座席は3列で、隣とは全席離れていて、大きくリクライニングして、足置き場も上がるし、座席部分も延長でき、なかなか良く考えられている。毛布もあり、スリッパもあるので、登山靴を脱いでゆっくり眠れる。飛行機のエコノミークラスよりずっと快適。まぁ、眠れるか眠れないかは個人差があるとして、環境的には、よく出来ていると感心する。翌朝、8時の到着予定だから、10時間半の乗車予定。ほぼ満席だったが、順調に走り、終点の田沢湖まで行くのは、我々のみで、最後は勝巳さんのお人柄と交渉で、予定よりなるべく早く着くように運転手さんにお願いして、7時30分に田沢湖駅到着。
8時15分発のバスで、「アルパこまくさ」経由、車が交差できない細いくねくね、車酔い道を走り、秋田駒ケ岳8合目登山口9時14分、到着。カーブの数は60。
着替えなど山に必要ないものを小屋のコインロッカーに入れ、曇り空の下、「これ位が涼しくていいね」と、登山開始。早速、ウスユキソウらしきものが沢山咲いていて、あまりにも多いので、「有り難味がない」とか、「ナントカウスユキソウかも知れない」などと悪口を言いながら進む。
なだらかな登山道沿いには、ツリガネニンジン、ナンブタカネアザミ、ダケブキ、オニオシモツケソウ、ニッコウキスゲ、カラマツソウ等が咲いている。暫く行くと、鉱山の様に何も生えていない、硫黄やガスが吹き出ているのではないかと思わせるような、灰色の岩肌の所があり、ここが火山である事を実感。谷にシシウドの群生。
片倉展望台でかなりの強風の中、朝ごはんのような、軽食を食べる。雨が降らなくて幸い。ウメバチソウ、アザミ、ツリガネソウ、 イワカガミ、チングルマ、ニッコウキスゲ、ダイモンジソウ、キリンソウ、とても小さなミヤマリンドウ、ハクサンチドリ、シロバナトウウチソウ(かわいいピンクで誰かが猫じゃらしか?と言っていた!)等を見ながら、分厚く立派な木道(秋田杉だから?)を渡り、右手に男岳を見て、10時30分、阿弥陀池到着。
そこは、やはり火山だから、と言うべきか、池の周りは砂で、曇り空でもあり、何かオドロオドロしい、宗教的な雰囲気。阿弥陀とは仏様の事と思うけれど、極楽浄土、と言う雰囲気ではない。記念撮影をして、池をぐるりと廻って避難小屋に到着。
少し雨模様になったので、合羽を着て、男女岳に登る。雨はほとんどないが、凄い強風。「一体風速何メートル?」と言いつつ、吹き飛ばされるのではないかと思いながら、足を踏ん張って、ゴロゴロ岩、その後は整備された階段を登って、11時1637mの山頂に到着。
強風と霧のため、視界がどんどん変わるが、向いに雪渓を発見。背景真っ白の記念撮影をして、下山。山頂から見えた雪渓の方に行ってみる。谷が変わるとお花も変わって、チングルマ、ウサギギクなどが加わり、雪渓の上を歩いてみたりして遊んで、12時半、来た道を引き返して下山。
片倉展望台で、昼食を取り、往路には見落とした、シャクナゲ、シオガマ、ハクサンチドリ等発見しながら、1時20分八合目登山口に到着。この頃、雨が激しくなり、バスに乗る時には大降り。田沢湖駅に戻り、明日の焼石岳登山のために、15時44分発の田沢湖線に乗り、盛岡乗換えで、水沢に向かう。
田沢湖線は、盛岡--秋田を結んで東北地方を横切るローカル線で、特急も走るが、両側に木々が迫るような狭い谷間を走り、列車が行き違う為の場所があって、駅でもないのに列車が止まって、特急待ちをしたり、とても面白い。私達が乗車した次の日は、大雨でどうなったのか、一日中不通になっていた。
盛岡で、東北本線、一の関行きに乗り換えて、18時09分、予定どうり水沢着。宿の送迎車で、小沢一朗氏の地元の水沢の町をどんどん通り過ぎて、30分も走り、周りが牧場とゴルフ場の、今日の宿、永岡温泉「夢の宿」に到着。
