(5月11日)水 晴れ
ユマのホテル発7時30分 暑い。麦秋の緑の牧場を過ぎると、いよいよ本場のアリゾナの砂漠地帯。サボテンは砂漠に行けばどこにでもあるとは大いなる誤解。むしろ珍しいものだ。荒涼とした風景に人型のサボテンはなんだかいい人ににこやかに迎えられたように思える。ここはメキシコ国境に近くカッコイイ制服の国境警備隊に出会う。横に走る線路に貨物車が通り118両連結まで数えたがもっとあったらしい。ほとんどが、四角に梱包した牧草と、大きな牛を輸送中で、鉄道が昔のカーボーイの仕事をしているようだ。
通り過ぎた西部劇で有名なツーソンの近くで、サボテンのサガロ国立公園に入る。静かで観光客も見当たらない。未舗装の埃だらけの道をゆっくり車で回るがさすがに多くののハシラサボテン、サワロサボテンがある。とても親しみやすいのだ。知り合いのようにすら見える。消えていった、先住民の霊が作り上げた形のように見える。やっぱりサボテンは珍しいものだから、わざわざ、サボテンの公園があるのだろう。ここアリゾナ南の気温の高いソノラ砂漠にしかないようだ。ビジターセンターの売店はレンジャーのTシャツしかないようなかわいい店だ。 それにしても暑い。さすがに砂漠。公園を出てから、どこまで行っても変わらない風景が続く。まっすぐな広い道。両脇の砂漠。僅かな枯れ草、遠い地平線の岩山。昼食はガソリンスタンド併設の店で、御当地ルールが分からず注文に手間取る。野菜サラダやチキンの種類が多い。
遠く正面に山が見えだした。今日の宿はあの山のふもとである。ホテルわきのアメリカンレストランでやっと冷たいビールと食事にありつく。そこはラスクルーセスだ。メキシコの町の様な名前である。
コメントする