国内山行記録: 2015年12月アーカイブ

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豪雪の「只見線」に加え、林檎畑の千曲川に沿った「飯山線」。田毎の月と姥捨て伝説の「篠ノ井線」を回る忍耐が試せる青春切符の旅を理想とするはずだったが、そうは問屋がおろさない。豪雪も林檎も皆無。青春切符の利用方法からくる制限事項が災いして、と言うよりも地球規模での80数年ぶり、観測史上初めての暖冬異変をもろにかぶって、晩秋の変に暖かな雪のない豪雪地帯を回る。大地は、枯れすすき色、所どころに取り残した柿がある家々は雪囲いの準備こそは終わっているものの、全くの晩秋風景。
暗い空のじっと雪に備えている村落はこの地の誠実な暮らしとこれから来る厳冬の厳しさに宿命のように厳然と立ち向かっている風景だ。昨年の冬は列車の屋根も見えない雪の中の旅だったが、どちらも優劣はない。あるとすれば歳と共に錆びついた感性の劣化だ。

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お世話になった鉄道駅では、駅員が私たちが前日下車したのを覚えていて、にこやかに話しかけてくる。当分来ない汽車に誰もが余裕で談笑する。新宿や池袋の殺伐とした駅員には決してない柔和なこの地にしか見られない人間の顔だ。
途中から車中で出会ったお婆さんの娘の話を聞く、よっぽどうれしかったに違いない、娘への土産の白菜をくれるという。その重い白菜を家まで持って帰った人も、その話を聞いた人も、みんなをこの沿線は人間に戻してくれる。ここは私たちが求めている桃源郷だ。

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典型的な「陽だまり山行」晩秋の軽登山。今年最後の山登りに相応しい。
参加者(4名) 勝巳(リーダー、記録)。才美。幸子。吉生。

  • 日時;2015年12月7日(月)
  • 集合;小田急線「渋沢」駅改札口に新松田から急遽変更
      午前7時15分(4人になったのでタクシー利用に。寄まで2600円。ちなみに、距離は新松田からの方が近いが、山岳料金になっているため、渋沢からの方がタクシー料金は安い)。
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