No.387 高尾山 (2019.8.30)

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DSCN2882a.JPG高尾山は不思議な山だ。観光化され、俗化の代表のように思っていたがそうではない。確かに、道は整備され、周辺に施設は多いが、森は深く林相は豊。それに修験道の山であることが何よりも特徴。全山殺生は禁じられ、北条氏を始め多くの大名に信仰され保護された、武神、飯綱大明神も祀る多くの顔を待ち最近ではミシュランの三つ星として騒がれて軽薄な観光地と、いささかその本性を誤解されている。

本質は修行道と言う日本独自の宗教の山で、御岳教の御岳に似ている。此の山に、広告看板や電柱は無い。これだけの人を集める山にそれがない、僅かに石段の手すDSCN2865a.JPGりに「ヤクルト」などと書かれた石標があるのがきわめて違和感。こんな不思議な山は無い。神社仏閣詣かと思えば適当に売店や、観光要素もあり、トイレなど見たことないレベルに整備されている。多数の訪問者(登山者ではない)を広く迎え、おっとり修行道の道を構えている。宗教施設独特の教え導くというギラギラした視線は無くあえて難解にしている教義も表に出していない。「こんなことをやっていますがよろしければどうぞ」と言う、極めてまれな宗教施設だ。それが集まって高尾山を構成している。もとより近郊で便利なためもあって信仰など夢にも思わない大衆が蟻集DSCN2870a.JPGするがそれも拒否せず、馬鹿にせず上手く付き合っている。その逞しい大らかさがいいところだ。今は高尾山とてどこかの宗派に属しているのだが案外、適当に属してるように見える。そのしたたかさが垣間見え微笑ましい。
だからケーブルカーで行く高尾山に山道はない。せいぜい6号路がわずかにあるが之とて登山口までのアプローチ程度。歩きはじめるとすぐ山頂。これは魅力だという人はたくさんいる。難行苦行してたどり着く山頂に無い心やすさが高尾山の親しみの源泉。
我ら横着組は大いにその恩恵に授かる。当初予定は6号路。大雨がいっこうに止まず、温泉に入って帰ろうかと言うリーダーの横着な意見は一蹴されたため、ともかく出発。天候を騙しだまし王道を歩く。山頂近い薬王院は平地が少ない為か建物が複雑。DSCN2877a.JPG地蔵尊から、天狗様に至るまで何でもある。もちろん、学問成就から恋愛成功迄の堂が散在する。本堂に至ってはお参りする人の多さに仏様も閉口し、綱を何本か外から本尊近くまで通じさせその綱でご利益を大量発散する合理化施策。大量のお願い事を処理するご本尊様もお疲れだろうから。二俣川の飲食店のように、「入り口で名前を書いて待っておれ、呼んでやるから」と言うのとはずいぶん違う。すがる者に出来るだけいっぺんに処理してやるというありがたいお姿なのだ。
夏の雨の山は涼しい。周囲の大木を見え隠ししつつ霧が出てきた。雲も上がってきて何となく明るい。歩き始めは真っ暗で先行絶望の気分だったが、こんな少しの天候の変化も地上の人間全部の気分を優しくさせる。すれ違う若い人が運動靴で元気に登っている。
DSCN2883a.JPG駅でわからないことを大声で叫んでた人に途中で出くわす。相変わらず意味不明の高言、どうも私たちを叱っているようだ。この人に何があってこの雨の参道を歩かせているのだろうか。やがて下りのケーブルカーに戻るころには流石の雨も止んで霧も晴れてきた。駅から加齢臭の地下道を超えるとすぐに温泉施設。上手い所に造ったものだ。1200円払ってタオルを買って入浴。隣の人がもう大山には登れないと話していたのがわが身に響く。歩きと同じ温泉入浴所要時間、そんなところに価値観を持つ人達が行き着くところが高尾山。良い機能を果たしているから多くの人が来る。

日時;2019年8月30日(金)雨、のち曇り
参加者;7名(男4、女3)
勝巳(リーダー、記録)、才美、達也(サブリーダー、時間記録)、憲治、貞子、吉生(写真)、和子。
コース;(徒歩2時間、温泉2時間)
高尾山口駅集合8時30分――
8時45分ケーブルカー清滝駅9時(下車9時10分発)――たこ杉――薬王院――高尾山山頂着10時15分――ビジターセンター立ち寄り。休憩――10時35分下山開始――薬王院、願叶輪潜経由――11時30分ケーブルカー乗車――11時45分。
京王高尾山温泉「極楽湯」(昼食、入浴)――14時00分高尾山口駅 解散。

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