(5月15日)日 晴れ
曜日も日も分からなくなって、すっかり旅ボケした。昨日と今日は珍しく時間の余裕がある。
ホテルを8時40分発。9時30分アッパーアンテロープキャニオンのツアーに間に合うように急ぐ。昨日のロアーと違いここは企業的に組織だっている。既に多くの観光客が次々に出るツアーの車を、列を作って待っている。流れ作業のようだ。適当に集まるとジープの様な輸送車が出発。すぐに砂の川底をもうもうと砂塵を上げて走りだす。
アラビアンナイトの様な岩の洞窟が現れるところが入り口。一緒に来た現地の案内人が巧みな説明をしているらしい。あっちを見ろ、こっちを見ろ、あれがチョウで、あれが鮫、あれが人の横顔と次々に移動しながら説明する。上から砂をわざと落として観光客を喜ばせているらしい。
差し込む光に砂がきらきらとする。昨日のロウアーの原始的な、荒削りな素朴さに比べ、洞窟は大きく、手入れされ、観光地的だ。ここの案内所で、ロアーアンテロープキャニオンツアーの事を聞いたが「しらない」と言う。商売仇なのかもしれない。
11時アッパーキャニオンを出発。この周辺は特に砂が細かい。口の中がジャリジャリする。途中、ガソリンスタンドで買い込んだ、大きなハンバーグを荒野で食べる。
グランドキャニオン ノースリムに向かう道は行き止まりになる道。南のグランドキャニオンはラスベガスから近いこともあり、多くの観光客が訪れるが、北側は、交通の便が悪く訪れる人は少ない。峠を越え、松の木とトウヒの森林地帯を過ぎて、眺望がきくかなり海抜の高い残雪のあるところまで来る。途中、明らかに山火事の跡。落雷や、強風が原因だろうが、その規模が大きく、焼け跡が次々に現れる。アメリカの国立公園の場合、原則的に山火事の消火はしない。自然発生の山火事は普通の自然現象だからだ。国土の大きさがこの考えの基本にある。
グランドキャニオンノースリムは、車を降りて30分で行き着く。立派な周遊コースが幾つもあるが代表的なコースを2時間程度散策する。とは言っても数百メートルの急峻な崖沿いの道。水と食料は必ず持て等と書いてあるのだ。すれ違いは出来るが道をはずすことなど出来ない。深い渓谷を挟んで、地層が赤や、黒、茶色などと色とりどりに幾重にも重なる不思議な光景に出合う。なんでも地球の歴史のほとんど全てがコロラド川の激流に刻まれ現れているのだそうだ。ブライトエンジェルとか、ケープロイヤルとかビューポイントが幾つもあるが、どこも素晴らしく全部がビューポイントである。コロラド川までちょっと下って来る事は出来ない。往復10時間は越える。
今日泊まるカナブのホテルで韓国の団体に出会う。中国人よりなじみやすく感じる。夕食は近くのピザ屋。部屋に冷蔵庫はない。半地下の様な所だった。
KANAB コンフォート イン カナブ4700円/人
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