No.258 雲取山(2,017m)山行記録(2010.11.17--18)

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Kumotori_1.JPG(記録担当 世義)

【第1日】11月17日(水)曇り

 今年最後の山行、ちょうど紅葉も見ごろになっているだろうと期待に胸を膨らませて参加する。埼玉、山梨、東京の1都2県にまたがり、日本百名山の一つで東京の最高峰でもある雲取山に登れると思うと、なんとも気持ちが高ぶってくる。

Kumotori_2.JPG 西武秩父まで電車を乗り継ぎ、駅前から一日に3本しか運行していない三峰神社行きバスに乗る。

 約1時間10分バスに揺られる旅、早速荒川沿いの紅葉が目に飛び込んできた。結構見ごたえがあったが、カメラに収めることが出来ずに残念であった。バスを降り準備を整え10:30登山開始、標高は1100m。鳥居をくぐった所に入山名簿の記帳所があり勝巳リーダーが記帳。その脇に遭難尋ね人の写真があり、「簡単な山だと思って馬鹿にしちゃいけないよ」と我々を戒め、気持ちを引き締めさせてくれる。

Kumotori_3.JPG 11:10最初の休憩、靴の紐を締め、水をシッカリ補給する。ブナ、ナラ類の「落ち葉ロード」を登る。途中炭を作っていた窯跡があったり、この山の見どころの説明看板が掲げてあって結構楽しめる。落葉ロードの次は「ホワイトロード」になり積雪が続く。下山途中のピッツバーグから日本にきて4年になると言う日本語ペラペラの青年が、上はアイゼンが必要かも知れないよ、と云ってくれた。

 12:30最初のポイント、標高1500mの地蔵峠に到着。雪の積もったベンチに敷物を敷き、冷えないようにとそれぞれ工夫をして昼食を取る。登山口からここまで400m登るのに2時間かかった事になる。

Kumotori_4.JPG リーダーの指示で足元の汚れと保温のためにスパッツを着ける。霧藻ヶ峰というピークを抜けると左の壁面に三笠宮殿下と妃殿下のレリーフがあった。両殿下はこの地名の命名者なのだそうです。昭和8年のこと。

 13:30お清平を通過して休憩、前白岩の肩付近はツガ、シラビソの原生林でこの辺りから積雪があり、まさにホワイトロード。とても綺麗で晴れやかな気持ちと緊張感で山登りを楽しむ。

 14:30前白岩山1776mに着く。山の気候は変わりやすく、ガスが立ちこめてきて周りの雪をかぶった木々がまるで幽玄の世界を感じさせる雰囲気になる。無人の白岩小屋を通過し、15:30当面の目標地点、白岩山(1921m)に到着。ここで休憩。アップダウンを繰り返す変化にとんだ登山で、皆さん笑顔、元気一杯?で楽しい。

Kumotori_6.JPG 樹氷が続く。蔵王の樹氷と比べると貧弱だが、ツガ、シラビソに出来た霧氷が落ち葉の上に落ちてキラキラと輝き、伊久枝さんは「クリスタルロード」と命名。何ともすばらしい光景だった。上を歩くとシャリッシャリッと奏でる音がなんとも楽しい。貞子さんが「この辺は東京の水源地らしいけど、水道はどこにあるの?」との問い掛けに、誰も答えられなかった。

 芋の木ドッケに着いた。これはコシアブラの木の多い出っ張りのある峰のことで突起のある場所と言う事だそうだ。雪の積もった木の階段があって滑らぬように注意深く降りる。暫くはクリスタルロードを楽しむ。

Kumotori_7.JPG 16:30大ダワ(山と山の間の鞍部のことだそうです)着。暗くなってきたので懐中電灯を用意するようにとのリーダーの指示で準備をする。

 16:50やっと今晩の宿泊地雲取山荘に到着。最後の上りは結構きつかったが、誰も弱音をはかないので私も辛抱して歩いた。山荘に着いたら我々を追い越していった若者が山頂まで行って来たと云っていた。

 2階の8畳ほどの向かい合わせの部屋が割り当てられる。真ん中に炬燵があり、回りに3人分の布団を敷いてしばらく休憩。夕食は6:00から。アルコール類は抜き。

 食後、リーダーから予定の下山ルートは北斜面で凍結している可能性が高く危険なので、山頂から南面を下って鴨沢に抜けるルートを下ることにしたいとの提案があった。何もすることがないので、明日の晴天を祈って就寝、7時にはおやすみなさい!

