第4日('02.12.23) グレートハウスからポンポロナ小屋まで16.1km

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【第4日】2002年12月23日(月)雨のち晴れ

NZ_03.JPG(記録担当 才美)

ミルフォード・トラック 第2日目

グレイドハウス――ヒレレフォールズ小屋――バスストップ――ポンポロナ小屋 16.1kmの行程

 8:00 朝食 オートミール トーストパン 目玉焼き ベーコン スープ コーヒー

 朝食前にモーニングティーの用意がされていた。卓に昼食用の食材が並べられ自由に自分のサンドウイッチを作る。果物 スナック菓子 チョコレートなどもある。以後このメニューやスタイルは変わらない。

 昨夜来の豪雨のため小屋前のクリントン川は濁流と化し茶色にうねりにうねっている。「雨の時は中止」の健ハイとしては??の思いであったが、ここで停滞することはできない。なぜなら1日の入山者が限定されているこの地では後から入ってくるトレッカーとダブルことは許されないからである。

 雨の中を出発。悲鳴をあげた吊橋を無事クリア。間もなく薄日が差し晴れてきたが川は増量し流れが激しい。冠水した道もあったが側溝が掘られ、よく整備されているのでとても歩きやすい。森の樹や足元の草地にはびっしりと苔が張り付いる。そうした森から森を抜ける平坦とも言える山道は実に快適だ。クリントン川を右にして歩き進む。途中、前方から背の高い男性がやってきた。森を管理するDOC(デパートメント・オブ・コンサベーション=環境保護庁)の職員とのこと。かれはポンポロナ小屋から来たがほとんどの道は膝くらいまで冠水していると言う。相当の雨量だったのだ。それでは我々はゆっくり歩いて水の引けた頃の道を歩きましょうとのんびり観察を楽しみながら歩き始めた。

 駒鳥が可愛い。人間をまるで警戒していない。靴で土をひっかくと餌があるのかと思うのかすぐそばまで寄って来る。

 わき道に入って苔の密集する湿地帯やぶなの大木を見た。ぶなは太さは8人の手を必要とした。蜂蜜をとるマヌカの木が白い花を咲かせていた。

 3.6km地点にクリントン小屋、トイレあり。この小屋は個人トレッカーのための小屋で日本からの資金援助もあり建て替えられたとのこと。ガス、水道、マットつき2段ベッドなどの設備があり、非常に清潔に保たれているのにおどろく。しかし誰もいなかった。

 ヒレレフォールズ小屋 10.7km地点 昼食。ここまでで一箇所冠水していたところがあった。かまわずに登山靴を履いたままジャブジャブと水の中を歩く。水の中に何があるかわからない。危険なものが潜んでいるかもしれない。たかが靴が濡れる程度で済むこと。登山中は靴は脱がないほうが安全だ。昼食の間に濡れた靴を乾かす。

 NZのオウム ケアがやってきた。悪戯者としてうとんじられているが、そばへきて餌をほしがっているらしい。決して与えてはいけないと言われた。羽が緑がかったくすんだ色で広げると中から赤い羽根がのぞく。小屋のそとに濡れた衣類や靴を干していたりすると、たちまち突付かれて使い物にならなくなってしまうのでと厳重に注意された。鳴き声がすさまじく夜中じゅうでも鳴いていた。

 この小屋で先回りしていたガイドにより温かい飲み物が用意されていた。

 草原をしばらく進みヒドゥンレイクにて小休止。ここは水泳可能。スイミング・プールというらしい。誰も泳いではいなかった。

 左右の岩山から滝が流れ落ちている。雨量によって何本もの名も無い滝が出来るのだそうだ。ヒレレ滝はさすがに名がついているだけあり、見上げる程に立派だ。前方にマッキノン峠が見えてきた。少し雲がかかっているようだが、明日はこの峠を越えるのだ。コース中のハイライトと聞いているので期待に胸がはやる。

 バスストップ着(避難小屋)小暮氏が時計を見るアクションに続いて「バスがいっちゃたばっかりだ」 きみ子さん「あれですかね、都心みたいに交通状態によって遅れるってことあるんですかね?」その他の皆??? この深い森の中のどこに車の走れる道路があるというのでしょう?しかしよく考えてみると日本のたいがいの山では、やっと頂上に登りつめた喜びもつかのま、すぐ脇に白い太い道路が敷かれ、車のエンジン音が聞こえたりする。そしてその事を我々はもう日常的なこととして捉えているのだから、ひとりきみ子さんだけの現象ではないのかもしれない。

 以後きみ子さんはミスバスストップと呼ばれるにいたった。ここは前を流れる川が増水し、懸かっている橋を渡ることが不可能になることがしばしばなので水が引けるまでここで待機するための小屋なのである。

 14.30 ポンポロナ・ロッジ着。道の突き当たりにロッジがあった。冷たいジュースのもてなしがうれしい。洗濯をした。夕食のメニューはフィッシュとラムのチョイス。

 ケアについて ケアはドアをノックする。すぐ足元にまでやってくる。厨房のまわりを荒らす。迷惑がられている存在だ。ここのロッジのドアは二重になっていて外側から鍵が掛かるようになっている。ケアが室内に入ってくるのを防ぐためである。

 鍵と言えばこんなことがあった。

  1.  グレイドハウスで小暮氏は夜遊び(まだ10時。明るい。子供の時間だと本人は主張するが)していて我々のロッジから締め出された。鍵をかけたのは邦子さん。
  2.  ポンポロナ小屋で伊久枝さん、邦子さんが誰かに外側の鍵をかけられ、丁度来合わせた小暮氏に救出された。
  3.  オークランドのホテルで邦子さん、幸子さん早朝、荷をドアの外に出している一瞬の間に鍵が掛かってしまい締め出された。以上。

今日、観察した植物

  • NZデージー(p.66)
  • ジャイアント・モス(p.78)
  • エバー・ラスティング・デージー(p.58)
  • フォック・ブロー
  • NZスミレ
  • マヌカ
  • リーブ・オーキッド
  • ビーチ・ストロベリー(p.80)
  • プラテア(p.72)

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このページは、akirafが2003年1月 6日 07:43に書いたブログ記事です。

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