No.527裏磐梯 新緑ハイキング 記録(2022年6月1日―6月4日)

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ロナ君に散々邪魔され、今度こそは何が何でもと意気込んで決行。なんとなく出かけることに後ろめたさは残っているが、そんなことにお構いなし。我々後期高齢者は限られた時間の中に生きている。ハイキングに行くのにこんなことを考えるのも長いマスク生活の災いか。長い戦火の中で生きていた人々の、失われた時間を取り返すためにも。眉を上げて出かける。早くしないと梅雨。その後は混雑の夏休みだし。
連日快晴快適。春セミ鳴く新緑の深い森の樹々。行きかう人なく裏磐梯は静かだ。万山と鬱蒼たる若葉と蒼き水満る湖。これこそ我が遠き過ぎ去った原風景。行けども行けども豊かな森。まさに新緑の息吹。ここ裏磐梯の探勝路に無駄は一切ない。曲がりくねり、行きつ戻る道にすべて意味がある。花に立ち止まり、春蝉の合唱に、修行僧の声を聞く。道は更に深く森に囲まれ、人跡は朽葉に埋もれ、すべてが苔むす原生に包み込まれる。黒く太い蔦が生き物のごとく孤独に絡みつく大木はそれでも悠然と初夏の若葉風に輝いている。
小野湖半探勝路に至っては、まさに人跡未踏。もちろん国土地理院の2万5千分の一に点線ですら道の記載はない。小さな沢を渡る二本の丸太橋の苔にもこの森の威厳と、深さがある。渡る風は樹々の命を天地に嗅ぐわす。木こりがトロッコを腰を折って押していたあの芥川龍之介の「トロッコ」の胸むしるトロッコ道跡が深く緩やかに森をくねっていく。時たまクマよけの笛が現実に引き戻す。標高800mを正しく春蝉が教えてくれる。山を彷徨するには、宿は雨露がしのげれば十分という価値観を木っ端みじんに砕かれる。高級な宿泊も悪くないと思うのは寄る年波で感性が堕落したためか。狭い宿の玄関に子供の自転車があり、温泉には、サロンパスかケロリンの椅子、窓を開けっぱなしにするな、「カエルや蛇が入るから」の張り紙。胡坐をかいて食べる湯気出る食事、部屋の裸電球を消すと、いっぺんにかび臭い漆黒の世界。早朝冷気含む布団の中で階下の台所の音を聞く。みそ汁の香が漂う。これこそが至福の宿とあえて、長い間求め続けたてきた。私はいつも旅をしていた。旅行ではなく。でも、高級旅館も旅として素直に受け入れる年になった。磐梯山の大噴火は明治21年。火山にとってはつい昨日のこと。多くの犠牲の跡にこの風景が生まれた。湖沼群が、この森が、生まれた。そこに立っている。風景に見入っている。 憲治さんの行動時間管理を頼りに怪我も、迷子も、忘れ物もなく、天気に恵まれたが 今後も、こんな旅はできるだろうか。こんな場所を探し求めよう。裏磐梯はすべて、探勝路として表示されている。名称は景色にふさわしい。uraban-2.JPG

実施日: 2022年6月1日(水)――6月4日(土)3泊4日

参加者: 6名(男2,女4) 勝巳(記録)、才美、憲治(会計、時間記録)、 貞子、亮子(写真)、和子。

集合:   東京駅 JR東北新幹線23番線ホーム 3号車付近 7時30分集合 

コース概要:

第一日(6月1日)水 快晴 徒歩3時間30分。12000歩  「五色沼自然探勝路}

    東京駅7時40分発、東北新幹線やまびこ125号仙台行き23番線ホーム) ――郡山着8時56分(乗換)――9時15分発JR磐越西線、会津若松行 ――猪苗代駅着9時59分ー?宿送迎バス10時10分発――宿着10時45分uraban-11-1.jpeg 送迎バスで宿到着後、乗合いバスの出発時刻まで10分しか時間がないため、事前に宿 に置く荷物を区分。チェックインも五色沼を歩いてからと後回し。 10時56分発会津バス――五色沼入口着11時10分(持参昼食)――五色沼自然探勝 路11時30分発――毘沙門沼11時50分ー赤沼12時40分ーみどろ沼12時50分 ー竜沼13時ー弁天沼13時30分ーるり沼ー青沼13時50分ー柳沼14時20 分ー裏磐梯物産館14時30分ー宿、裏磐梯レイクリゾート着15時チェックイン 夕食18時                                第一泊

