No.353 伊予が岳337m、御殿場山363m、和田花畑 (2017.1.18~19)

user-pic
0

IMG_2918a.JPG温暖な冬の千葉の山。地元経営の安くて清潔、快適な宿泊施設。2003年と2007年2度周辺を歩いているが今も変わらない。千葉県は47都道府県中で日本一低い最高峰「愛宕山」408mがあり、他はほとんどが300m前後の低山群。丘陵地とでもいえそう。
しかし、侮ってはいけない。誠に山に入ると隆起地形の為か、起伏が激しく入り組んで25,000でも山谷地形は読めない、その上、道を外せば、密生した竹林と薄暗い藪山。それもまったく手入れのない猪の駆け回る天国。千葉の山はおとなしく登山ルートを歩くに限る。

参加者;8名(男3・女5)
勝巳(リーダー記録)、才美、憲治(サブリーダー、車両、会計)、貞子.一朗(車両)、幸子、亮子、邦子。
期日;2017年1月18日(水)~19日(木)1泊2日
集合;1月18日(水)午前6時30分 相鉄二俣川農協裏 車利用(提供;高橋、玉置両氏)。
CIMG0389.JPG第一日 1月18日(水)晴れ徒歩4時間(2山を登る)
二俣川農協裏集合6時30分――東京湾横断道路――岩井駅8時30分――伊代が岳登山口、天神社駐車場8時50分――徒歩――富山方面分岐通過9時30分――鎖場――伊予ガ岳南峰10時――鎖場下降――富山方面分岐通過10時30分――駐車場発11時――車移動5分――御殿場山登山口、高照寺前駐車場11時15分――(徒歩)――御殿山山頂着13時――下山――駐車場着14時――宿泊、和田町(営)「くすのき」着14時30分――無人寺等散策16時30分――18時30分夕食懇談。
宿泊;和田町(営)自然御宿「くすの木」186?0470?47?5522(一泊2食付5250円 3部屋10畳)。
第二日 1月19日(木)曇り徒歩3時間
「くすの木」発8時30分――(途中橋梁工事で全面交通止めの為コース迂回)――棚田9時――烏場山登山口、水仙の花畑跡(駐車)9時30分――水仙の花摘み10時――浜千鳥歌碑近くの市営駐車場11時――菜の花畑――正観桜園――抱湖園(花木園)――見晴台――花嫁街道合流――花農家で土産の花購入――駐車場着13時――和田漁港「魚」で昼食14時発――東京湾横断道路――横浜二俣川着17時。
持ち物;一般登山用品(雨具、杖、水筒、第一日の昼食弁当、医薬品、洗面用具等)。
費用;交通、宿泊で1万円程度。
地図;25,000分の一「金束」「保田」「鴨川」「安房古川」。
IMG_2895.JPG伊予が岳から富山(とみさん)を望む風景は平和だ。農家が点在し、それを見え隠れした道がつないでいる。森があって、畑があって、人家や集落があって、民の竃に煙が上がるような何ともゆったりし海さえ光ってなんだかうれしくなる風景だ。しかし、南房総の山は、まことに山深い。道を一歩山にはいれば典型的な散村。一戸一戸が、山の中に散らばりいわゆる集落を形成していない。たぶん、低山で生活用水確保が困難なことと、山峡の狭い畑地では、分散して居住せざるを得なかったのだろう。宿泊した周辺は目印はもとより何もないが、余裕時間を大切に散策する。道に迷いながら猪除けの柵の中で作業していた方をやっと見つけどこかないかと聞くと、笑いながら何もないが、あの森の辺りに寺は一軒あると指さす。近いと言っていたが、案の定かなりの距離。古びて草生し壊れそうな石段を登ると思いの他確かな無人の古刹に出会う。清潔な座敷に入り寂しく鎮座するご本尊を参拝。寺を囲む道は薄暗く森に消えている。他は無人の人家と雑草に侵食され荒れ果てた畑がかって人が住んだ跡を示す。あの宿の周りさえ、この辺に比べれば繁華街だ。それにしても猪君の痕跡や誠に見事。痕跡のない土地はアスファルトの道路を除けば全くない。町IMG_2906.JPGでは1頭捕獲すれば16000円を呉れ160万円稼いだ人もいるという。要は、いくらでも猪はいるのだ。あちらこちらに猪捕獲用の錆びついた罠があるが「危険注意」の張り紙に利口な猪は近づかない。南房総の山村は獣害で山さえ崩壊している。樹の根は露失し、斜面の土砂は崩壊し、路肩は削り取られ、たまに見る人家は電気鉄線の中で僅かな庭先の畑の野菜を守ってひっそり暮らしてる。里山の集落のこれ以上の荒廃は知らない。東京に近いことがここまでの荒廃を招いたことと関係しているのかもしれない。千葉県は、北部は都会、中部内陸は工業地帯とゴルフ場、海岸通りは観光地、そして南部の山中は朽ち捨てられた山林と廃屋の猪のかっ歩する世界。加えて道が細くわかり難い。昨日の事なのに地図を見てもどこを通ったか定かでない。
始めに登った伊予が岳の景色はいい。しかし、南峰の山頂近くの岩場を簡単に考えると危険だ。雨や雪後は北方から登るに越したことはない。それに比べて、次に登った御殿山は穏やかな展望の山。何か大きな音の祀りをしている高照寺の駐車場からひと登り。山頂にいた地元の方によると最近はここも外人ツアーが来るが、そこら中の椿の枝を折るとのこと。こんなメジャーでない山に来て、そこまで侵食するエネルギーは何処からくるのか。
IMG_2942.JPG二日目は、南岸低気圧があり悪天候が予想されたので、烏場山登山を、和田周辺の花畑散策に変える。昨日2山を登っているし、ゆっくり美味い昼飯を食べようと贅沢な旅に全員一致で賛成。あいにく、目的方向の道は、橋梁工事の為全面通行止め。宿で聴いた迂回路は途中で分からなくなり悪戦苦闘、棚田などに寄り道したのがいけなかった。途中立ち寄った目当ての水仙畑は見事に咲いてない、なんでも夏に、間違って水仙の花まで雑草と一緒に刈ってしまったとのこと。水仙畑の持ち主に断って僅かに残った花を格安で摘ませてもらう。最終目的の和田の花畑にある「花木園」は立派な道標があり「抱湖園」として房州の花の開祖とかかわる所だが、荒れ果てている。元気なのは俳句の石碑ばかり。「展望台」は叢の中で、一歩道を外れると廃道に近い。下山して駐車場近くの農家の花を買う。大声で安く売ってくれた。ついでに、地元の方が使う食堂を聞いたら、和田漁港の食堂を紹介してくれた。偶然にも前回利用した店。珍しいクジラの料理に出会った。東京湾に船が浮かび、夕方近い陽に富士山も見える。遠くの煙突から白い蒸気が流れる。波は無い。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kenhai2100.com/cp-bin/mt/mt-tb.cgi/1851

コメントする

カウンタ

月別 アーカイブ