【第3日】2002年12月22日(日) 晴れのち小雨
ミルフォード・トラック 第1日目 1.6kmの行程
- 9:30 ミルフォードトラック・ガイデットウォーク社前よりバスにて出発
- 12:00 テアナウ着 ホリデイインホテルにて昼食
- 13:50 テアナウダウンズから船でテアナウ湖の北端グレイドワースへ
- 15:00 トレッキング出発
- 15:30 グレイドハウス到着
- 15:45 2組に分かれ、ハウスの裏山を散策
荷物を3個にわけ、9時ホテル前に集合。 トランク トレッキング用ザック 4日目のマイターピークホテルへ移送する衣類の荷をバスに乗せる。 徒歩にてバス集合場所へ。
各国からの参加者 ガイドを含め51人で出発 グループ名はNo.56。
ガイド嬢3名 イニシャチブをとるころころとしたやる気満々のグレッチェン、背の高い気のよさそうなジュリー、おとなしいリーフさん。
各自名札を渡された。これの意味するところがやがてわかった。
バスはワカティプ湖をぐるりと周遊するように進み、テアナウにすすむ。湖はあくまでの青く清み静かである。野の花がたくさん咲いている。薄黄色のルピナスの原種、濃いピンクや紫の外来種のルピナス、ピンクの野ばらなど。濃黄色のエニシダや外来種のルピナスはNZ本来の種の保存のためには害となるものとされ目下撲滅作戦に出ているということであったが、それも追いつかない現状であるらしい。スプレー作戦(人海作戦)といって他の植物をいためることなく人間の手で一花一花枯らしているとのこと。気の遠くなる話だ。だから河原一面にぐんぐんと繁殖し、牧草地は広く死と化している。
快適なドライブを楽しむ。
テアナウは小さな街で人影があまり無いが、テアナウ湖を中心にかなりのリゾート地らしくそれなりのホテルが立ち並ぶ。
ホリデイインは過日(12月中旬)日本の皇太子ご夫妻がおいでになられたとか。
ミルフォード5日目のグループのバスが到着するのと交代に我々のバスが出発する。
グレイドワースへの2時間の船旅は途中天候が怪しくなり、船は揺れに揺れた。我々は甲板に陣取っていたのであるが水しぶきを浴びてはがらにもなく大きな悲鳴をあげることしきり。雲行きで湖の水の色が怪しく変化し恐怖すらおぼえた。乗船のとき荷はデッキに置くよう船のおじさんに注意されたがこれはエチケット?
グレイドワーフ湖畔にて記念写真撮影。皆元気いっぱい。だがもう聞きしに勝るサンドフライの襲撃をうける。
森を抜けると草原がひらけ、とうとうと流れるクリントン川の前にグレイドハイスがあった。明日からはこのクリントン川のウエストブランチを歩く。
小暮氏の案内で裏山を散策する。南半球の珍しい植物に沢山出会った。ベルバードの透明な囀り声に思わず足を止めて聞きほれる。岩盤のわずか1m程の土に植物が張り付いているとのことで大木が根こそぎ倒れその上にまた苔が張り付いている。沢に出て水を飲んだ。殊に感動するほどの味ではなかった。そこここの岩に赤く色が塗られているように見える。よくある標識かと思ったがそれにしては余りにもたくさんの岩が赤く染められている。双眼鏡を逆にして近づけてよく観察してみるとそれは苔であった。気の遠くなるような時間をかけての成長であったと記憶するが・・・・。
裏山散策の後、ロッジ脇に懸かる吊橋を渡る練習をした。思いのほか長い吊橋に思わず悲鳴が出る。明日出発後すぐにこの吊橋を渡らなければならない。吊橋は一つだけではなかった。コース中これよりも長く、よく揺れ、橋下を濁流が轟々と渦巻く吊橋を何度渡ったことか。今思い出してもそのときの恐怖がよみがえり足がすくむ思いだ。
この日見た植物を以下に列挙します。カッコ内の数字はリチャード・ライアン氏の植物図鑑の掲載ページ。次も同じ。
- ランス・ウッド(p.26)
- グリーン・フッデッド・オーキット(p.68)
- ゴッブリン・モス(p.78)
- レッド・ビーチ (p.12)
- シルバー・ビーチ(p.12)
- マウンテン・ビーチ(p.12)
- 古代シダ
- クラウン・シダ
- セロリ・パイン(p.16)
- ペッパー・トリー(p.26)
- ブロード・リーフ(p.24)
- バンブー・オーキッド(p.70)
- イースター・オーキッド (p.70)
- トゥトゥ(p.52)
- ハンギング・スプリング・ワート(p.42)
- オールドマンズ・ビヤード(p.80)
- レッド・アルギ(p.82)
- ブラケット・ファンガイ(p.82)
5時半にバーが開きラウンジでワインやビール コーヒーなどで寛ぐ。
夕食のメインデイッシュはベジタリアン、 サーモンからチョイス。 前菜、デザートつきワインで心地よく酔ううち各国の参加者の自己紹介と各国の歌を歌うことになった。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド 英国、米国、そして我々のグループを含む日本の19人。我々は今日本ではやっている「大きなおじいさんの古時計」を歌った。ざわついていた室内が急に静かになり我々の歌う声が響き渡り、次には大きな拍手を頂いた。とてもいい気持ちだった。
ビデオでのコースの説明、スリーピングシーツの使い方などの説明があった。日本人には日本語の説明書が用意されていた。アルコール類や夕食のチョイスをするのに名札を見せること。アルコール類の清算は最終のマイターピークホテルで一括清算される仕組みになっているとのこと。以後夕食前に次の日のコース説明がビデオを使っておこなわれた。
ロッジでの消灯は10時、翌朝は6時に電気がつく。これがモーニングコールになる。したがって電気はいちいち各自が点灯する事はしていないとか。習慣でついつけたり消したりの動作をしてしまう。
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