一日目10/6(日)
三貴也さんの準備した車内クイズ大会。気が付けば東北道白石インターから蔵王エコーラインの頂上刈田峠に。ここから1300円の有料道路で噴火口の「お釜」を見に行くが想像通りの時折小雨がぱらつく。反対側に聳えているはずの屏風岳などどこにあるかもわからない。早々に切り上げてチェックイン1時間前にもかかわらず嫌な顔ひとつしない「国民宿舎 竜王荘」につく。ここは以前健ハイで使った気安いところ。ほかに中高年の3組が泊まっているが物音もしない山の温泉だ。ともかく宿は空いているのがいい。宿のある山形側では時折晴れ間が。山形側と宮城側では天気がまるで違う。蔵王山塊は大きなエリヤだが、天候は峠で区切られている。
温泉街や「鴨の谷地沼」を散歩するグループと温泉を出てすぐに浴衣でビールのグループに自然にわかれる。持ち込んだビールとつまみで温泉後のゆったりした時間を夕食の時間まで過ごす。これで終わりかと思う頃また料理が続く。客慣れしていない素朴な従業員がかえって新鮮。9時前に就寝。
二日目10/7(月)
翌朝、4時に温泉に入り部屋でお茶を飲みながら歓談。将来の老人ホームの朝の高齢者日課の訓練をする。雨具をつけて8時30分始発で蔵王ロープウエー1400円に乗車。どこから出てきたのかほかの乗客も乗り込む。音もなく上に上がる毎に雲を抜ける。10分程度で抜けるような雨上がりの空のもと見事な赤、黄色、青の織り成す紅葉の世界。語彙が不足してこうとしか表現できない。蔵王は森林の境界が樹種ではっきりしている。蔵王温泉がはるか下。思ったよりも深山にある。遠く米沢だろうか朝の光に浮かんでいる。山頂駅周辺は快晴、心地いい風。適度な気温。絶好の登山日和だ。さっそく雨具を脱ぐ。昨日まで「俺がいるから雨になった」と萎れていた人が急に元気になり、「最近は違うのだ」と意見を変える。なんでも願い事がかなうという巨大な坐像の「蔵王地蔵尊」にお参りして出発。ほとんど木道の幅広い良い道を選んで歩くと自然に地蔵山1736mを迂回して一路「熊野岳1841m」に向かう。
ワサ小屋跡の怖い顔した「山姥」の片膝ついた石像を横目に通過して、なぜかここだけ「熊野岳近道」のわかりにくい標識に従い、ゴロゴロの岩山登りになる。ペンキの白丸を探しながら30分。熊野岳の鳥居が見えてきた。高い風よけの石塀に囲まれた山頂1841mの蔵王山神社だ。遠く三角形の辛いのぼりを思わせる「不忘岳」が姿を現した。快晴で天は青?く高い。これから行く「馬の背」がのんびり横たわっている。地蔵山を巻いたので、時間もあり、寄り道して避難小屋方面に進む。尾根道は自動車道くらいの幅。避難小屋から岩だらけの道を下れば「馬の背」で、観光客が運動靴で来るところだ。
刈田岳のレストハウスを正面に、左は「お釜」のはずだがそうは簡単に見えない。しばらく「馬の背」とは名ばかりの広い道を行くと、突然はるか崖下に、「お釜」が。なんという色だろうか。コバルトブルーを基調としているがそんな簡単な色ではない。湖面に雲がかかるとそこは深い海底の色で、反射しているところは南洋のサンゴ礁に打ち寄せる波の色。なにしろ、今まで岩ばかりの無色の中を歩いて来た眼に、突然こんな色が出てくるのだから歓声が自然に上がる。周囲は火口独特の風景で荒々しい。もちろん樹木などない。「五色岳」を背景に今にも崩れそうな痩せ尾根の岩山に囲まれている。快適な風景が続き「馬の背」も終点近くなると、観光客があふれ登山支度の人間はまれだ。
あらかじめ山頂の駐車場に待機してもらった車に乗り、蔵王エコーラインの右左の紅葉に歓声を上げながら下る。昨日立ち寄った道端の土産やで、休憩、昼食。東北自動車道では、各人の好きなことを話す。ともかく時間はあるので。高齢者の事や、自分の生き方など範囲が広がる。疲れたころすっかり暮れた二俣川の農協裏で解散。
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