第2日('04.3.14) メルボルン―ロンセストン、ラズベリーファーム経由、グレイドルロッジへ

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Tasmania_1.JPG【第2日】2004年3月14日(日) 晴れ

(記録担当 伊久枝)

メルボルン(8:40着)......手続完了(9:35)......メルボルン(11:40発)......ロンセストン(12:40着--13:00発)......ラズベリーファーム(13:45着、昼食、15:10発)......チズファーム(15:20着?15:30発)......クレイドルロッジ(17:30着)......夕食(19:00)

 機内アナウンスに従い時計を2時間進める。雲間から見える朝ぼらけの色合いに感動! 6時朝食、といってもまだ6時問しか経っていない。チーズオムレツか和食(鮭の照焼きと椎茸)の選択食だが注文と異なる組合せだったりとドタバタのひととき。

 下を見ると少しづつオーストラリア大陸が目に入ってくる。緑は少なく枯れた色の牧草地が目立つ。高度が下がるに従い道路が見えてくるが予想どうり直線が多く家もまばら。

 メルボルン空港には定刻に到着。オーストラリア第2の都市であるが空港もあまり大きくなく、入国審査もスムーズで心配した靴の泥もノーチェツクであった。タスマニアヘの国内線乗継ぎを待つ間、出迎えてくれた現地職員の女性からおみやげ情報や疑間などに答えてもらったり、両替をしたり、お茶を飲んだり、空港内のお店を探索したりした。

 国内線の飛行機はプロペラ付きの小型機でビックリ。30人位しか乗れないのか?我々8人の他に10人位が乗っているだけ。1時問の飛行時間なのに大きなマーフィンの入ったボツクスが配られ、温かな飲み物のサービスまであった。低空飛行なのでズツと下界を見渡すことができ、大陸の海岸線沿いには工場が目立ったし、タスマニア島が見えてくると至る所に緑が目に入り、海岸線は遠浅の瑠璃色から次第に白い砂浜へと長く続く様は、絵はがきそのものの情景。島は緑深い森や山の連なり。あれがクレイドル?あれがドゥブ?等と言い合っているうちに牧草地の中に一本の滑走路が飛び込んでくる。セスナらしき物も2機見えるし、個人用か観光用の滑走路だろうと思っていたら飛行機が次第に向きを変えており、オヤツ?何故また北に向くのと不審に思った途端にガタンガタンと高度が下がる。なんのことはない目的地のロンセストン空港だったのである。

 定刻到着、プロペラが完全に停止するまでシートベルトをして着席。"果物は持っていないか?"と間う男女に簡単に首を振り、出てきてしまったが、州が変わるだけでも持込禁止やチェックが厳しいらしい。知らぬ事とはいえ狭い日本国内を行き来している我々には想像外のことであった。小さな空港は出迎えの人で一杯であり、半ズボンや半袖姿が目立ち夏の国へ来たのを実感する。大きなピラミッド紫陽花が咲いていた。

 荷物が運ばれて来たのとドライバーのアルバン氏が我々を捜し当てたのが同時だったので、マイクロに牽引されたトレーラーにトランクを積込み即出発。ロンセストンはオーストラリアで3番目に古い街とのこと、ちょっと外を歩いてみたかった。

 昼食場所のラズベリーファームまで45分位。真っすぐの道が多く、高速道路も無料で料金所がないせいかスムーズに流れている。町らしい雰囲気は10分もしないうちに終わる。白い幹のダケカンバに似た木が両側に林立、ユーカリであった。オーストラリアではユーカリをガムツリーと呼んでいる。郊外でも道路に動物の死骸が横たわっていた。

 高速道路でもキャンピングカーを牽引して走行しているのはニュージランドと同じであった。いくつかのランプがあるがその近辺に人家や町らしきものはまったく見当らない。広大な牧場や道の端に時々見るのは、黄色の小さな花と咲き終わったタンポポの綿毛。左手に少しづつ高い山が見えてきたが連山はない。ゴツゴツと削りとられたような山。まもなく着くというあたりに、ひとかたまりの墓があった。次第に緑が濃くなってきた。

 ラズベリーファームは人で一杯! 走っている問はあまり人を見かけなかったので"いったい何処から現われたの?"といった感じ。店は勿論のこと庭先のテラス、庭、と至る所に老若男女。庭の一角が木の柵で仕切られ、子供たちが入り交じって遊んでいた。

 ランチはチキンとベジタブルだが大皿一杯に盛り付けられており、デザートがまたまた大きなカップに山盛りのアイスクリーム。食事以外にもラズベリーを買う人、アイスを買う人が車でやって来てレジは列を作っていた。我々はフリースを羽織っているというのに、ノースリーブさえ見かける始末。テーブルの食事内容を観察するとサモアリナンである。駐車場の前に10個近いポストが各々の形で棒の上に据えられている。ここは一っの拠点になっているのだろう。

