第5日('02.12.24) ポンポロナ小屋からマッキノン峠経由クインティン小屋まで14.9km

user-pic
0

2002年12月24日(火) 曇りのち霙 雨のち晴れ

NZ_00.JPG(記録担当 才美)

ミルフォード・トラック 第3日目 14.9kmの行程

ポンポロナ小屋――ミンタロハット――パスハット(昼食)――クインティン小屋

 ポンポロナ小屋から昨日歩いた道を少し戻り森の中に入る。澤を渡りゆるいのぼりをしばらくいくとミンタロ・ハットがありここで水を補給する。右にクリントン川源流の吊橋を渡ると登りになる。マウントクック・リリー、マウンテン・デージー(土地の人は目玉焼きと言っているとか)や黄色のオニオン・リーブド・オーキッドの花が咲くじぐざぐの登りを何回も繰り返すうち、やがて視界がひらけ記念碑(メモリアル)に到着。この間に今までに見かけなかった個人のトレッカーを何人か追い越した。

NZ_04.JPG 記念碑はクインティン・マッキノンとアーネスト・マイケルを記念して1912年に建立された。マッキノン峠の標識はここから少し先にあった。峠から直下のクインテイン・ロッジが見える地点は、12 Seconds Drop(飛び降りれば12秒)と呼ばれる。ここからクインテイン・ロッジまでは距離にして5.5km。傘をパラシュートにしての12秒でのフライトにちょっと魅力をおぼえた。だが崖は下から垂直にきりたっていたのである。その地点に誘われたが足がすくみ立っていられなかった。めまいがする。一瞬垣間見た底は深く沈んだ森だった。やっぱり地べたに足をふんばって一歩一歩歩いていこうと決心する。ここを飛び降りた人がいたのか?

 このあたりから霙が降り出し気温が低くなってきたので雨具や防寒具を着る。うれしいことにここに温かい飲み物が用意されていたのだ。グレッチェンが差し出すミロのなんとおいしかったことか。体のすみずみにまで温もりがしみわたった。衣装ケースに何本ものテルモスやジュースのボトルが入っていた。まったく思いもかけないこのようなもてなしの発想を私達は持っているだろうか。

 寒風のマッキノン峠は寂しかった。視界は皆無。この日は各自自分のペースで歩いた。マッキノン小屋にて昼食。温かいスープが美味しい。ここのトイレは世界一美しいながめの窓がある。その通りであった。下りはローリング・バーン谷をモレイン・クリークに沿って一気に900m下る。途中なだれによる崩壊個所が2ヶ所あり迂回路を歩いたが、道はよく整備されていて、峡谷を眺めながら途中何人かの外国人を追い越してクインティン・ロッジに到着。ロッジのまわりはサンドフライの蚊柱が立っていた。

 雨の多いミルフォード・トラックを安全に歩くための工夫のひとつに、木道や吊橋など木製で滑りやすい個所には亀甲型の金網が貼ってあったことだ。これにも感心した。

 ロッジ到着後3時集合でサザランド滝(落差580m、世界で5番目)を見物にでかける。

 何事かと驚くほどのものすごい轟きだ。滝の水しぶきを浴びる地点まで来るとリーダーから全員手をつなぐよう指示があった。苔のため滑りやすい。滝の裏側まで行くのだという。手探り足探りの渡渉が始まった。結局裏側まではいかれなかった。静寂どころか体に水を痛いほど打ち付けられた。めがねが飛んでいってしまうかと心配した。和夫さんのいでたちは抜群だ。派手派手スパッツにサンダル履き。だが妙に帰りを急いでいたところをみるとシャワーに早く入りたかったのでしょう。寒かった。この滝に打たれた我々は以後数えきれないほどの滝に出会ったが、あまり驚かなくなった。「滝?あ、そう」であった。

NZ_05.JPG シャワーで体をあたためた。かんろ、かんろ。

 クリスマス・イブを楽しんだ。グレッチェンがオルゴールつきのトナカイとサンタの帽子を用意してくれた。この帽子を我々を始め各国の人たちが代わる代わるかぶり、それぞれ写真撮影をして大いに盛り上がった。写真屋はあきらさんで大忙し。このためあきらさんは夕食を食べ損ね空腹でなかなか眠れなかったとか。

 夕食後、荷をヘリコプターで運ぶ希望者を募った。1個1200円 利用者あり。

 今日観察した植物

  • マーガリート(p.58)
  • マウントクック・リリー(p.60)
  • サウスアイランド・マウンテンフオックス・グラブ(p.60)
  • ハースト・キャロット(p.62)
  • マオリ・オニオン(p.62)
  • ビデビッド(p.74)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/423

コメントする

このブログ記事について

このページは、akirafが2003年1月 6日 06:04に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「第6日('02.12.25) クインティン小屋からサンドフライ・ポイントまで22km」です。

次のブログ記事は「第4日('02.12.23) グレートハウスからポンポロナ小屋まで16.1km」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。