    宿泊: 裏磐梯レイクリゾート(五色の森)0241-37-1111   (桧原湖湖畔) 4階に2人部屋3室。計6名。3連泊。送猪苗代から迎あり、  2人部屋1泊12800(一人) 早割適用 食事はバイキング。

    送迎バスが宿について10分後に路線バスが出る。宿の前にバス停があるといっても、大きな駐車場があれば横切り、バス停を探すまでに10分はかかる。こんなことが何日も気になっていた。案ずるより行くがやすしであったが。品のいい、五色沼探勝路。ゆったりした森と湖沼群。すべて沼で水深5m以下。水草が茂り、透明度が低い。でも、水の色はオーシャンブルーのようだ。家族連れ散策路。口笛を吹きおしゃべりをしたくなる道、昨日までの街の雑踏がいかにバカげた世界だったか。遠くへ来てよかったと思う。木陰の揺れる若葉を通す光が道に躍る。清々しい、森の精気に満ちている。豊かな磐梯の隠れ道を逍遥する。

    uraban-8-1.jpeg 第二日(6月2日)木、 晴れ 小野川湖畔探勝路  徒歩4時間 19800歩

       昼弁当はコンビニに途中立ち寄り購入。今回の難関コースに緊張する。  2本杖、雨具、水筒、軍手、懐中電灯等。常備薬。携帯。充電器。追加衣類  (寒さ対策)非常食、熊よけ笛など、すっかり登山準備。 6時起床?7時朝食?宿発8時(タクシー2台予約車)――セブンイレブンで弁当各自購入――小野川不動滝駐車場8時30分――小野川湖畔探勝路――曾原口(そはらくち)11時50分――小野川湖入口バス停発12時30分――12時50分宿着(休憩) 桧原湖遊覧船14時30分発(1000円)――15時船着き場帰着―15時20分着―― 夕食18時――                             第二(連泊)
      uraban-3.JPG        小野探勝路の入口に満足な道標はない。ここでいいのかと心配になるころ、やっと小さな壊れかけた道標に出会う。なんで、昨日の五色沼との差がこんなにあるのだろう。小野湖は湖。深さも大きさも五色沼より格上のはず。なのにこの扱い。宿でも、タクシー運転手も、この湖の、ましてや北岸の道など知らない。国土地理院の地図にも出ていない。休むベンチなど2時間歩いてやっと見つけても苔生して使えない。その分、本物の森林がある。これが東北の森。深い雪に大木の根は不自然に曲がり、一抱えもある樹木のてっぺんまで太い蔦が絡む。葛吊り橋の材料がなく、苦労しているがここにはこんなにある。もちろん行きかう人とてない。雑草の伸び具合から見ても長く人が入っていない。獣が今そこにいた匂いがする。間違っているのかと不安になるころ道標のかけらが出てくる。熊君に出会わないよう笛で挨拶を送る。途切れなく続く春蝉の道。こんな贅沢はない。昨日の雨でもトロッコ軌道跡の道は、たまに小さな水溜まりがある程度。歩きながら小野川湖はほとんど見えない。だから観光客は入らないため面倒を見てもらえないらしい。なんともったいないことか。こんな本格的に豊かな自然の道はそうあるものではない。曾原口で探勝路を出てちらほらと人家に出会う。この辺はサルが50頭ほどの集団で出て畑の作物を食い荒らすのだそうだが、子ザルはかわいいとおばあさんが楽しそうに言っている、本物の開拓の山村だ。いったん、宿に行き休憩後、乗った遊覧船は我々の貸し切り。ガソリン代にもならないのに、宿泊先と同じ経営らしく気持ちよく乗せてくれる。船上からの磐梯山はその噴火の激しさ、荒々しさを見せつける。なぜか無口になる。