 皇太子殿下も2度ほど宿泊したそうだけれども、我々と同じ食事をしたのだろうか等と思いながら眠りに入った。

【第2日】11月18日(木)曇り、晴れ

 4:30起床準備を整え外へ出てみると満天の星空。宿の人が気を利かせてくれて、定刻より早く朝食を済ませ、水をもらって、外へ出てみたらすっかり霧に包まれていて一寸がっかり。

 5:50懐中電灯を準備して宿を後にした。凍った雪に足をとられないように用心しながらゆっくりと登り、6:30雲取山頂(2017.1m)に到着。全員で記念写真を撮る。昨日の疲労はすっかりとれ、若さを取り戻した生き生きとした顔でした。

Kumotori_9.JPG 10分も下った所に避難小屋があり、天気も回復しつつありご来光を迎える事が出来た。路面はガチガチに凍っていたが、小屋に掛けてあった温度計は7℃を指していて暖かさを感じる。

 再びクリスタルロードを楽しみながら下山開始、右手に三峰神社から登ってきた稜線が眺望できて、よく歩いてきたねと誰かが言っていた。

 幸運にも雲の間から富士山が一瞬顔をのぞかせてくれた。

 目指す七ツ石山を見下ろす所で休憩。手前に五十人平のヘリポートが見える。笹原の道を下り、奥多摩小屋の横を抜けるとヘリポートの脇に出る。輪切りにした丸太を並べて大きな円とその中にHの文字が描かれている。

Kumotori_10.JPG 七ツ石山手前のブナ坂から右へ巻道をとる。この辺りからまた落葉ロードに入る。木橋を渡りコナラ、ミズナラなどの落ち葉のジュータンの上を気持ちよく下山。標高1000mの所まで来ると赤や黄色等の紅葉が目を楽しませてくれる。

 10:30一面厚みのある落ち葉の広場がありここで休憩、軽食をとり水を補給する。鴨沢まで1時間5分の看板がある。もう一踏ん張りだ、山々の紅葉を楽しみながら下山を続ける。疲れが和らぐような気がする。

Kumotori_12.JPG 左手の谷底に見える小袖という集落に降りる急坂の道をとり、舗装道路に出る。現在11時、まだバスの時間にはたっぷりある。暫く歩くと舗装道路は左に大きく湾曲し、鴨沢近道の標識を直進する。落ち葉の道が続き、やがて下の方に奥多摩湖の水面が見えてくる。

 登山道が切れて舗装された道に出た所でリーダーから「もうスパッツも杖も要りません、仕舞ましょう」と声がかかり、身支度を整え直して降りる。鴨沢バス停に到着したのが12時。次の便は2時22分。

 まだ時間が早いのでどこか食事のできる店はないかと探したが、この辺には無い。次の停留所まで行こうと歩き始めた頃から雨が降りだした。なんと運の良い事だろう、もしあの下りの急坂で雨にあっていたらとぞッとする。

Kumotori_13.JPG 次のバス停、留浦(トズラ)でも店は本日休業、店のおばさんに連絡先を聞いてタクシーを呼び、バス停の軒先を借りて待つ。25分かかるというのが30分すぎても来ないので、再度電話しようとしたところにタクシーが到着。幸運にも6人乗りのジャンボタクシー。全員が乗り込み、湖岸の紅葉を楽しみながら奥多摩駅まで運んでもらった。13:30到着。

 ここから拝島までの電車は1時間に2本。14:13発に乗ることにして、それまで駅舎の2階の食堂でそれぞれ食事を取った。

 今回の山行は登りが6時間20分、下りが5時間40分の長丁場でかなりきつかったが、全般に緩やかな傾斜で、積雪のあるホワイトロード、寒さで作り上げたクリスタルロードそして落ち葉が織り成す落葉ロードと、さまざまな変化のある贅沢この上ない登山だった。雲取山登山は思い出に残る1ページになることと思う。それにも増してこのきつい行程を一人の故障者も出さず、全員無事に踏破できたことは、リーダーの綿密な計画立案と実行力によるものと、改めて感謝したい。

  • コースタイム(着/発)
    • 【第1日】11月17日 計6時間20分
      西武池袋駅(/7:30)――西武秩父駅(8:58/9:10)――(バス)――三峰神社登山口(標高1100m)(10:20/10:30)――地蔵峠(標高1500m)(12:20/昼食/12:40)――霧藻ヶ峰(標高1523m)(13:00)――お清平(13:30)――前白岩山(標高1776m)(14:30)――白岩山(標高1921m)(15:30)――雲取山荘(標高1900m)(16:50/)――夕食(18:00)――就寝(19:00)(宿泊)
    • 【第2日】11月18日 計5時間40分
      雲取山荘(標高1900m)(/5:50)――雲取山頂(標高2017m)(6:30/6:40)――小雲取山――奥多摩小屋――ブナ坂分岐(標高1650m)(8:20)――堂所(標高1140m)――小袖集落(標高800m)(11:00)――鴨沢バス停(標高600m)(12:00/)――留浦(トズラ)(12:20/12:50)――(タクシー)――奥多摩駅(13:30/14:13)――拝島駅――立川駅(15:30/)(解散)
  • 京王タクシー(6人乗り)4940円 Tel:0428-83-2158
  • 万歩計による歩数
    三峰登山口--雲取山荘 22423歩
    雲取山荘--鴨沢バス停 22665歩
  • 参加者
    勝巳、才美、伊久枝、貞子、世義、昭、以上6名

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文章を気持ちよくまとめて頂きまして有難う御座いました。 タシロ

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このページは、akirafが2010年11月23日 10:30に書いたブログ記事です。

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