青春切符の旅(1泊2日)(2017.12.20~21)

user-pic
0

maturia.jpg集合;横浜駅中央改札口 6時40分(全員で一緒の切符でに入場)。
参加者;勝巳(記録)、憲治(会計)、三貴也(写真)、(3人)。
青春切符;5枚つづりを2セット購入(勝巳)使用は一日3枚、二日目3枚別々に。

恒例の年末の青春切符利用の旅。日本海の雪景色を求めてだったが、快晴でまるで房総半島をめぐっている感じ。だが突然天候が変わり降雪、海は灰色ににごり地平線の濃紺の一線の手前は暗い深い緑のうねり。海岸は一瞬にして白波が狂い、海霧がIMG_0618.JPG漁村の屋根を隠す。風景は濡れて光り、線路わきの丈高い枯草はしっとりと雪をかぶる。どこかの国の木造船が流れ着きそうな風景が続く。再びまた雲が切れ青空が出る。やはりここ日本海の冬の海だ。
途中の上越国境は雪の中だがそれは山中のみ。越後山脈の名だたる山々が平野を隔ててそびえたつ。光る雪山の此のあたりの山は本格的な冬山で、その登りの困難さを余すところなく示している。やがて長岡を通過。この雪深い都市として世界的に有名な街も快晴で、雪さえない。国境のトンネルを越えても強い冬日が目に痛いくらいだ。
新幹線を降りて新潟から本格的な青春切符の旅が始まる。横浜から高崎までは鈍行列車だったがそこからは新幹線利用で、時間の都合上と言え楽をした。新潟からの村上行の列車は当然だが古く、遅いそれに空いていて静かだ。日本海は小さな漁村を過ぎなIMG_0642.JPGがら左に見え隠れする。どっしりと鳥海山も晴天。遠く薄く粟島は佐渡と見違える。これが日本海の冬の波かと疑いたくなるように長閑さ。だが鼠が関を過ぎ、それらしき温泉など見当たらないあつみ温泉駅を過ぎるころは雪降の中。余目までの間で此の海は突然本性を予告も無く表した。風景は濡れて寂れ、人間は閉じ込められ萎縮する。どんより黒い屋根は車窓に流れ、海に向かって黒く墓柱が点在する。なんと海をむかって立つ墓標の多いことか。郵便配達の赤いバイクが雪の大きな風景の中を独りよたよたと行く。
余目は日本海からの強風の地で遠くに発電用の風車が見え隠れしている。飛ばされてここは雪が積もらず皆新庄に行ってしまう。余目とは太閤検地の時に余った土地とsyokuji.jpgのことだそうだ。ならば、当時の測量事情からはもっと多くこの同名があってもよいはずだが。読みは、「あまるめ」で、石川五右衛門が大見得を切って「そんなものはアマルメイー」と言う音感。駅前のホテルはホテルのイメージと違い、日本風旅館でかなり古い。なんでホテルと言う場違いな名前にしたのか聞くと「当時ホテルと言う名がまだ使われてないときに」付けたからとのこと。時代を先取りし過ぎての結果なのだ。ともかくこの駅前の旅館は古くても内容は一流。全館に塵ひとつないし何一つかけてなく完璧なホテルで奈良ホテル並みである。明らかにサービスが建物の古さを補ってあり余っている。それで2食付いて6,400円。食事だって、決して豪華ではないが全部土地の食材で家庭の手作り。冷凍食品等当然ない。高額を競う旅館が多い中でこの東北の村の誠実さに日本人の誇りを覚え本当にうれしくなる。この旅館に出会っただけで旅の目的は達成されたほどだ。
旅館の前の駅から陸羽西線で新庄に向かう。もちろん電車は昨日より一層古く一昔cyoukai.jpg前のもの。ジーゼルの緩い音が心地いい。誰も乗っていない列車とホームですれ違う。裏側から見るような月山の滑らかな山稜。乗客はガラガラ。みんな黙っている。これから最上川の流れを遡り奥羽山脈に入る。又不思議な光景。川の水温と外気の温度差から大量の霧が発生している。列車の前方の全てが霧で全く見えなく、雲の中を行くようだ。所どころの細い電柱が大地を示してなければまるで雲の中。列車もいつのまにか風景に合わせ超ゆっくりと走る。とろとろと白い世界に溶け込む。音はない。色もない。声もない。この世知辛い世で貴重な風景。やがて羽前千歳駅。情けないことに羽前と言う地域を初めて聞いた。これから東北の脊梁を踏み分けて行く。周囲はやがて霧も薄れ、青空が広がる。山中は輝く樹氷の森。人里はまれ。たまに停まる駅でも客は無い。静かに停車して、ただ静かに出ていく。無人駅のホームに足跡が一条雪の中に。線路の先でカラスが遊んでいる。羽前千歳から仙北線に乗り仙台を目指す。途中、山寺駅でyamadera2.jpg外国人の観光客の乗り降りに出逢いはっとして現世に戻る。やがて出てきた巨大ビルの仙台は喧騒で罰当たりな街に見えた。雲ひとつない太平洋側は日本海からみればこんな不公平はない。どうしてか日本海側に加担したくなり早く仙台を離れたくなった。福島からは、新幹線で大宮まで。乗っている人間もどうも親しめない。金儲けと出世競争に明け暮れるだけのように見えて仕方ない。
やはり新幹線よりも鈍行列車がいいのだが、高齢者には此の背徳の快適さも魅力だ。何とかこの矛盾を妥協した考えでごまかして実現できないだろうか。
第一日快晴 途中雪
横浜発6時51分――高崎着9時10分――(新幹線切符事前購入)高崎発(新幹線とき309号新潟行)9時50分発――新潟着11時15分(11時43分村上行)――村上着12時57分(13時31分羽越本線)――余目着15時37分(町(営)温泉400円)。
宿泊;余目ホテル 0234-42-2442  2食付 6,400円。
第二日快晴 途中雪
起床5時30分 朝食7時。宿発7時45分――余目駅発8時01分(陸羽西線)――新庄着8時53分(新庄発9時32分奥羽本線)――羽前千歳着10時35分(羽前千歳発10時57分仙山線)――仙台着12時09分(乗り換え20分で弁当購入)仙台発12時20分発快速――福島着14時(新幹線14時20分発)――大宮着15時30分――横浜着16時50分(解散)。
費用;すべて込みで2万5000円程度。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/2004

コメントする

カウンタ

月別 アーカイブ