No.219 三国峠越え(2008.11.6-7)

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Mikuni_1.JPG【1日目】 11月6日(木)

(記録担当 多摩江)

 一週間程前の天気予報では、二日間共雨模様であった筈が素晴らしい秋晴れの一日となった。JR上越線後閑駅に降り立ち、タクシーに乗り換え、三国トンネルを通り新潟県側の三国路自然歩道入口(上信越自然歩道)迄行く(11:00)。

Mikuni_2.JPG これから歩く三国峠は三国街道の名前の由来となった峠であり、表日本と裏日本を最短距離で結ぶ三国街道の最大の難所であった。北国大名の参勤交代や佐渡金山からの金の輸送、更には越後米の流通に大きな役割を果たした。三国路自然歩道新潟側登り口から、永井宿迄を歩く。

 気温も上がり、風も殆どなく絶好の山行日和となった。身支度を整えて三国峠を目指す(11:10)。三国権現御神水の所で最初の休憩。水飲み場はこれ以降も数箇所あるようだ。

Mikuni_3.JPG 陽だまりを歩いているようで、身体から汗が流れ落ちるのがわかる。楓の紅葉が黄色に筆で悪戯っぽく赤色を所々塗って遊んでいる様な不思議な様相である。又、黄色だけだったり、真っ赤だったりもするが、それらが透き通るような青空に見事に映し出される様は見事という他はない。その美しさに何もかも洗い流されるようである。

 三国峠(11:50)に着き、昼食をとる。御坂三社神社(三国権現)がある。この神社は上野赤城明神、信濃諏訪明神、越後弥彦明神を祀って上野国、信濃国、越後国の国境とした神社である。

 三国峠を出発(12:15)し、落葉の広い、歩き易い道を宝岩、くぐつが谷(三国峠最大の難所。水場の滝がある)、駒返し(馬頭観音がある。)そして長岡藩士墓(12:50)に至る。1740年2月5日長岡藩士永井磯七他7名が峠近くで雪崩に会い遭難した。冬の三国峠の恐ろしさを象徴する墓である。ここより5分程行くとトイレがあり、ここで休憩(13:00)。

Mikuni_4.jpg 三国峠、一方は永井宿の標識がある。唐松の黄色は、山全体を引き締める様にそして楓と調和しながら秋の山に素晴らしい彩りを添えている。小春日和の道を真っ青な空を眺めながら歩いて行くと、足取りが自然と軽やかになる。晶子清水(与謝野晶子が駕籠で峠を越えた時、この清水を手で漉くって飲んだ。)を通り、更に三坂茶屋跡、三足富士を過ぎると大般若塚に着く(13:55)。

 大般若塚は三国峠に出没する妖怪変化を封じる為に、法師温泉から三国街道に通じる百曲がりあった坂道を百という数は妖怪を招くというので九十九曲がりにし、この周辺で命を亡くしたと思われる人達の名を河原の小石に記して埋め、その上に「大般若埋趣分一万座供養塔」と刻んだ塔を宝暦3年に建立した。又、この場所は戊辰戦争の前哨戦といわれる三国戦争の古戦場である。近くには吉田善吉の墓がある。

 この辺りから唐松の落葉の絨毯道となり、足の裏が心地よいクッションに一息ついている。風返り茶屋跡(三国山から風を真正面に受け、風を法師谷に反らせることから。)を通り、遠見に至る。遠見は眺望の良い所で後方に赤城山、沼田、左に榛名山、その左に信州の山並みが望める。金堀り坂を過ぎ、中部北陸自然歩道(15:20)の標識のある舗装道に出る。一般道を歩き2?3分で中部北陸自然歩道入口の立て看板を見ることが出来る。そこを入ると永井宿である。

 昔の宿場の面影を残した家が並んでいる。永井宿郷土館(15:30)に着く。郷土館は休館である。ここでタクシーを待つ。タクシーで(15:40)出発し、今夜の宿である猿が京温泉のホテルシャトウ猿が京に行く(15:50)。

 一休みした後、温泉に入り、18:10より夕食となる。蟹食べ放題のバイキングの食事である。その後部屋に戻り反省会をして、10時には床に就いた。

 

Mikuni_5.jpg【2日目】11月7日(金)

 

(記録担当 勝巳)

 前日の冷凍「蟹の食べ放題」ですっかり冷え切った体も、早朝の露天風呂で暖まる。今日は、健ハイ始まって以来の「サイクリング」である。

 「たくみの里」は猿ヶ京温泉の宿から5km程度の所にある山中には珍しい平坦な村落である。もとは「須川宿」という三国街道の宿場であったところを新治村(現在は水上市)が観光化した。旧家屋や、群馬の農家風情が干し柿の縁側を背景に、やがて来る雪の前の最後の輝きの秋の風景としてそれだけで色彩に満ちている。遠く国境の山々をこれから三国峠の難所を越える旅人はこの宿場で不安な一夜を迎えたことだろうが。

Mikuni_6.jpg 天気は予報と違って快晴に近い。風もなく温か。一日500円の自転車を借りて出発するのだが、中には子供のころに乗ったことをすっかり忘れた人がいたり、最近でも危なっかしい人もいるのでしばらくは広場で大騒ぎして自転車教習。どうにか、よたよたと8人が出発する。それこそ、「青い山脈」の映画の場面みたいに情景だけは出来上がっていて、美しい。白い秋の光り、流れる雲、遠い紫の越後の山、集落を囲む秋深い山並み、落ち葉焼く煙立つ農家、菊の香や、たわわな赤いリンゴ畑。乗っている人も思わず50年は若返る。その証拠に、途中で孫をおんぶしたおばあさんが「あんたがた若くていいねー」と牛小屋の前でおっしゃってくださった。元気百倍といえばそうでもあるが、わずかな坂に来たら、お手上げ、名刹「泰寧寺」に着くころはふらふらして田んぼに落ちそう。それでも路傍の野仏を訪ねるサイクリングは何ともすがすがしい。リンゴ園のリンゴを食べ、七宝焼きを買い、ずいぶん「たくみの里」をお騒がせしたが、広大なこの風景に何もかもが融け込んで、8人の青年男女などまったくないに等しい。

 なんとこの秋の空と風は大きく黄昏の我らにやさしいことか。

  • 日時 2008年11月6日(木)--7日(金)
  • 参加者
    孝儀、多摩江、美保、勝巳、才美、伊久枝、邦子、幸子、以上8名
  • コースタイム(着/発)
    •  【1日目】
      後閑駅(10:08/)――(タクシー)――三国峠トンネル入口(11:00)――三国峠(11:50/昼食/12:15)――長岡藩士墓(12:50)――三坂茶屋跡(13:10)―― 大般若塚(13:55)――永井宿(15:22)永井宿郷土館(15:30)――(タクシー)―― 猿が京温泉(ホテルシャトウ猿が京)(15:50)
    • 【2日目】
      宿泊発8時30分――(バス5分)――たくみの里バス停――貸自転車、荷物預け(9:10)――(サイクリング)――須川宿野仏めぐり――泰寧寺――リンゴ園――七宝焼き店――たくみの里バス停(12:10)――後閑駅(13:00/駅前で昼食/14:02)――高崎――横浜(18:00/)

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このページは、akirafが2008年11月18日 10:16に書いたブログ記事です。

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