No.278 房総「高塚山」山行記録(2012年1月18日(水)快晴)

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照葉樹林の鬱蒼とした森を背景に、青銅色の軒深い寺の屋根。本堂を背に石段の向こうに、僅かな集落越しに房総の早い春の海がきらきらと輝き沖行く船はいつの間にか消えていく。 takatuka-11.jpg

引きとめられて出してくれた渋いお茶を寺の縁側に座っていただく。立ち寄っただけの私達に寺の奥さんは、館山からお嫁に来た昔のことを笑いながら話す。足元では、三毛猫が大きなあくびをしている。山を降りたここ長性寺は観光と程遠い房総の村の中にひっそりと生活している。

takatuka-02.jpg千葉の山は分かりにくい。標高が高くない分、地形が複雑で、道を外れれば山は思ったより急峻だ。どこでも歩けると安易に考えてはいけない。

車を「道の駅ちくら」にとめ、品物のほとんどない商店で僅かな食べ物を調達して、物音もしない集落を横切り、七浦小学校の横を大聖院に至る。ここからは鬱蒼と影をなすマテバシイの森の中を登る。左下に木の間隠れの小さな溜池を過ぎ、ベンチで休息。立派な富士登山記念碑があるが、ここから昔は、遠く富士が見えたに違いない。

takatuka-04.jpgほどなく新しい、石鳥居を越えれば高塚不動尊の奥の院の古い建物がある。多くは、朽ちているが、石造りの仁王は風神雷神なのになんとなく微笑ましい。

不思議な事に高塚山頂の標識を探すがみあたらない。その上ここから先の道は、あまり歩かれていないようだ。地元の集落の方の信仰心で、奥の院に来ることが目的で、山頂に意味はないのだろう。

takatuka-05.jpg下りは、先ほどの鳥居をわずかに過ぎて見つけにくい(長性寺方面)道標に従い左折する。道は、椎の木の落ち葉のゆったりした気持ちのよい道で、ほどなく大きな溜池が左に見えてくると、登山道は終わり、コンクリートの急な坂を下り、畑といくつかの人家を横切り、先ほどの長性寺に至る。

のんびりとあえて畑中の道を選びながら、静まり返った集落を行くと、花畑におばあさんが腰をかがめて花を摘んでいた。「いい花はない」となかなか譲ってもらえなかったが、無理を言ってその農家に案内されて花を譲ってもらう。明日出荷のために束ねてあり、ひと束値段は40円でいいという。悪いから50円で買ったが、大変な苦労を申し訳ないとの思いを後にする。

takatuka-08.jpg観光客で賑わう「道の駅」でお土産等を買ったが、やはり、あのお寺や、あのおばあさんが醸し出す房総の温かさは旅の醍醐味として忘れられない思い出に残るに違いない。




  • 参加者 :(7名)勝巳、才美、憲治、貞子、伊久枝、幸子、吉生
     リーダー:勝巳、憲治   運転者: 憲治、吉生   会計:貞子
     (記録:才美)
  • takatuka-09.jpgコースタイム
    二俣川出発6時30分――久里浜8時20分発――フエリー――金谷港9時着――道の駅ちくら――七浦小学校10時――高塚不動鳥居――高塚不動奥の院(高塚山山頂)10時40分――長性寺分岐11時40分――昼食――長性寺12時40分――高皇産霊神社13時15分――おばあさんの家花買い物――道の駅ちくら着14時――金谷フエリー乗船16時20分――久里浜着17時(解散)――二俣川着17時50分
  • 費用約5000円弱
      takatuka-13.jpg takatuka-12.jpg

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