 昼食後10分程の所にあるチーズとハチミツのお店(アッシュグローブチーズファーム)に寄り道をしてくれる。とてもお酒落なお店で、おみやげの物色などをする。このあたりでやっと一軒ガソリンスタンド(カクタス)を見かける。

いよいよ今日明日の宿泊地であるクレイドルマウンテンロッジヘ2時間のドライブ。一面の牧場も小高い丘であったり、なだらかな斜面だけであったり、赤土の平地であったりと変化に富んではいるものの地平線に目を移せば真っ青な空が必ず目に入る。ハイウェィが終わると一度に田園風景が濃くなった感じとなる。牧場の脇に線路が見える。人が乗る電車はなく、荷役用のディーゼル車があるだけらしい。景色が変わり山間部に入った感じで土地にも起伏が有り、道もクネクネとなってくる。スクールバスが30分かけて子供たちを拾い学校に行くとのこと。たまに1?2台の車に出会うのみ。

 町を3?4回通り過ごすが100メートル位で終わってしまう。初めて交差点のある町を通ったとき子供が自転車に乗っていたり、店先に4?5人の若者がいるのを見かけた。下り坂の正面に岩の切り立った山が出てきて、その山に飛び込むような感じであった。こんなところにも所々ポストがまとまって立っている。両側のユーカリには葉っぱがあまりなく、幹も黒いところがあったり、こげつきの跡があったりと不思議に思っていたら、2,3年前に大きな山火事があった辺りとのこと。ユーカリは葉が45度で発火してしまうので火事になると葉が全部燃え、幹はこげた状態で残り、内から再生された木肌が出てくると黒くこげた木肌が裂けて落ちていく、その様が至る所に見られ美しい絵模様を描いていた。遠くに帽子のような山が見えだすと、一面、木を切倒し開拓したような場所が出現し、何処までも広く拓けている。公園入口の所からは立ち枯れたような木が目につく。

 公園の道は一車線幅と狭く、所々、道の真中に石を置き、GIVE WAYとあり左優先でゆっくりと通り抜けるようになっている。公園内をスピードで走り抜けないための工夫であるらしいが、自然を守るのが当然というこの装置?がいたく気に入ってしまった。

 ダークグリーンの屋根が見え待望のロツジに到着。その建物は食堂やバーなどのある管理棟で宿泊は後の丘に点在する小屋。独立した一軒家であったり、二軒続き、四軒長屋等々、車で食事に来たりしている。我々一行も四軒長屋に陣取り、天野さんだけ離れた所になる。管理棟はハウスであり、宿泊棟がロツジ。木造のロッジはストーブ付きの広い居間にダブルベッドと二段ベッド、長方形のテーブルとベンチシート、他にチェアー2個が備え付けられている。シャワールーム、トイレ、洗面が一つになった大きな部屋。キッチンルームは冷蔵庫付き、自炊用の什器が揃っており申し分ない。ストーブは入口に積み上げられた薪を好きなだけ使い、上手に燃やし続けると朝まで暖かい。シャワールームが広すぎ、浴槽付きでないため足を暖めることが出来ないのが唯一の難点ではあったが。

 夕食は7時なのにまだ明るい。ハウスのハイランドレストランに歩いていく。愛くるしい目をしたワラビーが草叢の影にチョコんと座っているが逃げようとしない。

 食堂内も今日は満席状態。メニューは前菜・メインディシュ・デザートがそれぞれ3種類づつあり選択する。タスマニアの牡蠣が美味しいと聞き、全員大皿にグルリと盛られた生牡蠣のオードブルに舌鼓をうち"これがメインでもいいくらいね"とご満悦。メインもタスマニアサーモンは美味とのことで、スモークサーモンとビーフに分かれての賞味。ワインも赤・白ともに天野さんのお薦めに従い、料理を引立ててくれる。

 デザートはタスマニアチーズとフルーツ。既に満腹の状態であったのに、出てきたチーズはクラツカー付きの大皿盛りにギョツ! 勿体ないのでロツジに持ち帰りをお願いしたら、お皿ごとホイルをかけてくれたのには二度目のギョッ! それを持っての夜行性動物探険もなんなのでと、今夜は星空観賞とする。満天の星は輝きを増し、天の川の細かい星屑までもが良く見えるのには感激でした。タスマニアは雨水も飲めるほどに大気も汚染されていないだけに、透明度が高いのかもしれない。何の音もしない静寂のなかに煙めく星たち、ロッジの煙突から緩やかに流れる煙が霞のようにたなびいている。

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このページは、akirafが2004年4月19日 16:34に書いたブログ記事です。

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