      第三日(6月3日)金 晴れ曇り雨 桧原湖畔探勝路散策。 徒歩5時間程度 11000歩

        7時朝食――9時5分発会津バス――長峯船付9時10分発――桧原湖畔探勝路――長峰船着き場キャンプ場9時30分――いかりキャンプ場10時――吊り橋10時20分――Bスタイルキャンプ場10時40分――国民休暇村裏磐梯着11時30分(昼食)――バス12時43分発北塩原村コミニテイ無料バス――小野川湖入口バス停13時――徒歩――裏磐梯噴火記念館13時10分――3D映写館14時ー?噴火記念館前バス発15時ー?レイクリゾートバス停、宿着15時30分――夕食18時                                第三泊(連泊)
        uraban-10-5.jpeg 昨日遊覧船で見たはずのコースだがまったく様相を異にする。廃屋のようなキャンプ場のバンガロウが見え隠れする。小野川湖に比べるのは酷だが、道は案外開けている。複雑な湖の入り江で、釣船をみかける。バスを釣ってリリースするのだそうだ。出口に近いBスタイルキャンプ場は海外並み。風呂もあるし、テント場は下敷き板張り。これなら家族連れでも快適なキャンプができる。今日開場とのこと。係の人は人懐かしそうに、親切に楽しそうに雪の多いことなどを話してくれた。会津の人柄がしのばれる。雨が降る前に国民休暇村で昼食にする。閑散としている。雨宿りをして無料の村営バスを待つ。途中、磐梯山噴火記念館、3Dワールド映写館に立ち寄る。建物は立派。噴火や、災害に記念館という名称はどうもなじめない
        早く宿の露天風呂に入り、清潔な浴衣でビールをのみ、4階の部屋から景色を堪能したい。ホテルは、しっかりした構造、地震にも耐え、隣室の音も、廊下の騒音一切聞こえない。従業員は礼儀正しく、仕事を楽しんでいる。泊まっている宿を聞かれ答えるとみんな知っている。有名な宿のようだ。只見線で、駅前で聞いても誰も知らない寒々しく見る影もなかった宿のことを思い出していた。

        第四日(6月4日)土  晴れ 帰着日 会津若松、鶴ヶ城見学。5000歩

          朝食7時――各自、チェックアウト――9時15分発宿送迎バス発――JR猪苗代駅――会津若松着10時30分――タクシー――鶴ヶ城着10時50分――見学ガイド説明40分――12時30分昼食――タクシー13時――会津若松駅発、行快速あいず4号13時30分――郡山駅着14時30分――乗換――東北新幹線やまびこ62号15時06分発――上野駅着16時30分――横浜駅着17時30分(解散)
          鶴ヶ城は鉄筋コンクリート造りだが白亜で美しい。城壁の石垣のみ本物で会津の人の誇りの城。案内人の言葉が半分わからない。早口の方言で。でも一生懸命の説明はすがすがしい。修学旅行生に出会う。楽しそうだ。懐かしい。あんな時代もあったのだ。いいな。いいな。戻れたら。時間があったので会津若松を訪れた。猪苗代には何もないが、ここは、いくらかあるようだ。最終日のためか、ゆったりした行程なのに、情けないことに疲れた。 車中はよく眠れた。やっぱり家がいいなどと、罰当たりな感想を抱くのも、この旅行がすべて順調だったからの贅沢だろう。
          uraban-6.JPG   ?

          裏磐梯観光協会:0241-32-2349(タクシーは裏磐梯常駐車を呼ぶこと) ?

          昼食: 第1日は持参。第2日はタクシー移動中コンビニで購入。        第3日休暇村レストラン ?

          持ち物: 春山登山衣類(高原のため多少寒い)。雨具。杖。水筒、第一日昼食弁当         常備薬。懐中電灯。非常連絡先。非常食。手袋、地図。熊よけ鈴等 ?

          費用: JR交通費の他に45000円程度(一人)、   (内訳、3宿泊4万+タクシー、バス代、遊覧船代、昼食代、博物館等) ?

          担当幹事: 勝巳(リーダー、記録。)憲治(サブ、会計、時間記録)亮子(写真)

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