No.210 今倉山(1470m)。二十六夜山(1297m)山行(2008.6.28)

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(記録担当 勝巳)

 ともかくなんと運の良い山だったことか。家に帰って門を開けたら雨が降り始める、帰り大月駅から偶然にもグリーン車並みの快速ホリデーがガラガラですぐ来て、乗り換えなしで八王子へ。朝は谷村駅でタクシーを呼ぼうとしたら5人乗りの空車が目の前に現れた。それにすべての行動が判で押したように時間通り。今倉山も、二十六夜山も秒単位で計画通り。気味が悪いほどだ。どうかこれで運が使いきれませんように。

 今倉山への道は自然林を黙々と登る。登り口のトンネル付近は雑草に覆われて先が思いやられたが、すぐに良い登山道になる。道標もしっかりしていて安全なコースだ。コースのほとんどが県有の自然林のため六月の水分を含んだ森はひときわ美しい。地面から見上げる空まですべて新緑のカーテンだ。途中、御正体への分岐道標があったがこんなところからも登る道がある。今倉山は虫の山だった。展望もないので僅かな休憩だったが、山にいる全部の虫がわれわれを囲んだようだ。ニュージランドで使用したネットを持参すれば良かったものを。早々に逃げ出す。すでに露出部は痒い。今倉山から西に行く二十六夜山への稜線は緑深く静かで見事だ。道志の山の西端でもあり、そんなに展望はないが滴る緑の森はどこまでも続いている。茎先に8センチほどの白い花をつけたヤグルマソウが自然林の元に群生している。葉が鯉登りの矢車にそっくり。西の原で左から登ってくる沢沿いの道に合流。今倉山を避ければこのコースもいいだろう。しっとりとした水の森に、イノシシのヌタバがあちこちにある豊かな森が続く。赤岩でわずかに展望が開ける。御正体は雲の中。富士は僅かに裾野だけを見せてくれた。やがて高速道路かと思うガードレール付きの立派な舗装道路が出てきた。もちろん一般車両は通行止め。なんで山奥にこんな道路が。税金の使われ方に呆れた。折角だから舗装道路を利用して休憩する。この道路の利用価値があった。

 20分ほどで山頂。昔二十六夜の月を拝み、そこに現れる仏を拝む地元の信仰の山だ。陰暦1月と7月の26日山頂で月を待つ。その光に観音菩薩、阿弥陀菩薩、勢至菩薩が見られるという。苔むす古い石仏が神秘的だ。昔の山村の人たちが皆でお供えを持って深い森のこんなところで月光を待ったら、きっと仏も一緒に現れただろう。いつかその日に訪れたい。山の名は本当は「道志二十六夜山」で、近くの「秋山二十六夜山(972m)」と区別する。

 下り道は長い。うんざりしたころ巨岩が現れた。「カッちゃん坊」という坊さんが修行した跡らしい。水場は近いし巨岩の下は快適な住居。引き続き「仙人水」という冷たくてうまい湧水が滔々と流れ出ているところに出会う。

 道は堰堤の工事現場を左に見て林道にぶつかる。ここまでくれば温泉は20分。

 振り返る山は緑に埋まっている。春ゼミと野鳥の声に満ちて、何一つ自己主張するでもなく、寡黙で人間なんか関係なくのびのびとしている豊かな山だった。

 それほど名もないが道志の名峰に恥じない。

 あとは、のんびりと温泉に入り、今朝ほどのタクシーを16時に呼べばいい。

 虫の痒みに耐えかねながら

  • 日時 2008年6月28日(土)曇
     (当初計画の雨天による変更実施)
  • 集合 高尾駅河口湖行前から2両目(7時47分発)希望が丘6時07分
  • 参加者
    勝巳、才美、伊久枝、きみ子、幸子、以上計5名
  • コース 徒歩5時間30分
    富士急「谷村町」駅着8時53分――(タクシー3680円)――道坂(どうさか)トンネルバス停9時20分出発――今倉山東峰11時――西峰―西が原分岐――赤岩(展望)12時――林道クロス12時40分――二十六夜山着13時――仙人水(かっちゃん坊大岩)14時10分――堰堤工事現場――西戸川――公営温泉15時着――タクシー16時発。5210円――大月駅発16時35分発ホリデー快速――八王子
  • 注意  虫よけ薬。ネット持参のこと。富士急はいまだにスイカが使えない
  • 温泉はいい700円露天風呂あり「芭蕉月待の湯」Tel:0554-46-1126

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このページは、akirafが2008年6月29日 09:39に書いたブログ記事です。

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