今日はお天気が不安定で、時々嵐のような雨、風であったが、私達は幸いにも外にいる間大雨に会うことはなく、全くラッキー、と言うしかない一日でした。宿は、源泉かけ流しの、とても良質の温泉で、元々湯治場であったようで、お食事も美味しく、隣はゴルフ場で、お値段を考えれば、とてもお奨めの宿でした。
- コースタイム(着/発)
横浜駅西口(21:20/21:35)――(夜行バス)――田沢湖駅(7:30/8:15)――(バス)――秋田駒ケ岳8合目登山口(9:14/9:30)――阿弥陀池(10:30)――男女岳(11:00/11:10)――阿弥陀池(11:30/12:30)――駒ケ岳8合目登山口(13:20/14:05)――田沢湖駅(15:04/15:44)――盛岡駅(16:46/17:00)――水沢駅(18:09/18:15)――永岡温泉「夢の湯」(18:50/)
【第3日】
7月30日、焼石岳登山の予定であったが、お天気が不安定でしかも大雨注意報が出ているような状況だったので、登山は中止。さてどうしようか、ということで宿の人にいろいろ教えてもらい、あまり来る機会もないであろうから、この際、水沢を徹底的に観光して、水沢の美味しいものを食べて帰ろう、ということになった。
良質の温泉に入って、朝もゆっくりお食事して、9時半に宿の車で歴史公園「藤原の郷」へ送ってもらうことに。途中、宿の近くの「駒ケ岳高原展望台」へ。この辺り は、前沢牛や小岩井乳業などがあることから分かるように、牧畜が盛んで、それらは「国営駒ケ岳山麓地帯開拓パイロット事業」によって切り開かれたようで、そこに記念碑があった。「藤原の郷」は、平成5年に開設された、奥州藤原氏、初代清衡公の偉業を顕彰し、古代から中世にかけての東北の歴史文化を体験できるテーマパークで、約20ヘクタールの敷地に大小さまざまな役所や屋敷、町並み、などを復元していて、NHKの大河ドラマも多くをここで撮影しているらしい。
大和朝廷が776年、北方経略政策を開始するまで、ここには縄文時代から「蝦夷」と言われる人たちが豊かに暮らしていて、政府軍と蝦夷軍の戦いの後、敗れ、中央朝廷に組み入れられ、その後、藤原清衡が奥州を制覇したとのこと。個人的には、横に長い見張り台と見張り小屋が付いた、東北独特と言う「城柵」が興味深かった。ここで1時までゆっくりと東北地方の歴史のお勉強。東北地方について何も知らなかったことをしみじみ実感。
その後、隣町が牛肉で有名な前沢なので、お昼は前沢牛を食べよう、という事で、「藤原の郷」の送迎車に無理を言って、ルート外になるレストランまでタダで送ってもらって、前沢牛のすき焼きの昼食。すき焼きの中に大きな肉団子が入っていたのは、お値段のせい?レストランにお願いして、ザックを預かってもらい、出発までの時間を郷土の偉人、高野長英、後藤新平記念館へ行くことに。「高野長英(幕末の蘭学者)記念 館」で、郷度愛に燃えるスタッフの説明が長くて、「後藤新平記念館」に行く時間はなくなり、ザックを受け取って、タクシーで江刺水沢駅へ。16時38分江刺水沢発、19時08分東京着の新幹線で無事に帰りました。
2日目は雨の為、焼石岳には登れませんでしたが、皆さん、夜行バスの疲れもあり、前の週の四阿山もあり、更に、次の週には立山も控えている事もあり、今回は、ゆっくりと温泉で休養できて、結果的には良かったのではないでしょうか。有難うございました。
- コースタイム
永岡温泉「夢の湯」(9:30/10:40)――「藤原の郷」(13:00/13:20)――「ささ忠」前沢牛レストラン(14:30/14:45)――「高野長英記念館」(16:00/16:20)――江刺水沢駅(/16:38)――東京駅(19:08/) - 参加者
善右衛門、勝巳、才美、邦子、憲治、達也、茂子 計7名
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