No.321 北アルプス「燕岳」2762m(2014/07/23-25)

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(記録:勝巳))

  • 参加者: 8名  勝巳(リーダー)、才美、善右衛門、ゲスト(K氏、T氏、Y氏、M氏、M氏夫人)

    当初計画(7月9日)により、「燕岳往復」3名のコースを全員で歩く。

  • 第一日

    7月23日 集合は、穂高駅。12時40分。全員時間通りに集合し、安曇野タクシーの運行する、中型の2台のジャンボタクシーバスに乗車。1700円でこんな狭いところと思わずビビル道を中房温泉へ。今日は泊まるだけ。普通の登山者と違い、我々高齢者は一気に2700mまで登ると高山病になるため安全を期して1462mの温泉に豪華に宿泊。本館というと普通は別館より高級なところとのイメージだがこれが勘違い。登山者専用の傾いた部屋。その分気楽でいい。何しろ13時40分に着いたのに、すぐに部屋に案内してくれた。

    夕飯までは浴衣で温泉めぐり。やたらに温泉浴場が多い。専用の地図さえあり、とてもこの宿の全部の温泉に入ることはできない。中には地熱浴場等熱ムシロに転がって青空を見ながらの蒸気温泉など。出来れば温泉めぐりをしてこのまま帰りたくなるムード。夕食は、山小屋に毛の生えた程度。一応秘湯の湯として旅館なのだが8800円では致し方ない。9時就寝

    第二日

     7月24日 7時朝食。弁当を頼み準備完了。7時30分発・天気は終日小雨、曇り。暑い炎天下よりは登りやすい。直ちに、北アルプス3大急登の登りにかかる。道は幅広く、地元の中学生の団体160名と前後しながら、ジグザグの登り。第一ベンチで水補給、第2ベンチから本格的な急登。

    途中で、急病人発生。他の山のクラブに在籍し、私とも何度も登山をしている人だが、「急病」には勝てない。足がふらつき、後ろに転倒しそうな状態になる。このまま下るにしてもこの状態では前に転倒してしまい登るよりももっと危険。リーダー判断で、ともかく燕山荘まで行き、そこで医者に見せて、一泊すれば回復することもあるとして、登高を継続する。途中の合戦小屋で、緊急宿泊を頼んだが、ここは売店として登録していて、宿泊はできないと断られる。意を決して、Tさんと二人で、急病人の荷物を分担し予定を大幅に遅れて、霧雨の燕山荘に16時到着。個室を確保しておいたよかった。

    急遽、今後の対策を話し合う。急病人が出たので、当然このまま予定通りには行動できない。皆それぞれ楽しみにしていたが、不注意による怪我でもなく、急な病気であれば、「わが身にも起り得ること」として考える事態。登山は、団体スポーツ。こんな時こそ、自我を捨てて、事故者の救済のために、協力し合うのは、同行した仲間の当たり前の事。 ツアーで北海道の遭難事故は、自己の都合ばかり主張する参加者の勝手な行動をリーダーが調整できなかったため。今回の仲間には、テント持参で18Kもの荷物を担ぎ上げ稜線コースを楽しみにしていた人や、会社を休んで参加した人もいるのだが、その人たちからは、むしろ、明日の病人を降ろすことを心配する声こそ上がったが、計画中止を反対して、自分は一人でも行きたいと主張する声はなかった。流石に登山のなんたるかを知っている山慣れたベテラン。こんな時には頼もしい。

    当初計画していた通り、病人が出た現在、他の女性二人だけでは絶対にあの急こう配は下れないだろう。転倒による大事故は目に見えている。どうしても付き添いが、前後からの支え二人、荷物運びがさらに一人必要だ。明日の朝の体調を見てのことだが、その結果では稜線コースは中止。全員で、無事に下山させようと決まる。

    第三日 

    7月25日 早朝5時30分、曇り空の中を空身で燕岳山頂往復。病人はその間に医者の診断を受ける。簡易診断の為詳細は不明だが、「水分を多くとるように」との指示があったので、ほかの病気に加えて、高山病を併発しているに違いない。ためしに正常に歩けるか10分程度チェックしたが転倒を伴い、今日の下山の先行き困難さを垣間見る。

    参加者全員で7時30分下山開始。ともかく、ゆっくりペースで休み休み降りはじめる。荷物はTさんと私が交互に担ぐ。この道は、北アルプスの有名な登山道、かなり、行きかう人で混雑している。急ぐ登山者からも仲間でもないのに温かい視線で受け留められるのはありがたい。テントの荷物に加えて、新たに足の痛みを訴えた人の荷物を担ぐYさんは20?を超えるのに文句ひとつ言わずに、かついでいる。病人の足は相変わらずふらつきが大きい。山の経験者であっても山中での発病には抗すべき方法がない。

    何度かの転倒を経て第一テントの水場に到着。やっと先が見えてきた。日帰り温泉で汗を流し、全員無事に14時発のバスで穂高駅に到着。15時22分特急あずさで帰路に。 ともかく、山岳事故にならずに無事に帰れたのは全員の協力のお蔭だ。一人でも自分の都合のみを主張をするものが居れば、リーダーはその場で、グループを解散してでも弱者の生命を守るのは、当然の山登りのルールだ。 「事故者一人の為に、全員が自我を捨てて協力する」からこそ同行者の強固な連帯と相互信頼も生まれる。この点で、商業ツアーとは根本的に異なる。

    (注)行程時間は、上記事情により大幅に予定をオーバーしている為、参考にならないので省略。

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