No.337 雪山散策と温泉 (2016.1.19~21)

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日時;2016年1月19日(火)~20(水)~21日(木) 2泊3日
参加者;7名 勝巳(リーダー。計画、記録、写真)、才美、憲治(会計)、貞子、吉生(写真)、ゲスト;輝夫、正子。
集合;JR長野新幹線「上田駅」温泉口から駅を出てロータリー付近に 11時集合(ここから乗車は憲治、貞子、吉生の3名、他は休暇村フロント現地 集合)宿の送迎バスは駅11時10分発。

第一日 1月19日(火) 曇り 厳冬期「村上山登山」。
宿13時出発(スノーシュー)――村上山途中(往復)――16時宿帰着――温 泉――会食――懇談(ゲーム講習会)。
宿泊 国民休暇村「鹿沢高原」0279-98-0511。2連泊会員割引プラン9,000円。
第二日 1月20日(水)暴雪風警報、台風並みの悪天候。宿に沈没。温泉と、ゲーム講習会専念。宿泊 前日に同じ(連泊)。
第三日 1月21日(金) 晴れ
宿発9時30分―JR上田駅着10時50分――しなの鉄道――大谷駅――海野宿 ――上田駅――新幹線14時10分発――東京15時30分着――横浜16時30分 (解散)。ゲスト2人は宿から草津へ。
持ち物;スノーシュー、防寒具、サングラス、懐中電灯、杖、保温水筒、 常備薬、非常食パンなど他。
tozan.jpgここ数日はどうしようもない悪天候。こんな時に外に出るのは遭難をしに行くようなもの。全国的に数日前からの天気予報で、平地ですら大荒れ。ニュースは、張り切って悪天候を繰り返し伝えている。寒さが一層厳しくなるだけではなく、風も強まり、いたるところに雪害が予想され、交通途絶をもたらす豪雪は低気圧3個が日本周辺にたむろして混みあった等高線の天気図からも容易に想像できる。冬は山が荒れるのは普通の事とたかをくくっていたがこれではレベルが違う。何とか第一日だけは降雪の合間をぬって村上山に挑戦したが、昨年よりははるかに雪が深く、もちろんこんなマイナーな山に登る人となどいるはずもなくトレースは予想通りの皆無。ラッセルは次第に困難になり、寒さが加わり、3時までには宿に入る冬山の鉄則に従うために、山頂をはるかに望む地点で引き返す。宿に着くころは急激に気温が下がって、冬山の怖さが身に染みる。老年者の集団では、特に無理は禁物。まして冬山の悪天候。遭難事故でもだしたら世間の物笑いになりかねない。「あんなに天候悪化が事前に伝えられていたのになんと無謀な老年だ」と散々叩かれるだろう。そんな命がけの登山をする気などないので、初日はさっさと温泉に直行する。
第二日目に至っては、早朝3時から観察していたが、天候は一層悪化するばかりだ。豪雪。窓から懐中電灯で見えるのは吹雪の渦巻く横殴りの雪だけ。これだけの風の宿周辺ですらマイナス8度。2,000m近い今日予定しているコースでは体感温度はマイナス15度は強風が加わり優に超えているはずだ。そうなると基本的に装備も異なってくる。雪山でのビバークも想定するためだ。スコップも寝袋も持参しなければならない。非常食も多めにして凍傷に耐えうる靴も手袋も必要だ。ゴーグルもなければ動けない。途中までスキー場のリフトを利用する計画だったが、強風で客もなくおそらく運行しないだろう。可能性ある条件をもとに計画を再検討する。一日中悪化し吹雪が続くとき、途中で何とか天候が少しは回復方向になるとき、落伍者もなく全員が何とか歩ききることができること、などの条件で別なコースの選定を含め複数の計画案を急遽策定する。しかし、この積雪量の前ではスノーシューは役立たない。雪まみれになって斜面を進むことはできないだろう。腰までの雪にはスノーシューはその重さで足が上がらないのだ。結局、どうしようもないとの結論に達する。安全登山は我が会の鉄則。リーダー責任で今日は宿に沈没の事にする。朝、食事の時に説明したが流石に山慣れた人達、状況をよく理解しているので、簡単に停滞に決まる。さて、一日中何をするか。こんなこともあるのが冬山の常識。トランプを持参したし、麻雀は宿にあるし、吉生先生もいるし、温泉は24時間あるし、食堂もあるし、部屋は暖か。沈没するには全部揃っている。そうと決まれば、と早めに娯楽室に変更した一部屋に集まる。もちろん、金など掛けないのだが、結構時間の経つのを忘れる。外がどんなに荒れようが、どんなに気温が下がろうが此処は春のように暖か。こんなことも冬山ではよくあることだともっぱらゲームに専念する。すぐに22時になった。
asamayama1.JPG第三日は、予想通りの快晴。四阿山、草津、横手の銀世界が朝日に染まっている。高原の畑に赤い光が斜めにさし、覆われた雪がキラキラして風もない。まったく昨日までが嘘のようだ。だがよく見ると、降雪量は昨日までの冬の嵐を明瞭に物語っている。おそらく山は新雪が1mは越えたろう。スノーシューの立ち入るところではない。天気がよくても、風が無くても、気温が上がっても、午前中しか残されていない時間内での行動はこの雪の状況ではできない。幸い9時30分発の送迎バスが上田駅に向かうのでそれに乗車することに変更。気前よく山はあきらめて、あとは観光に。鹿沢温泉から雪道を下る上田までの街道は眩しい白銀の世界。此のわがままな自然の前になすすべもない。せっかく来て温泉だけとはもったいないasamayama2.JPGので上田近郊の古い街道「海野宿」に行く。観光案内所で確認11時30分発の電車で行くことにして「しなの鉄道」に飛び乗ったがこれが反対方向。あわてて下車してまた乗車した上田駅に戻る。こう言うと簡単に聞こえるが、なかなか来ないのが田舎の電車だ。これだけでも大変なこと。駅員は親切に教えてくれたのだろうが、間違った原因は、全く同じ時間に同時に出発する電車がおなじホームの両側からあったこと。しかも、番線表示は見つけるのが困難なところにあり、運悪く反対方向に行く電車だけがホームに停車していたので階段を駆け下りて飛び乗っていしまった。誠に不注意と言えばその通り。でも、まさか1時間に1本もないようなダイヤで、同じ時分の電車が同じホームから同時出発するとは思わなかった。遅れた分は、大屋駅からタクシーで回復したが、「海野宿」は12時を過ぎていたので、有名な「クルミそば」を食べるべく街道唯一の食堂にはいたのがいけなかった。店員はお婆さんが一人、そばは一人前しかない、暗いストーブの寒々した店内で出来上がりを待つのは案外侘しく往時の旅人を彷彿させる。信州で、しかも蕎麦屋でうどんをuminosyuku.jpg食べるのだからなおさらだ。海野宿は雪の中で僅かな観光客がいるだけ。道の真ん中にある小さな流れのある堀、北国街道の、しかも真田ゆかりの場所であって黒々とした古い家並みが見事に、風景に沈んでいるいぶしぎんのような街道だ。
今回は、冬山での安全を考慮しての行動だったが、滞在時間、装備、体力年齢、積雪量や強風、異常低温などの悪天候を考えればこれ以外に判断の余地はない。たまには、こんな山も案外面白い。少し贅沢だったが、悪天候もいいものだ。

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