今回の写真を見て、あぁ・・・懐かしい!と思われる方は、『サウンド・オブ・ミュージック』の映画をご覧になっている方に違いない。
そう!このサルツブルグは、あの有名な映画の舞台になったところで、ドレミの歌の公園や、子供たちが歌いながら駆けていた緑のトンネル、丸い噴水、大佐とマリアが結婚式をした教会などがそのままの姿で残っている。街を見下ろす城塞や、モーツァルトの生家のある旧市街地、泊まるホテルなどしっかりチェック。ユネスコに指定されているザルツカンマーグート湖水地方に着くと雨になった。真っ白で山がさっぱり見えず、本番が思いやられる。
その後、往年のスキーチャンピオン、トニー・ザイラーの住んでいるキッツビュールへ移動。朝からずっと雨で、ハイキング予定の山頂はゴンドラ乗り場のおばさんに「上は15cmの雪が積もって真っ白だから登っても何も見えないよ・・・」と言われ、ここもお手上げ。本番のツアーの頃は歩けるようになるのかな・・・?と不安が私を襲う。
長い移動の電車の中では出発前に取り寄せて勉強したガイドブックを何度も読み、地質学のことをはじめ、ハプスブルグ家の歴史、オーストリアの歴史、キリスト教の事、各村の案内など頭に詰め込む。
そういえば、ウィーン国立歌劇場音楽監督を今現在も勤めている世界的に有名な日本人指揮者、小澤征爾はこのザルツブルグに縁のある人物で、彼が学生の頃毎日のように通っていた中華レストランを見つけた。はっきり言って目立たないチンケなレストランである。
ところが、彼のいつも座っていたと言うテーブルからは、ザルツブルグ城が薄いオレンジの夕日にそまるロマンチックな景色が窓越しに見え、それは本当に優雅である。強烈なキャラクターで知られる彼も、ここでリラックスしてさまざまなイマジネーションに磨きをかけていたのであろうか・・・と、1人で焼きそばをつつきながら思いに耽る私であった。
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