No.377 富士山お中道歩き(おちゅうどう)(2018.8.30)

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DSCN3181.JPG夏の富士は外国人がぞろぞろ。バスも5合目も外国人(主として中国人の団体客)で満員。五合目だけで帰るなら、単に富士山の麓に車で立寄っただけ。昔、海外旅行で自分も同じようなことをして現地の人に呆れられたことを思いし微笑ましい。

DSCN3171.JPG流石に五合目は涼しい。下界は炎暑続きで申し訳ない、バスを降りても先月の榛名の時同様、登山口の標識は見えないところに立っている。利益に無縁な登山者には結構観光業者は冷たい、世界遺産とか、自然保護とか意見を言うが、実態は登山口の標識さえこの状態だ、自己の利益を優先し、自分の収益の源泉である大地をおろそかに扱い、富士に対する尊厳は感じられない。スイスに比べて精神的貧しさの中にある。富士五合目は日本の恥の集積地の様相だ。お土産屋は駄菓子に、富士の文字だけがやたらと大きい人を馬鹿にした食品や陳腐な北海道の米等、外人目DSCN3176a.JPG当ての商品しかない。日本人なら普通はこの種のものは買わない。五合目の神社すらキンキらキンの過度な装飾で、お賽銭稼ぎと、お守売りに徹している。団体客相手の店員も日本人個人客など面倒だと言わんばかりに相手にしない。 お中道に入り込むと瞬間に富士山本来の風景に遭遇する、カラマツやしらびそがトンネルを造り岳樺が風雪にねじ倒され、此の山の自然の恐ろしさを垣間見せる。それでも、下草に白いサルオガセがびっしりと赤い火山岩を覆い、青い下草にはコケモモの赤くキララカな小さな実が熟成している。道は整備され勾配はほとんどないく富士の中麓を丁寧に巻いて行く。火山特有の礫砂は乾燥が著しいく喉が渇く。
やがて森林限界をはっきり超えると、富士の火山に焼けた赤く荒れた沢が左手に現れる荒涼とした世界だ。富士山頂を囲む外輪山が普段親しんでいる富士の風景と異様DSCN3188.JPGに異なる。やがてこの地形も崩落し富士の様相も大きく変わる予兆がする。森林限界には旗形樹が風の方向に旗をなびかせる如くに孤独に屹立し、その姿は神々しい。絵画で富士が赤く描かれるのはこの火山礫と、崩れ落ちる荒れ沢に夕日が当たり芸術家の魂に触れるのだろう。あまりに富士が近いので首が痛くなる。この道から見上げる標高差は1500mを超えるだろうが高さの実感は周囲の広大な風景のためかない。落石止まない大沢崩れへの道は、壊れそうな貧疎な道標のところで、どういう訳か「この先崩壊の為入山禁止」のロープが何重にも張られている。お中道もここまでらしいがもちろんそんなことはここに至るまでの道で何処にも表示されていない、こんなところにも、登山に対する姿勢がうかがえる。
DSCN3190.JPG下界には河口湖の橋がかろうじて見える、そろそろ色づき始めた稲田が美しい。御坂山塊、八ヶ岳、甲府の南の山々が見え、雲の上に南アルプスが紫に輝き白雲に浮かぶ。戻り道は右手に富士、左手に雲遥かな遠峰。爽やかな風と秋の気配の大気。寄生火山がいくつも数えられる樹海を俯瞰しながら来た道を戻るがさっき通ったのに、まったく新しい道の様に風景が異なっている。ここまではさすがに観光客は押し寄せない本来の富士の風景がある。余裕ある登山が快適な歩行と饒舌をもたらす。山々の夕暮れの少し寒くなったバス停で、最終バスを十分な余裕をもって待っている。
日時;2018年8月30日(木)
DSCN3195.JPG参加者12名;(男5、女7) 勝巳、才美、憲治、貞子、達也、茂子、三貴也、吉生、幸子、邦子,亮子、和子。集合;新宿駅 新南口 を出て5分。「新宿バスタ入り口案内付近」 8時35分。新宿バスタにはコンビニ、トイレがあります。バスは9時05分発 富士5合目行に乗車 往復5400円。切符購入 全員分を事前に購入済(憲治氏)(当日集金)キャンセル不可。
ルート;(徒歩3時間)。
アップダウンはなく道は良い。御庭から先は通行禁止(2018年8月30日現在)。
新宿発9時05分(高速バス)ーー富士五合目バス停着11時40分トイレーー徒歩ーー12時出発ーー昼食弁当ーー御庭13時着ーー大沢崩れ分岐13時30分(同じ道を引き返す)??五合目バス停着16時ーー自由行動ーー富士五合目発新宿行バス17時発ーー新宿バスタ着19時30分ーー横浜着20時30分(解散)。
持ち物;杖。水筒(1リットル以上)雨具(防寒具兼用)昼食。非常薬品。懐中電灯。など。富士山独特の火山礫の為登山靴が適当。(コースは雨天時強風を伴うとかなりしっかりした装備が必要)。
リーダー;憲治(交通)、勝巳(記録)、吉生(写真)、達也(会計)。
地図;25,000「富士山」「鳴沢」「須走」。

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