
相模原台地と、座間丘陵の境にある湧水は、その雑木林と共に自然豊に静かに今も流れている。湧水にトンボが飛び交いカワニナが水底に這い、水面に水澄しが輪を描く。周辺の大きな屋敷には、欅の大木が豊かにしげり、その庭には色とりどりの花が人に見られることなく咲く。家々は見事な屋敷林を借景にし武家屋敷風の孤高の静けさと、品格さえある。それが、座間。湧水の流れにクレソンが揺らぎ、小さな水車が単調に音を奏でる。この辺りでも天然のウナギが取れたと農作業の手を休めて古老は言う。一枚53円の大凧せんべいは懐かしい手造りの

そこに江戸時代から200年の伝統の大凧祭り。100畳、1トンの大凧を100人であげる勇壮、豪快な祭りが加わる。会場には、昭和の初めのセピアの色の大凧を囲んで町の全員の写真がある。皆、真面目な顔をして凧を囲んでいる。この人たちの子孫がいまだに凧を風に泳がす。此の宇宙時代に。悠然と。大の大人が恥じることなく胸を張って。そこにあるものは、やはり真面目な人間の豊かさとしか言いようがない。
5月の相模川の川べりは緑濃く、風爽やかにそれだけでも芳しい。遠くに丹沢大山の美しいシルエット。大凧はそんなところで風に乗る。近くの休耕田であげている年寄りの小さな凧、その強い力は糸を通じて確かな手ごたえ。広々としたこの期の空に天高く舞う。

集合;小田急線「座間前」駅 午前9時30分
コース;徒歩 約3時間
海老名――座間駅――旧鎌倉街道――心岩寺(清水)――横断歩道橋――大凧せんべい製造店――龍源寺湧水(カワニラ)――鈴鹿の小路(旧藤沢街道)――鈴鹿の泉(クレソン)――湧水の道――番神水湧水――座架依橋(相模川)方面へ――田中の道――左岸用水路――凧あげ会場――バス――小田急相武台前駅――海老名駅(解散)。
kumi様、今後ともよろしく。