No.344 草津白根山の高山植物と温泉 (2016.7.10~12)

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kusatu1aa.JPGこの季節、この山には高山植物が咲き競う。
ロープウエーとリフトを使い、ほとんど歩くことなく2000mを超す高山に。梅雨の晴れ間を狙うと特に美しい。宿泊は草津温泉。コマクサが咲き、盛夏の混雑を避ける日程。
参加者;4名 男2、女2。
勝巳(リーダー・記録)、才美(サブリーダー・宿泊)、三貴也(写真)、美奈子。

日時;2016年7月10日(日)~7月12日(火) 2泊3日。
今年の梅雨明けは気象庁によると7月10日の前後5日間。それを信じゲストルーム予約対策もあって、かなり前から予備日設定の計画とした。
集合;高速直行バス JR新宿駅「新南口」改札口近接{バスタ新宿}発――草津。
コース;
    第一日7月10日(日)徒歩3時間
      新宿発9時(JR関東バス。草津行)――草津着13時――宿発14時――相撲広場――西の河原ダムの石碑――西の河原広場――ビジターセンター――足湯――湯畑――レストラン夢花17時(夕食)――宿着20時。
      レストラン「夢花」に開店前についてしまったが、特別に2階の部屋に案内してもらいビールを飲みながら開店を待つ。此の店にはいつも世話になってしまう。
      宿泊;「マウントマリーナ草津」ゲストルーム。
    kusatu4aa.JPG第二日7月11日(月)徒歩6時間程度
      朝風呂――7時30分朝食――マウントマリーナー草津発8時50分――ベルツの丘バス停発9時02分(西武バス、640円)――殺生石(ロープウエー乗車口)――ロープウエー――こまくさリフト10時――展望峠――噴火口跡縦断――コマクサの尾根――遊歩道最高点(昼食)――岩の展望台往復――こまくさリフト――弓池周遊バス――ロープウエー――殺生池バス停――武具脱の池(ものぬぐいのいけ)――バス殺生池発14時40分――マウントマリーナ15時――万代抗線源往復――宿16時着。
      ロープウエー;高低差472m 最高勾配29度 支柱22基 時間8分 昭和63年開始。
      18時30分「ナウリゾートホテル」夕食(ホテルの送迎車)――宿帰着20時30分。
      宿泊;第一日に同じ
    第三日7月12日(水)
      朝風呂――7時30分朝食――10時チェックアウト――11時草津バスセンター(昼食)――13時JRバス草津バスセンター発――17時バスタ新宿着(解散)。
持ち物;杖、水筒、雨具、洗面具など、一般登山用品。(ゲストルームは大小タオル、シーツ、枕カバー)。温泉(24時間)。
費用(一人一日分概算);新宿~草津JRバス往復4880円、宿泊;2100円。ロープウエーとリフト往復1900円。宿~殺生石往復バス1280円。リゾートホテルバイキング等夕食5000円。計2万円程度。
地図;「草津」2万5千。
梅雨の此の季節が一番よく咲いているとは因果な花である。それにしても「コマクサ」ほど有名な高山植物は少ない。なんとしてもこれを見てもらいたくてかなり早い時期からブログで周知をして万全を期した。おかげで、全行程日が快晴。これはほとんど奇跡に近い。大体どこでもそうだが花の最盛期にぶつかり快晴に恵まれるのは当地に住んででもいなければ絶望的。何度も落胆してついには高山植物をあきらめることになるkusatu2aa.JPGのが落ち。今回は恵まれた。やはり快晴はいい。2000mを超えているので半袖に高山の風が涼しい。それにしてもコマクサは変なところに咲く。どう見ても養分豊かな土壌には見えない砂礫の斜面。こんなところの豪雪の下で7年もひたすら花を咲かせるために耐え忍ぶ花は偉い。