No.236 荒船山(1423m)山行記録(2009.9.26)

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Arafune_01.JPG(記録担当 勝巳)

 集合時間は全員正確。若いころのような「これから出発」という、胸躍る喜びがなす饒舌はない。車2台に分乗。下仁田インターから一般道で順調に内山峠に至る。駐車場はすでにほぼ満車状態。近郊のナンバーが多い。

Arafune_02.JPG 直前に、漫画家が事故死したこともあり、登山口に花が供えられている。クマ注意の看板は古びているが、「台風により道が崩壊」との注意看板は派手。

 道は広く、簡単な上下を繰り返し、なんとなく高度を稼ぐ。もともと、標高1000mもの峠から1400mへの登山。すでに下山する人とすれ違う。たぶん艫岩(トモイワ)の滑落事故現場までの人たちだろう。その証拠に、ほとんどが運動靴。リックもない人もいて登山姿が浮き上がってしまうほどだ。

Arafune_03.JPG 一杯水というどの地図にも載っている艫岩直下の水場は枯れている。この時期の水場によくあることだ。それにしても、水場解説の立派な看板があるのに、まったく水が枯れ、しかも汲みに行くルートも不明。なんとも不思議な水場である。

 艫岩はやはり絶景だ。このあたりの山は有名な山などなく、群馬、長野の県境をなす山並みの大群が俯瞰できる。落差100mはあるだろう。途中の登山道にはガードレールすらあるのに、この絶壁の端には柵もない。覗き込んでいて滑落は今後も出るだろう。引き込まれそうだ。やはりここにも花と水が供えられていた。

Arafune_04.jpg 経塚(行塚)山頂はここから1時間弱の行程。意外なほどの道のりで、山頂の全体がこれだけの長さという荒船山の面白いところだ。この山は実に変わった風貌。絶壁に囲まれ広く長い山頂は遠くから見てもすぐわかる。ギニヤ高地を想像すればいい。光の当たり方により不気味な山に化ける。しかし、山頂の経塚山までの道は実にのどかで、平坦でここが絶壁の上にいることなどまったく想像できない。森は初秋の空にゆったり構え、低いササやぶの奥はどこまでも深い森をなしている。

Arafune_05.jpg いくつかの登山道が現れては消える。昔この山に登るのは一泊するのが普通だった。ともかく交通の便が悪く、信州川の荒船神社の軒下を借りてテントを張り、この山を越えて群馬県側の下仁田行きのバス停があるところまで歩いた。今では、内山峠からの車の往復登山がもっぱららしく、ほかの道の多くは草に埋もれていて往時の面影はない。道標の整備は遅れていて肝心のところにないこともある。登山対象の山らしくなく、なにかちぐはぐだ。

 

Arafune_06.JPG 面白い山頂という点では、艫岩から300mぐらいのところに水場がある。もちろん飲める。こんな岩山の山頂にチョロチョロだが飲める水が出ているのだ。初めてこれを知った時は本当に驚き、歓声をあげた。近くの避難小屋も少し荒れている。入口はどういうわけか締め切られ、トイレは男性用のみ使用可能のようだ。

Arafune_07.jpg 帰りは同じ道のためそれほどの変化はない。車で来るとどうしても往復になり、登山のだいご味の半分は削減される。いろいろなコースを歩くことで一層その山に親しめる。それにしても、この山では、車は便利この上もない。

 内山峠の駐車場には15時30分着。ゆっくりした山だった。帰りのお駄賃に内山牧場の大コスモス園に立ち寄る。期待以上の美しさだ。広さと、隆起をうまく利用した花園と、今が満開のコスモスと、秋の夕暮れの優しいひかりと、風。登ってきた荒船山が一望できる満足感。この風景は実にいい。しかも無料だ。

 帰りは、多少の渋滞はあったが、二俣川に21時ごろ到着。あす長崎に仕事で行く孝儀さんに運転をお願いし、こんな時間になり申し訳なく思う。やはり、負担になることだろう。紘正さんも運転で疲れたはず。ご苦労様でした。

 途中、最近山行に参加できない人が増えてきたとの話が出る。年とともにありうることで、ずいぶん前からこの状況を想定して登山一本にせず、登山でも変形を試みたり、旅行に近い旅を増やしたり、サロン活動の充実も図ってきた。なんとかせっかくの仲間が、いつまでも楽しく参加できる会でありたいと思う、夕暮れの光が流れる街並みを見ながらそんなことを思った山行だった。

 
  • 参加者
    三貴也、孝儀、勝巳、才美、紘正、邦子、世義、きみ子、昭、幸子、以上計10名
  • コース:(着/発) 徒歩5時間30分(行き帰り同じ道往復)
    二俣川JA前(/6:30)――内山峠(/10:00)――艫岩(11:40/昼食/12:10)――経塚(行塚)山山頂(13:00)――内山峠(15:30/)

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このページは、akirafが2009年9月28日 10:34に書いたブログ記事です。

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