコマクサに心を残しながら、木道を下りました。

 14時、休暇村に到着。登山組が到着する迄、お茶を飲んだり、温泉に入ったり、荷物を整理したりして自由に過ごす。

Eboshi_09.JPG  16時頃から、この山行では恒例行事だという食事前の宴会が始まりました。数回の乾杯後、吉生さんが勝巳リーダーに託された宿題を実践しました。忘年山行で唄う"雪の降る町"に目途がついてリーダーは満足のご様子でした。

 食事後の打ち合わせで、明日は全員で『村上山』に登ることになりました。そんなわけで、女性はその後9時半頃まで話が弾み、「オレオレ詐欺の話」で盛り上がり、10名のうち半分以上が電話があったと聞いて皆びっくりです。

 1日目は怪我もなく、皆心地よく明日に向けて休みました。

  • 参加者
    孝儀、多摩江、洋子、恵美子、龍太、美保、勝巳、文子、計8名
  • コースタイム:(着/発)
    【第1日】11月6日(金)池の平湿原散策
    二俣川JA前(/6:40)――(乗用車)――地蔵峠登山口(10:30/昼食/11:05)――(乗用車)――池の平湿原入り口(11:20)――三方ヶ峰(12:00/12:30)――池の平湿原入り口(13:10/13:40)――(乗用車)――休暇村鹿沢高原(14:00/)


【第2日】11月7日(土)

 (記録担当 洋子)

 全員で村上山に登り、そば処「風」で十割蕎麦を満喫
 朝一番、露天風呂から月を愛で、部屋に戻ると「出発を1時間繰り上げる」と連絡があり、あわてて仕度を整える。予定を変更して散策グループも村上山に登頂することになったのだ。

Eboshi_10.JPG 7時40分、青空の下、軽装にて全員出発。村上山の標高は1746mだが、標高1400mに位置する宿のすぐ後ろが登山口になっており、片道2.1kmの行程。健脚組の後を我々散策組は小休止をはさみ一歩一歩ゆっくり登る。カラマツの落ち葉がふわふわと足に優しい。頂上近くの東屋を出たところで下山してきた健脚組みと出会う。ハイタッチをして元気をもらい最後のひとがんばり。

Eboshi_11.JPG  30万年前に噴火した溶岩ドームの村上山。山頂からは四阿山、浅間山、白根山が間近に、さらに朝もやのかなたに八ヶ岳連峰、富士山までも望める。眼下には嬬恋のキャベツ畑が美しく広がり、田代湖が小さな池のよう。標高は低いのに眺望のよさに大満足。

  95分かかった上りだったが、下りは一気に。思いの外の急勾配に「こんなところを登ったんだ」と驚きつつ、笑顔とおしゃべりの絶えない45分間だった。登りのゆっくりペースのおかげで、思ったより楽に登山できた。村上山登山への計画変更、ペース配分等、リーダーに感謝。

Eboshi_12.JPG  駐車場の一角で、りんごの試食、購入をし、昼食予約をした蕎麦屋に向け出発。カラマツの紅葉に歓声を上げながら吾妻線沿いに快適なドライブ。

 そば処「風」は、広いそば畑の中の一軒家。暖かいので屋外のテーブルでいただくことにする。大盛りの天然舞茸天ぷらと十割蕎麦。蕎麦湯もおいしく、みんな大満足。食後にコーヒーのサービスがあり、採れたて野菜を購入したり、山々を眺めたり、のんびりくつろぎ帰路につく。

Eboshi_13.JPG 吾妻渓谷沿いに走ると、人と車があふれている一角が。見上げるとテレビで見かけた光景。「八ッ場ダム!」この辺りは湖の底に沈む予定だったのだ。

  街道沿いの酒屋に寄る。駐車させていただいたお宅では縁先でお茶の時間。りんご、梅干などをお相伴させていただき、転がっていた里芋を「分けてください」と購入。

Eboshi_14.jpg 前橋インターから関越道に入り、寄居PAで最後の合流。16人が別れの挨拶を交わす。計画を立てていただき、車に乗せていただき、山道を励ましていただきとお世話になりっぱなしの今回の山行。往きの倍になったザックと胸いっぱいの幸せを抱え、元気に帰宅。

 運転なさった方々始め、皆さま本当にありがとうございました。

  • 参加者
    孝儀、多摩江、洋子、善右衛門、恵美子、龍太、美保、勝巳、才美、紘正、文子、邦子、きみ子、昭、茂子、幸子、計16名
  • コースタイム:(着/発)
    【第2日】11月7日(土)
    休暇村鹿沢高原(/7:45)――村上山山頂(9:00/9:30)――休暇村(10:15/10:40)――そば処「風」(11:30/13:00)――寄居PA(/15:35)――二俣川(18:30/)

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このページは、akirafが2009年11月11日 16:06に書いたブログ記事です。

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