第2日('09.6.26) 利尻岳登山、島観光記録

user-pic
0

Hokkaido2_1.JPG(記録担当 登山組:勝巳)

 なにせ、11時間はかかる山である。初めて見た時、海上に屹立するその姿は、あんなのに登れるのかという畏怖感であった。美しい姿に惑わされてこれで4回目の登頂。道は数年前に比べてずいぶん手入れされ良くなった。その分登山者は増えたが。

Hokkaido2_2.JPG 午前2時30分には目を覚まし、4時前に宿を出発、登山口へ。朝、昼は大きな握り飯のみ計4個。明治の帝国軍人の弁当だ。(これには後日談がある、食べきれずに残した結びを捨てるにあたり、米は特別であるから宿と相談して処分してもらうと主張、ごみ箱から回収した。米に対する日本人の忘れていた気持ちを思い出させてくれた善右衛門さんの行動は見習うべきだ)

Hokkaido2_4.JPG ともかく、ゆっくり登れば全員が登頂は出来るので、時間があることもあり、休まずゆっくり登る。初めのピッチが肝心で、まずは60分程度継続して登り、休まないでペースをつかむ。ここで、乱れると長時間登山は難しい。深い森の中でもあり、風もあったので暑くも寒くもない。いつ雨が降るかと思われたが、山頂近くでは陽がさしてきて突然海が現れる。長官山の無人小屋に着くころは天候も安定して登山日和だ。残りは90分か。山頂近くのガレバも修復されて悪くない。かえって、緊張感が疲れを忘れさせる。小さな祠が山頂にあってやっと一息。瞬間、海が一望できる。

Hokkaido2_8.JPG 混み合う山頂を早々に切り上げこれよりいよいよ、難物な下りである。長すぎる休憩は害こそあれ益はない。整然と隊列を整え出発。ともかく事故を起こせば引き続く旅行の全部がダメになる、それ以上に本人が苦しむこととなり、目的は達成されない。下りの長い道で一人の転倒による怪我人も、筋肉痛者も出さないよう経験と知識を駆使し、全神経を傾注する。多くの休憩を取るのだがその度に、最適な場所選定、弱い人の疲れ具合、リックの加重、気温、日光の当たり具合、残りの体力、士気、緊張度合等を総合勘案する。何度も水分補給をし脱水状態に備える。宿で購入した移動トイレ袋の使用はどうもなじめず、登山中我慢したが、信じてもらえないようだ。日ごろの言動の結果か。

Hokkaido2_7.JPG 甘露水の音がしてきた時は、万歳を叫びたかった。70歳アラウンド(アラセブン)の人たちが、誰ひとりの怪我も事故もなく登頂したのだ。これは、わが会の誇りだし、本人も孫に伝えられるほどの自信を持っていいことだ。

 ましてや、78歳の登頂は驚愕だ。まさしく、身近に我々の目標がいる。全員があと10年このようなまともな登山ができるよう日頃から努めたい。健ハイの目的はそこにあるのだから。温泉に入り、うまいビールを飲んで今日は早々に寝よう。明日は花の礼文島だから。ともかく本当によかった、事故者が出なくて。

 (昨年、雨飾に登った時、宿の人が言うには、7組の商業ツアーが来れば5組が事故を起こし、救援に出る状態と言っていた。それよりも困難な山に無事故で行ってきたのだ、良い記念にならないはずがない)

 
  • コースタイム:(着/発)
    • 登り:5時間30分
      起床(3:00)――宿出発(3:50)――(宿の車)――北麓野営場/220m(4:00/4:10)――(登山開始)――甘露水(4:15/朝食/4:25)――七曲り/7合目(6:25/6:35)――長官山/8合目/1,218m――避難小屋(7:45/8:00)――9合目/これからが正念場――利尻山南峰山頂/1,721m(9:30/)
    • 下り:5時間30分
      山頂(/10:00)――避難小屋(11:25/昼食、待機中の三貴也さん合流/11:40)――七曲り(12:50/13:00)――甘露水――北麓野営場(15:15/15:20)――(宿の車)――宿到着(15:30)――入浴・夕食・祝杯(18:00)
  • 天候
    寒さは感じない。尾根では強風。山頂は霧に包まれ、時折視界が開ける。
  • 宿泊先:旅の宿 「しらかば」 Tel:0163-89-1031

        ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

(記録担当 観光組:多摩江)
晴れ 気温18℃

Hokkaido2_9.JPG 日本最北の地、利尻島に昨日降り立った。早朝3時には、利尻富士に登山する方達は起床し、4時には、宿の車で登山口に向け出発した。観光組の恵美子さんと多摩江は、7時に朝食を摂り、8時に宿の車でフェリー乗り場まで送ってもらった。

 "大自然利尻めぐり"の3900円のコースチッケトを購入する。バスで待っていると到着した連絡船から多くの人が乗り込んできた。忽ち、一杯になり2台目のバスが用意された。

