第30便 冬の雲海(2009.1.31)

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SN30_1.JPG 早いもので新年が明けて一ヶ月経ちました。ヨーロッパは全般的にこの冬は積雪が多くウィンタースポーツファンには最高のシーズンとなっています。

SN30_2.JPG 本日、朝寝坊したため(ハハハ)、ジュネーブから行ける一番近場の山スキーをする事に決定。自宅から取り付まで車で35分、ポアン・ドンデイという標高1877mの小さい山です。ラケットを履いた家族連れも見受けられました。

 ジュネーブ近郊はレマン湖の水温が気温より高いためにおこる自然現象で、冬の間、ほとんど靄と雲海にすっぽりと覆われて SN30_3.JPGグレーの毎日です。毎日8万人の外国人労働者(特にフランス人)が国境を越えて給与水準の高いジュネーブに『車』でやってきますが、その、排気ガスがこの雲海のために大気圏に排出されず、大気汚染が深刻な問題になっています。ラジオで朝、大気汚染情報が流れ、今日はジョギング赤信号、黄色信号という日が多々あります。

SN30_4.JPG 写真をご覧の通り、雲海を越えるとバラダイス!!太陽光線が入ってこない灰色のジュネーブの街にいると、山の上がこんなに晴れている事などどう逆立ちしても想像できませんが・・・。太陽が射すと気温が急に上がり、まるで雲海を堺に季節が変わったようにさえ感じます。

  『あぁ?、気持ちいい。太陽はありがたいなぁ・・・・。』

SN30_6.JPG 標高差900m、2時間弱、汗だくで頂上に到着すると、マリア様が何ともいえぬ優しい表情で私達を迎えてくれました。頂上からは、南側にはモンブラン山群、北側にはジュラ山脈の突先だけが雲海から顔を出しており、自然のなす芸術に毎回の事ながら感動。

 のんびり昼ごはんを取りながら、山のエネルギーと太陽の光を体全体で「一週間分」吸収。また来週の週末までグレーの生活が下界で私達を待っているのです。

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ラケットって日本のワカンのように下りも大丈夫なの?
昔、僕の一週間の山の疲れを日本ではグランドシート一枚下の土が、地球が疲れを吸い取ってくれました。

ハツさん、ラケットは登りも、くだりも大丈夫です。種類もピンからきりまであって、アイゼン装着可能で、ちょっと難しいようなところでも歩けるものもあります。しかし、新雪のあとの森の中のハイキングなどに使われるのが一般的です。または、スノーボーダーが、新雪を滑り降りるために山頂までラケットで登ったりしています。こちら、ヨーロッパでは冬の積雪期の山行は全て山スキーです。かなりの傾斜、斜面が凍っていても山スキー用アイゼンを装着すればかなりの所を登れます。3000m前後の山は、ほとんど例外なく山スキーでアタックです。最後の岩場は、スキーを背負って登る事もたまにあります。4000m級の山は、4月、5月、6月がコンディション的に一番いい時期です。ちなみに、モンテローザには5月下旬にスキーで登っていますが、小屋から1800メートルの標高差があります。登頂後スキーだと下りでかなり時間が稼げるのでその日にジュネーブにもどれます。モンブランは6月でした。このように、一口で山スキーといっても、高山に登る場合は、アルピニズムの要素がだいぶ含まれるため、「スキーアルピニズム」と一般には呼ばれています。積雪直後の雪崩の危険予報が80%?100%と高いときは入山するひとはいません。こちらの山岳ガイドのスキーレベルは技術的に日本の山岳ガイドの及ぶところではないと思われます。もう全ての未踏の壁が登りつくされたヨーロッパは、時代が変わりスキーでどこでも登り、短時間で滑りる合理的な登山が行われています。そういうわけで、日本で一歩一歩ワカンで登っていた頃が懐かしく思い出されます。正直な話、あの頃のほうが現在の登山より奥が深かったなぁ・・・と感じますね・・・・。 ハツさん、またコメントください。

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