No.514頭高山周辺ハイキング(2020.7.20)

user-pic
0
az.JPG

日時;2020年7月20日(月)薄曇り、小雨。
参加者;7名(男3、女4)勝巳(記録)、才美、達也(行動記録、写真)、茂子、憲治(リーダー)、幸子、和子。

梅雨で延び延びになっていた計画を天気の合間を見計らい実施。この時期雨天中止は心配の種。いい加減にコロナも梅雨も終わればとの願いは届かず相手が悪いか。毎度隙間を見てのスリルある計画。前日夜まで実施は決められない。

az2.JPGコース;(徒歩4時間30分)12Km
集合;小田急線渋沢駅改札口9時――駅――タクシー――泉蔵寺経由――頭高山登山口9時20分――八重桜碑前――頭高山山頂(303m)9時55分着――マヒルの決闘。ヒル退治――10時5分下山――登山口帰着10時45分――八国山分岐11時35分――稲荷広場(285m)コンクリ広場で昼食――12時出発――栃窪会館12時20分――上智大植樹地小休止12時30分――やまゆりの里作り園地経由――震生湖入り口13時30分――震生湖往復13時50分――秦野駅着14時50分――海老名着15時10分解散。

近郊の、他人の眼を刺激しない程度の山行には意味ある目的地はない。山頂に立つことはコースの一部であって目的にならない。ちょっとしたでっぱりが山頂なのだから必然的に歩くことそのものが楽しみの中心。コロナでの窮屈な生活の中でこれも致し方ない。それなのに結構道は複雑。渋沢丘陵は枝道や、作業道が豊富にあって、舗装の王道を歩く以外に道を取ろうとすれば難儀する。効率を求めるなら踏跡を行くに限るが、近郊の低山に来る人は、そんな道に分け入る人もなく、獣道になりはてて道が悪く、長く続く雨に湿った滑りやすい道を歩きながら暗い森の中で真偽を疑ったりする。

az3.JPG

昔、通学路に荒れ果てた広い畑が立ちはだかり皆遠回りを強いられていたが、勇を決し最初に斜めにその荒地を横切った。卒業までにその道は見事な通学路になった。ひそかに今に生き生きと通じる楽しい追憶。生活は思考の速さを超え、絶えず追われる時の速さの脅迫観念の中にある今にして思えば、緩慢さの中に優雅な価値感を求める歩行こそがあるべきものなのに、若者は何の疑問もなく近道を選んだりした。
今この湘南とも言える丘陵地帯を起伏する道はどこまでも不安なく続くと思っている者にとって突然その先がなくなるのに驚き、広々した畑の出会いは喜びである。この尾根道を歩き始めたころ、脊梁を行く農道の北に丹沢山塊が絶えず視野にあって周囲は意識のない散策に十分答えてくれ一人で考えることを体験できた。考える事と歩く事は古代ギリシャ人の実践であったが、時代を経て、ハイデルブルグの道はヘーゲルが歩き、ケーニヒスベルグはカントの道に、キルコゲールはコペンハーゲンにその名を遺した。かくて、時代とともに歩くことと哲学することは一本化した。碩学に足元にもよれないが、人生80年、多少は思考する。その道にこのヤマユリの咲く尾根道は実によく似合う。
途中で出会った農家の人は、ヒルもイノシシも多い、サトイモが全部やられたとにこやかに話す。このあたりの畑は生活を懸けていないのだろう。

【山ヒルのこと】

az4.JPG

静岡の山で朝旅館を出るとき塩袋を渡された。ヒルがいるからだといったが、すっかり忘れて山中に休憩したら、あらゆる地面との接点から大量のヒルが尺取り虫スタイルで上り始めた。休むに適した石がごろごろしていたが、ヒルも人間が休む場所を知って待っていたのだろう。大山の南面でもヒルに悩まされた、帰りのバスに乗ると、床に大きく血を吸ったヒルがぽたぽたと落ちているし、やせたヒルは意外な速さで這いずり回っていた。小田急線でも、シャッの下から血を吸って丸く太ったヒルが幾つもこぼれ落ちてきた。
丹沢の沢筋では公園の標識があるが、ここに入るなという公園がある。座るのを待つことなくすぐにヒルが無声で取りつく。道志への道で休憩した乾いたベンチに腰かけているのにヒルの大群に襲われズボンにはヒルの模様がついた。上越の谷底に古い温泉があるが、そこまで下るのはヒルの蝟集する山道を行かねばならず、やむなく3時間を遠回りした。 今回もヒルは豊富。佃煮にして売るほど。小さいので今年生まれだろう。可愛いと言えなくもないが血を吸うのはどうもいただけない。丹沢全体にヒルははびこり、秦野や、本厚木周辺の農作業にも影響が出ているという。さらに拡散し今やどこの山にもいる。彼らは油断できない。靴の紐穴からも入るし、衣類の上から吸血する。帰宅して改めて登山靴の泥の中に潜み、杖の先端にもこびりついているのを発見するとその生命力に恐怖すら感じる。

余談だが、上信越国境の稜線にはやたらとマムシが多い。近くの日赤病院の入院患者の5人に4人は季節によりマムシにかまれた人だ。四国の別子村役場の自

az5.JPG

動ドアの前でマムシに子供が咬まれた場面に出会った。農家の前庭を横切り、稜線に出ようとしたら、「私は50年住んでいるがこの上に行ってことはない、マムシが多いから」と言われた。知られてはいないが、観光で有名な島では、島民は夜間は車以外では外出しない。マムシを避けるためにだがこのことは観光協会は決して言わない。
山ヒルは血を吸われる程度だが、マムシや、ヤマカガシは怖い。オオカミはいなくなりクマもイノシシもこちらが注意すればそんなに遭遇することはない。
今や、草むらに潜むマムシと、やたらに繁茂しているヒル、温暖化で南下しているツツガムシ、潜伏期間の長いエキノコックス。それに、黄色オオスズメバチは山でよく出会う。ダニも嫌だ。藪漕ぎの翌朝、手の甲に黒い葉の破片が就ていて、寝ぼけ眼で取り払っても落ちない。引き離そうとしても、水で洗っても落ちない。よく見ると小さなダニが肉にまで首を食い込んでいる。その傷跡は数年間手に残った。山の恐怖本は売らんかなの話に満ちているが、空想でなく現実に山には遭遇する身近な危険はある。
山は安易に人間の入るべきところではなくかれ等の生息域に踏み込むには相当な覚悟さえ必要だ。ついでだが、毒キノコは識別できない。絶対にキノコは採らない。賢明な諸氏は、ましてや食わない。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/2311

コメントする

カウンタ

月別 アーカイブ