昨夜来の雨があがって、ひんやりとした空気の中、梁川駅に11人の面々が勢ぞろい。駅から左方向へ歩き出す。「雨がやんでよかったねー」とか「久しぶりで大丈夫かしら」とか、例によっておしゃべりがはずむ。リーダーの不安も知らぬげに(でも結果的に、このコースの方がよかったのだ)。
予定では梁川大橋を渡って、立野峠から目的の鳥屋山に登ることになっていたが、一つ下の塩津大橋を渡り、寺下峠から逆ルートで登ることになった。
寺下峠への登山口からのぼり始める。樹木の匂いがする。あーいいなー。細くアップダウンの続く道を行く。「低山ながら侮れない山」を実感する。だんだん話声も途絶えがち。で、この道を下るのはかなりきついよなーと納得。
寺下峠につく。尾根道は雑木林のあかるい道だが、かなりの登り。舟山の山頂で休憩、早めの昼食。鳥屋山を目指す。何回かのアップダウンののち頂上に到着。山々がこんもりと重なり合って緑の三角形を形作って連なっている。山の深さを肌で感じた。目を挙げると、真っ白な富士山が。声もなし。
さて、「あと一登り降りすれば細野山、頑張りましょう」とのリーダーの声と、富士山に 励まされて元気良く返事をして歩きだす。が、ガーっと降りて「アーもったいないせっかく登ったのに」。また登る「今度は細野山かな」。どうも違うらしい。あの世で細野さんが笑ってるよなどといいながらひたすら歩く。もういい加減すがたを現してよと言ってるうちに立野峠に到着。細野山の標識を見落としたのだ。ひゃひゃ、やっぱり細野さんらしいねとまたまた盛り上がる。
立野峠から下る。かなり足場は悪い。うっそうとした杉林、いくつもの沢を渡り、ごろごろした石を飛び越えて。ここが、関東の水源になることがわかるほど、豊かな水量の川が、時に滝になり、時によどみを作り流れていく。
駅に着く。何と3時前。2:58発の東京行き中央特快に乗る。これは1日に数本しか通らない電車だそうで、私たちはとてもついていると気さくなおばさんが説明してくれた。彼女は、地元の観光案内(ラフティング がいいそうだ)をしたり、この電車を使って東京へ介護に通っているとかにぎやかに話してくれた。乗客は私たちだけ。ゆったりとくつろいで高尾駅での乗り換えもなく、帰宅の途に就いた。
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