大きさも、健気だし、色だってどぎつい自己主張をしていない。葉は、ニンジンの葉と言ってはコマクサに怒られるが似ている。根が地中を張って伸びていくそうだが、岩だらけの此の地でさぞ苦労しているだろう。この小さな花に毒があるがそうは到底思えない。昔、此の花から薬をとるために、乱獲した時代もあったようだが、今は地元の中学生などによって大切に守られている。白根のコマクサは斜面一面に咲く。年によるが、多いときは遠目にも山の斜面がピンク色になり、正体がわかるまで不思議にすら思うことがある。憧れの此の花が咲いている場所までは実に簡単に行ける。15分も歩けば第一回目の対面場所に出る。そのせいもあってか、結構高齢のツアーらしい女性グループが多い。登山靴の我々が場違いの様だが、此処は高山、いったん天候が荒れれば容赦しないだろうから我々が正解。やはり奥に入って尾根筋に出ると花の量が格段に増える。ともかく、紫の浅間山を背景にピンクのコマクサがそよ風に揺れている静かさはここのコマクサが一番だろう。四阿山、赤城、榛名、烏帽子、湯の丸、桟敷山、村上山、眼下の静山、硫黄鉱山跡、緑敷くキャベツ畑、波打つ緑の森、が広大に広がる。そこのコマクサなのだ。やはり高山植物の花は周囲と溶け合わせて見るものだ。その時の、高山の風、壮麗な気温、清々しさ、雲のゆったりした動き、眠くなるような静かさ、加えて意、相通じる同行者、そのすべてがあってその上に象徴的にコマクサがある。高山の花を見に行くとはそう言う事なのだ。
kusatu3aa.JPG帰りついでに登った50m程度の岩だらけの展望台の周囲にもコマクサがひっそりとある。さっきの群生を見た後では、申し訳ないくらい目立たない。誰にも見られないが、立派なコマクサである。なんだか人間社会を見るようだ。
弓池を巡る無料バスに、どこかにヤナギランの群落でもないかと乗ったが無い。カッコウも鳴いていない。昔はと言うほどの昔では無いが、どこにも雑草のようにヤナギランはあったし、カッコウは森で鳴いていた。火山噴火の危険を避けるため、バスから下車は出来ない。運転手の間違いだらけの説明がそれを補う。やっと下界に降りてきたみたいだ。
殺生石から宿へのバスの時間を待つあいだ武具脱(ものぬぐ)の池を訪れる。あんなに居た観光客は誰もいない。小さな池の周辺に木道。白いワタスゲは終わり真っ青なリンドウはこれから。頼朝に追われた木曽義仲の残党が力尽き、この池で鎧兜を脱ぎ捨てた(自害した)と言う伝説の池はさざ波ばかりが渡っている。
帰り着いたベルツの里バス停は我が宿の真ん前で、やっとたどり着いたと密かにビールを思っているのに、突然追加コースの提案。万代抗まで行きたい、僅か1時間未満だからと。一番足が弱っているはずの人も元気いっぱいに行くというため、行かざるを得ない結果に。朝の出発の時は、どう見ても歩けそうではなく途中棄権も十分ありうるkusatu6.JPGと内心心配していたのに今や先頭を行く勢い。まったく人間は変わるものだ。何かスイッチが入ったに違いない。それとも、人間には本来もっと力があって、怠惰の思想に陥ったがゆえに行動放棄をするのかなどと野生動物の頃の原始的な姿をかんがえながら、深い森の道をクマよけの笛を吹きながら辿る。終点には、優に30mある大きな煙突の先端から、これでもかと温泉の蒸気を太く高く、しかも365日24時間噴出している姿に圧倒されるそうだ。もともと鉱山開発の途中で温泉源にぶっかったものだが、今や全草津の湯量のかなりの割合をここから配給しているといわれている。こんな山奥に、煙突が出現して熊たちも戸惑ったのに違いない。宿に着いて温泉に入って、各自正装?に着替え、ホテルでの豪華な晩餐の送迎を待つ。

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