 姫沼に向け出発する。左側に海を見ながら3分程行った所で左折し、急坂を7分走ると姫沼に到着した。原生林に囲まれた周囲約1km程の木道を行くが、観光客が集中した為、通勤時のラッシュアワーの様で遅々として進まず、時間ギリギリでバスに戻れた。

Hokkaido2_10.JPG 姫沼を出発し、利尻島郷土資料館に向かう。枝が上向きがトド松、下向きがエド松とガイドさんより説明を受けながら両側を見ると、おおいたどり(シップ代わりになる)が群生していた。海岸通りに出るとリシリヒナゲシが淡黄色の可憐な花を付けて出迎えてくれた。通り沿いに、ペリーより5年程前に来日したラナルド・マクドナルドの上陸記念碑が建っている。彼は、米国で亡くなる時に"さようなら"と言ったと言う。右手に所々に雪を残した利尻富士が見えてくる。雪が完全に溶けるのは9月に入ってからだ。郷土資料館は、昭和40年までは旧鬼脇村役場として使われていただけあり趣のある佇まいだ。昔はニシンで隆盛を極めた事が良くわかる。ニシンは海流の変化により獲れなくなった様だ。

Hokkaido2_11.JPG 資料館を後にし海岸通りに出て、近くのオタトマリ沼へ向かう。海岸から近いせいか、ひっそりとした姫沼とは対照的に明るく陽気な雰囲気。散策路もあるが、今回は湖畔でウニ(本土にいくと焼ミョウバン処理されたもの)の軍艦巻、焼きホタテ、ソフトクリームを食べて大満足する。湖畔には、菖蒲が紫色の花をつけている。

 利尻島最南端にある仙法志御崎公園に向け出発する。途中"フクロマ"という沢山獲れ過ぎたニシンを一時仮置きして置く場所がある。海際に囲いを作り、その中に網袋に入れたニシンを仮置きしておく。奇岩怪石が点在する利尻島最南端の岬である。磯沿いに遊歩道が設けられ、迷子になったアザラシの子供2頭に餌(オオコウナゴ)をやることが出来る。花は、エゾカンゾウ、ハマナス、リンドウなどが咲いていた。海抜0mから利尻富士を見ることが出来る所で、登山者は、此処で足を海水に浸けてから利尻富士に登るといわれる。今日は残念ながら利尻富士を見ることが出来なかった。

Hokkaido2_12.JPG 利尻富士5合目を目指してバスは走る。海岸沿いを進むと、海難救済の祠、寝熊岩、人面岩【ゴメ(ウミネコ...足が黄色とカモメ...足がピンクの総称)が沢山止まっている。】を見ることができる。沓形市街地(街灯がリシリヒナゲシ)を通り、暫く行ってから右折し、森の細い道をどんどん登って行く。木々の緑が陽に映えて実に綺麗だ。駐車場に着き、下車する。空気が清冽で心洗われる様だ。後、百段の階段を上ると5合目に着き、眼前に利尻富士を仰ぎ見る事が出来る。見返台と呼ばれる場所だ。頂上はガスって見えない。今頃、皆さんはどの辺を登っているのかなと思い眼を凝らすが。周囲の木々が萌黄色で眩しい。

 沓形岬公園(ドント岬)に向け出発する。沓形岬公園に着くと沓形港よりフェリーに乗船する方達は、ここで下車した。この岬は、礼文島を間近に見ることが出来るが、今日は残念だ。足元にはチシマフウロやクロユリがひっそりと咲いている。夕陽の美しい所で、しかも此処からの利尻富士は素晴らしいらしい。誠に残念である。この地にもサルナシ(こちらではコクワ)が沢山採れるのでその実をドライフルーツにして売っている。

 最終地の鴛泊港に向け出発する。途中、飛行機を利用する人は飛行場で下ろして貰える。海岸沿いには、エゾカンゾウが群生し海の色を背景に実に見事だ。島内には、信号が9個しかない為か快適なバスドライブである。流氷は暖流が近くを通っているので此処には来ないそうだ。そうこうしている内に時間通り鴛泊港に到着する。

 遅めの昼食に、ウニ丼を期待していたが今日は漁が無い為、海鮮丼に相成りました。実は、利尻ラーメンを注文したのにお店のほうの手違いで海鮮丼になりました。その後、漁協の店にお土産を買いに行く。お店を出たところ、雨がぱらつき出したので、歩いて帰るつもりだったが、電話をしピックアップして貰った。利尻富士登山の方達は、未だ戻って来ないので、先に温泉に入って待つことにした。

 
  • コースタイム(着/発)
    しらかば荘(/8:00)――鴛泊港(8:05/8:25)――姫沼(8:35/9:05)――利尻島郷土資料館(9:30/9:50)――オタトマリ沼(9:55/10:20)――仙法志御崎公園(10:25/10:55)――利尻富士5合目(11:20/11:55)――沓形岬公園(ドント岬)(12:03/12:25)――鴛泊港(12:50/)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/254

コメントする

このブログ記事について

このページは、akirafが2009年7月 6日 07:55に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「第3日('09.6.27) 礼文島を観光・散策」です。

次のブログ記事は「第1日('09.6.25) 羽田から稚内経由利尻島へ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。