オート・ルート第2日目

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SN33HR2_1.JPG 【4月6日 快晴】

 Verbier スキーリフト山頂 Mt. Gelé 3023m発――Col de la chaux 2940m(ショウー峠)――Rosa Blanche 3336m(ローザ・ブロンシュ)――Cabane de Prazfleuri(プラフロリー小屋) 2660m

 標高差登り800m 標高差下り1500m 行動時間7h

SN33HR2_2.JPG 7時25分の朝一番のベルビエの従業員用のリフトで山頂へ。ガリガリに凍ったスキー場をまるで、私達がどのくらいの速さまで付いてこれるか試してるかのようにガイドのフィリップはものすごいスピードで滑り始める。カツが抜けて、チームのテンポが急に変わったようだ。69歳の"トシ"こと田中さんは、怖いよ、と言いながらもガイドにぴったり付いていく。なんと、彼は現在もスキー一級検定試験にトライしている最中だという。私も、こういうピストのガリガリは苦手で、ロンドネ用の軽いスキー板に乗っているのでスピードが出ると「こわ?い!」のであるが、しっかりついていった。

 その後、2940mのCol de la chaux (ショー峠)へ向けてのぼる。本日から、トシがガイドのすぐ後ろにつくようマークされる。72歳のカツが抜けた今、次は自分が・・・と心配してる様子であるが、今日の登りもお喋りが絶えず、マイペースで着々と進む。カズヤは相変わらず撮影に余念がなく、由紀&アラン夫婦も普段の自分達のペースより余裕があり快適山行、タカヨも絶好調。

 所々雪面が凍ってシールが滑るのでクトー(スキー用アイゼン)を着ける。峠に着いたら、Grand Combin(グロン・コンバン) を中心とする壮大なアルプスの眺めに息を呑む・・・・。コルから一気に下り、またシールを着けてなだらかに上り始め、2時間もしたら本日のハイライトであるRosa Blanche 3336m(ローザ・ブロンシュ)の頂上直下に辿り着く。ここで、スキーをはずして、スキー靴にアイゼンをつけて、アンザイレンして頂上に向かう。のであるが、突然、「やばい!!」と言う声で皆がいっせいにタカヨを振り返る。

SN33HR2_3.JPG 彼女の片方のスキーが独りでに谷に向けてあっという間にスピードをつけて滑り落ちているではないか!!シールを外した後、スキーを裏返して置くべきところを、そのまま雪面においてしまったようだ。しかし、運がよかった。スキーはちょうど斜面が緩やかになったところで引っかかって止まってくれた。ホッ!もし、スキーがクレバスに落ちてしまったら、もうアウトになるところであった・・・。人事ではないぞと、スキーの扱いを改めて肝に銘じた私だった。そういえば・・・・タカヨは、ヴァレー・ブロンシュの日には、ハッときずいたら片方のストックを上部へ忘れて滑っていたのだからおもしろい、こういう人間を『強度の楽天家』と呼ぶのであろうか・・・。(笑)彼女のそういうところが愛嬌があっていいところである。

 ここは、ヘリスキーの出発地点として有名であり、また平らな雪原が広がっているのでセスナ機が飛んできて雪上着陸する。「あー、見て!見て!」と、皆が注目したオレンジ色のセスナがドカーンと雪に突っ込んで動けなくなった。こんな平和なアルプスのど真ん中でも、今日はいろんなハプニングが起こる。

 無事登頂後、高度差にして400mほど下るとプラフロリー小屋に辿り着いた。まだお昼過ぎで他のチームは到着しておらず、ガラガラである。この小屋はきれいで、5フランで3分間のホットシャワーも浴びられてとても快適だった。午後はビーコンで救助の練習をした。

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