(記録:勝己)
正式名称は「棒ノ折山」別称「棒ノ嶺」「坊ノ尾根」 山名は鎌倉時代、畠山重忠が愛用した石杖が折れたところの伝説がある。奥多摩側からも同じような時間で登れる。東京都と埼玉県の県境の山。参加者が少ないだけ静かで気ままな山歩きができる。これからはこうした山行も多くなるだろう。
天気は絶好。風もなく、暖か。山はそれでも思ったより大変だった。もともと、奥武蔵の山を低山なるがゆえに理由もなく馬鹿にしていたのがいけない。800m近い高低差はどこの山でも同じと言う自明の理を軽く考えていた。 ともかく展望がよく、人は少ない。道はいいし、登りの沢筋もきもちがいい。夏はもっと快適だろう。この時期に元気のないジユウガツ桜が咲いている。青い水の名栗湖がコースからいつも見えている。
初めて、(60年前の頃の経験を除く)の山域。初めから、改めて25000地図や山と高原の案内書を購入しての準備。パソコンでコース概要把握。それ以上に、交通手段の確認。一体、池袋の先に行くのは何線か、から始まる始末。バス会社、バス時刻やバス停の位置など、全く分からないことだらけ。
結果的に、池袋乗り換えは人ごみと分かりにくさがあったが、安全を期して池袋から始発に乗る。吉生さんから聞いてあとで気づいたが、なんと、横浜から飯能まで直通の電車がある。本数は少なく、平日は登山者向きの朝の早いのがないのが欠点だが。
この山域は、横浜から直通で行け、電車も混まない、都合の良い時刻の電車がある土曜、日曜の催行が適している。なによりも我々の体力に適しているしもとより危険は少ない。飯能は林間学校に行った懐かしいところ。雑草の生えた駅周辺が今やビル街。その西武線飯能駅の北口から名郷行のバスに乗る。相客は数名。ほとんどが、私達と同じバス停で降りる。登山口まではロック式の有馬ダムを見ながらの散歩コース。トイレもあり、きれいな湖沿いの道を、心地よい秋の日差しの中を行く。
登山口からは、両岸が岸壁の沢筋の道に入る。何度か浅い沢を渡り、靴がぬれる前に、鎖場もある結構な登りを経てとりあえずの目標である岩茸石に至る。大きな岩の塊。この近くには同じような岩がごろごろしていて、秋の紅葉に一段と美しい姿を見せている。 ここからまたしばらくは地面を見ての登りが続き、好い加減うんざりする頃に山頂に着く。 山頂からは関東平野を見下ろす見事な景色だ。連脈とした秩父の山並み、武甲山の特徴ある姿など、昔歩いた懐かしい山が一望できる。12月予定の伊豆が岳ははるかに低い。 快適ともいえないが、幅と段差のある木の根っこをまたぎながらの急なくだりが続く。この道の状態はオーバーユースの結果だろうが低山ではよくあること。左は雑木林越えに名栗湖。右は植林。何度かの立派な林道を横切るが、うまく使えばこの辺まで車で来ることもできるかもしれない。やっと、獣除けの柵のある人家が出てきて、「さわらびの湯」の周りのジュウガツ桜が咲いているのを見ながらバス停に。バスが来る2分前。これを逃すと40分は来ないので運がいい。飯能駅に着くと横浜まで直通の電車が3分後に出るというのに、バスの団体客がのんびりしていて間に合わない。そんなに何もかもが上手くいくはずもないので、あきらめて、適当な電車で小手指迄いき、そこから横浜への始発直通の電車に乗る。もちろん、ガラガラ。
丹沢が蛭害の為に登れないので、雪も少ないこの山域はいい。上手く電車を使えば結構空いてるが、それには、平日ではなく便利な時間帯の電車ががある休日、土曜日がいい。じっくり時刻表を検討すればかなり快適に行ける。人数がそろえば、タクシーを使って時間短縮も可能だ。大いに検討するに値する。とりあえずは12月の伊豆が岳だが、これとても参加者同士で相談して、飯能直通の電車がある休日土曜日に変更してもいい。
手ごろでいい山域を見つけた。我々の体力的にも5?6時間の行程で、危険個所も少なく、未踏の藪山でもなく道標もあって、交通機関もしっかりしている。日帰りのこれから春までの山行には適している。登るコースは20を下らないだろう。
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