第6日('06.7.2) マッターホルン中腹のヘルンリ・ヒュッテまで登る

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Swiss6-6.JPG2006年7月2日(日) 快晴

(記録担当 善右衛門)

ツェルマット 第3日目 (着/発)

ホテルロビー集合(8:00)......ロープウェー乗場(8:20)......シュバルツゼー駅(8:35/8:45)......(登山開始)......休憩(9:30?9:40)......2回目休憩(10:20/10:35)......3回目休憩(11:30/11:40)......ヘルンリヒュッテ(12:00/13:00)......休憩(13:50/14:00)......2回目休憩(14:40/14:50)......シュバルツゼー駅着(15:20)......ロープウェー乗場(16:05)......自由行動......きみ子さんの部屋でミーティング(18:30/19:20)......イタリアンレストランで夕食(19:30/21:30)

Swiss6-1.JPG シュバルツゼー(2,582m)からヘルンリヒュッテ(3,260m)往復 マッターホルンヘ最も近づくことができる登山コース 中上級者向き(往復歩行時間約5時間30分)

 シュバルツゼー駅でロープウェーを降りるとマッターホルンが近づいていてとても大きく見えた。登山開始に備えトイレを済ます。シュバルツゼー(黒い湖)という、静かな湖畔にひっそりとたたずむ白いチャペルについ Swiss6-2.JPGて、ガイドのYukiさんから、ホワイトアウトで登山者が白い雪におおわれて進む方向がわからなくなった時に、突然、女神が現れ遭難者を救ったことを記念して建てられたと説明があった。

 マッターホルン登頂のべ一スキャンプと聞くと訓練されたアルピニストのみに許される厳しいイメージを抱くが、マッターホルンに Swiss6-3.JPG近づきたいと思う気持ちは我々も同じである。東壁と北壁を分けているヘルンリ稜の稜線上に小さく点のように見えるのが目ざすヘルンリヒュッテだ。標高が3,300m近い。高山病に気をつけないといけない。

 登山開始、右下に湖が見えるすぐ岩場の登り坂となるが、石の階段を過ぎジグザグに坂を登りきると景色がぐんと変わり、われわれの今朝乗ってきたマッターホルンエキスプレスが2002年に開業する以前に使われていた古いロープウェー小屋がヤギの棲家となっていた。

 コースは岩山の下を歩くようになる。左側にはフルグ Swiss6-4.JPG氷河が広がり、顔を上げればモンテローザ、ブライトホルンが見えた。氷河沿いの道を進むと岩壁にへばりつくように作られた鉄さくの階段と通路になる。頑丈な桁を右側の岩盤にきちんと埋め込んで固定されており、相当手間をかけて作られた通路であることが分かる。足下が透けて見え、ちょっとスリルがある。そこを越えると、岩壁に付けられたロープ、少し急な坂道をジグザグに登る。

Swiss6-5.JPG 登るにつれて左にフルグ氷河が全貌を現し始めた。稜線に出ると360度の大パノラマ、道はしばらく平坦になる、顔を上げると前方にはマッターホルン北壁が迫り、すそ野をおおうマッターホルン氷河が美しかった。

 その奥に少し見えるのが、ツムット氷河、白い大きい三角形の頂きがダン・ブランシュ、そしてオーバー・ガーベルホルンにツィ Swiss6-7.JPGナールロートホルンと4,000mを越える峰々が連なる。道標に従ってまっすぐ進むと、ついに最後の登りに行き当たる。下から見上げるヘルンリヒュッテはとても遠くに感じ、ここまでの登りは足慣らしにすぎないと思うほどだ。

 これまでに3回の休憩を取り高山病対策には水分を多く取り、深呼吸を繰り返すこととリーダやガイドのユキさんの注意を守ってきたが、標高3,000mをちょっと越えたところで多摩江さんが息が苦しく目まいがするので、残念ながらリタイア、ご主人と一緒に引き返すことになった。もう少しだったのに重ねがさね悔しい。

Swiss6-8.JPG ここからヘルンリヒュッテまでは岩場をつづら折りに登り、一気に300mの標高差を登る。登りとは言っても鉄平石に似た石英岩という平らな石が階段状に敷き詰めてあり、日本の山に較べたらはるかに歩き易い。勾配のきつい所には、太いロープが固定されていた。何回か立ったまま休憩。呼吸を整える。10分も登ると眺めはすばらしくなってくる。肝心のヘルンリヒュッテは真上に位置するために見え隠れしていた。

 このコースは人気も高く、たくさんの人が訪れる。道幅の狭い箇所も多くあり、すれ違うときは山側によけるように注意があった。両側が切れ落ちている稜線を越えると頭上にヒュッテが見えてくる。赤地に白十字のスイス国旗とヴァリス州旗がはためいている。最後のジグザグにやっとの思いで登り切ってヒュッテのテラスに到着。邦子さんは感激のあまりに涙ぐんでいたとか。

 ヘルンリヒュッテは別名ヴェルヴェデーレ山岳ホテルと呼ばれ、中には売店と食堂もあり、テラスは登山者で賑わっていた。このテラスでわれわれは昨日コープで調達した昼の弁当を開けてランチタイム。

Swiss6-9.JPG テラスのベンチを陣取り、周囲に広がる大パノラマを堪能した。目前のマッターホルンを見上げれぱ、岩肌はひとつひとつまで見ることができ、山頂にアタックするクライマーの米粒のような姿も見られた。

 休憩の後、マッターホルンとヒュッテを背景に全員の記念写真を撮り、同じ道を足元に注意しながら下る。下り始めた直後、邦子さんが転倒。幸い柔らかい土のところだったので、大した怪我もなく一安心。急登の下まで45分で難なく下りた、上りは1時間半かかったのに。途中2回の休憩を取り、シュバルツゼー駅に近づくと孝儀さんと多摩江さんが出迎えてくれた。下り始めてすぐに気分がよくなったそうだ。

 ツェルマットのロープウエー乗場に戻って解散前に、勝巳さんから今晩の夕食はガイドのユキさんにお世話にならずに各自で済ます方法はどうかと提案あったが、結局ユキさんの案内でイタリアンレストランに行き、各自がメニューを見て注文することになった。

 明日の山小屋登山に関する注意とアルコール等の整理のためにきみ子さんの部屋に全員集合。

 イタリアンレストランではそれぞれ好きなものを注文、横文字のメニューでは困るな思っていたら、日本語のメニューがちゃんと用意されていた。私は茄子のグラタン、ナポリタン、最後のデザートは待ちきれずに本日の登山の疲れからかホテルに直行、バタンキュー。

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このページは、akirafが2006年8月20日 06:40に書いたブログ記事です。

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