No.216 日向山(1669m)山行(2008.9.25)

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Hinatayama_1.JPG(記録担当 紘正)

 列車が笹子トンネルを抜けて甲府盆地に入っても、鳳凰三山や南アルプスの山並みは厚い雲に覆われていた。雲の中に、ただただ甲斐駒ケ岳の姿を探し求めていたが・・・、やがて光が差し込むと徐々に山の姿が変わって、前山の輪郭がはっきりしだした時、車窓の遥か左前方に、一点白い山肌が認められた。

 『日向山』 甲斐駒ケ岳の北面にある遠目には地味な山だが、〔足を踏み入れてみると〕歩いて楽しく、森を見上げて安らぎ、山頂に飛び出て感動する...そんな山だった。

 家を出てから5時間が過ぎていた。矢立岩登山口(標高1130m)は林間から洩れた光が木の葉を照らして緑の色合いが美しく新緑の季節を錯覚させた。さっそく、ここで早弁。

 11時10分山に入る。標識は「日向山ハイキングコース」とある。山頂までの標高差530mもあるのに、と一瞬いぶかしんでみたが、「今日は自由に歩いていいよ」と言うリーダーの指示に、「楽なコースなんだ♪♪♪」と納得する。

Hinatayama_2.JPG 山頂までの約1.7キロ(地形図より推定)の径は快適そのものであった。見た目より山の斜面が大きく緩やかで、道幅は広く、平均的な斜度(15度位)を保ちながら日向山山頂に通じていた。矢立石から暫くはクヌギやミズナラの林をドングリや落ち栗と戯れながら行った。(10等分されている)距離標識が10-5の地点で2度目の小休止。出発地点から計ったように1/2の所要時間であった。この付近はブナ林で新鮮な空気を吸いながら、良い季節に豊かな森にいる事を喜んだ。

 標高1650m雨量観測所、丹沢でいえば蛭ヶ岳の高度に相当するが、まったくその高度感がなく、あと数メートル先と思われる山頂付近も笹とカラマツの原が明るくのびやかに広がっていた。

 歩行が早まった才美さん 伊久枝さん 幸子さんの姿が原の端から突然に消えて、そして歓声があがった。時に13時00分 銀砂に覆われた雁ヶ原に到着。日向山は、ハイキング路からいきなり深山幽谷に飛び出た、そんな感じの山だった。

 花崗岩砂の向こうに見える山々とのコントラストは鮮烈で、大斜面の先は鋭角に谷底に落ちていた。女性の皆さんは平気で近づくのだが、私などは、腰が引けて大腿二頭筋に寒気が走るのだった。

 この日、残念ながら甲斐駒ケ岳、八ヶ岳の展望は叶わなかった・・・是非、今度こそという余韻をもちながら13時40分同じ径を下った。

 この山の魅力は言葉では語れません。リーダーにお願い致します、「来年の計画に再度組入れて下さい」 そして、多くの方がこの感激を実感して頂きたいと思います。

(リーダー・メモ 勝巳)

  1. タクシーは利用によっては便利で安い。6人が30分以上乗ってもジャンボなら1台で6,000円弱。林道を奥深く入って登山口までの送迎がなんと言っても便利だ。長坂タクシー(Tel:0551-32-2055)は誠実で親切。時間は正確だし、信用できる会社だ。台数の関係もあるので事前予約は必要だろう。
  2. 思っていたよりいい道。幅もあり急登もない。森の中の静かな山道で、80歳から4歳児まで登山可能。途中で道を修理していた富士見から来た登山者に敬意を表する。このような隠れた方々の努力があるからこのような道が確保されているのだろう。
  3. 頂上の雁が原の奇景は素晴らしい。白砂の中に花崗岩の巨岩が乱立し圧倒される。黒沢昭監督の「隠し砦の三悪人」の風景だ。この砂でろ過されれば、足下のサントリーの工場の酒もうまいはずだ。こんな近くに、こんな安全で楽しい変化の富んだ山があるなら、身体に事情があって普通の登山ができない方も含めてもっと多くの方々に登ってもらいたい。登山口の駐車場は20台で一杯だろう。登山口までは道は狭いが、95%は舗装されている。マイクロバスは入れると思う。
  4. タクシーでJR長坂駅に帰る道、酒造元の「七賢」に立ち寄る。試飲もできお土産を買うにはいいところだ。途中、町営の立派な温泉もある。この山の魅力が倍増する。5 長坂から各駅で帰ったが、ビールを飲みながら優雅な時間だ。程よい疲れと、いい山に登た満足感が参加者を饒舌にする。また登りたいという全員一致の感想だ。
  • 日時 2008年9月25日(木)晴れ
  • 参加者
    三貴也、勝巳、才美、伊久枝、紘正、幸子、以上6名
  • コースタイム(着/発)
    高尾駅(/7:27)――長坂駅(10:05/10:15)――(タクシー)――矢立岩登山口(10:50/11:10)――日向山雁ヶ原(13:00/13:40)――矢立岩登山口(14:50/14:55)――(タクシー)――酒造元七賢――長坂駅(15:30/15:51)――(甲府駅でハプニングあり、酒折駅で後続に乗り換え)――八王子駅(18:45/)(解散)

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このページは、akirafが2008年10月10日 14:44に書いたブログ記事です。

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