≪概要≫ 晴天の雪山。安全なトレースがあり、3?4時間のコースで展望に恵まれている。この宿はお勧め。(高峰温泉より安くて良いサービス)全体にゆとりがある計画。こんな山行もいいなー。他の季節でもここを起点に計画を立てたい。お薦め山域発見。
【第1日】 曇り、時々晴れ間。風なし。徒歩約4時間
希望が丘6時32分乗車。駅までが寒い。東京駅からの「あさま505」はガラガラ。上田で「しなの鉄道」乗り換え小諸で予約していたタクシーに乗車、最近は小諸に観光客が少なくなって、佐久のほうが発展しているとのボヤキを聞きながら雪道をスキーヤでにぎあう日曜日の地蔵峠まで。
スキー場は小学生が団体で来ている。装備を借りようとしても休憩施設「花紋」は戦場のようで時間ばかりかかる。スキーは靴や長さを合わせるので大変だから、スノーシューを先にしてくれとの提案もにべもなく「並んでください」と断られ覚悟をきめて順番を待つ。ロスタイム発生。ともかく雪山は安全第一だから引き返す時間を12時30分に設定している。そそくさと早めの昼食を済ませるが、その中でのロス時間だ。スキーリフトで登り500円の料金を払って5分ぐらい乗るのだが、乗客をさばくためにやたらに速度が速い。降車で転倒する人も出るしまつ。
スノーシューをつけて湯の丸山に登り始める。ツツジ平までは比較的平たんの道で、快適だが、そこからは2000mの山だけのことがあり、雪の深さに苦労する。トレースはもちろんあるのだが、みんなが、勝手に下るため道が多くできていて中には雪の深いところがあり、うっかり転ぶと斜面もきついので起き上がるのが大変だ。気温は日が出れば歩いている限りはうっすらと汗をかく程度だ。小雪がちらつくと寒く心細い。この繰り返しの中を一歩一歩登る。頂上直下で12時30分を過ぎたので引き返す。ほどなく昭さんのスノーシュが壊れて使えなくなった。この雪の中で壺足(登山靴だけで雪の中を歩くスタイル)はかなりこたえる。時間をかけて修理してみたがだめ。諦めて一番若い紘正さんが代表でスノーシューを手に壺足で降る。無論容易なことではない。転倒して雪の中で杖を一本無くしてしまった。転倒した周辺を探しても 深い雪に飲み込まれて杖は発見できなかった。その程度の雪山でもある。さっと雲が切れて青空も出始める。何組かのツアー団体登山に出会う。恰好のコースなのだろう。みんな黙々と無愛想なリーダーに引き連れられて登っていく。なんだか牛や、羊の群れみたいだ。帰りはスキー場を避けて釣鐘のところで右に道をとり烏帽子山からの道を選ぶ。途中、宿に電話を入れ迎えの時間と場所を確認。地元の小学3年生の団体がスキーで見事に脇を滑って抜けていく。地蔵峠についてゆっくり時間があったので荷物を預けてあった「花紋」でまた昼食。ここのお汁粉はうまそうだった。壊れたスノーシューの代金は返してくれた。何だ、お汁粉はうまいし、ラーメンも旨いし、金は返してくれるし、結構ここは親切なところなんだ。長野県人の独特の初めての人への「ひと当たりの悪さ」を思い出した。
正確に迎えの車が来て宿に着く。早速温泉。昭さんが持ってきたワインで食前トレーニング。バイキングの夕飯は実に多くのメニューがある、ステーキや、何やら目移りがしてつい食べ過ぎてしまう。食堂で偶然高橋さんに出会う。5年前ごろに健ハイと一緒に山にも行ったことがある方だ。全く偶然だ。不思議だ。
【第2日】 晴れ、たまに曇り。風なし。徒歩約3時間
8時出発。休暇村ではスノーシュは500円で借りられた。(昨日のところは2000円)朝の温泉と、多すぎるバイキング朝食で体は緊張感が欠けているためかだるい。宿の裏手から立派なトレースがついていた。時折切れる林の向こうに、篭の登などの高峰の懐かしい山が裏側を見せている。まったく突然浅間山が見える。独特のひだのある斜面が長くどっしり尾を引いている。山頂からは噴火の煙だろうか、雲がたなびいている。黒々とした雪化粧の黒斑山、蛇笏を従えている。カラマツの森の中の雪道は動物の残した足跡の芸術だ。幾筋にも、はねたり、立ち止まったり、曲がったりして深く森の中に消えている。この人里離れた森の真っ白な雪に、楽しくてたまらなくて遊んでいる彼らの姿が見えるようだ。
ほどなく村上山の山頂に立つ。草津は雲の中で、四阿山はすぐそばに雪の中にある。その間は山に囲まれた大きな雪原である。たぶん夏には高原野菜の広大な畑なのだろう。目が痛くなるような雪の太陽に輝いている小さな集落がひっそりとして静かにまるで潜んでいるように点在している。帰りは快適なスノーシューでカラマツの森の散策を経て宿に帰着。送迎バス出発までの2時間をゆっくりと大きな太陽がいっぱいの人もいない静かなロビーで休む。何とも言えない豪華な幸せな気分だ。送迎のバスは13時に出る。我々のほかは高橋さんのグループ数人で50人乗りの観光バスだ。上田までの1時間、鳥居峠を越えて運転手と会話が続く。いい登山だったとこんな時につくづく思う。
- 地蔵峠のレストランでスノーシューを借りたが一人2000円。わずかな距離のリフトが登りだけで500円とスキー場料金だ。スノーシューなどのレンタルでの貸し出し時に混雑して相当待たされることがある。
- タクシーで地蔵峠には小諸より滋野駅からのほうが2000円程度安そうだった。
- 休暇村からの送迎体制は完備している。申し込みの時に確認すれば有効な利用ができる。宿は親切で清潔、料金も適当で、バイキングも楽しい。
- コースタイム:(着/発)
【第1日】
希望が丘駅(/6:32)――東京駅(/7:28)――(「あさま505」自由席上田乗換)――しなの鉄道・小諸駅(9:20/)――(タクシー小諸観光Tel:0267-22-2424)――地蔵峠(9:40/10:10)――湯の丸山頂直下(12:30)――(下山開始)――地蔵峠(14:00/15:00)――(送迎車迎え)――国民宿舎(15:30/)
【宿泊先】 休暇村「鹿沢高原」Tel:0279-98-0511 サービス、設備、食事すべて満点。高峰温泉よりも良い。Qカード会員になれば割引あり。
【第2日】
宿舎(/8:10)――浅間山見える休憩所(9:40)――村上山山頂(9:50/)――国民宿舎(11:00/13:00)――(送迎車)――上田駅(14:00/14:38)――東京駅(15:40/) - 参加者:
勝巳、才美、紘正、昭、以上計4名 - 費用関係 小諸――地蔵峠7000円。スノーシュー代金2000円1人。リフト500円。1時間以上の送迎も無料。1泊9950円(10畳2人使用で)その他2連泊の格安プラン(17800円)がある。
【注】
雪のプールでもがき泳いだ2日間。よい思い出になりました。高峰温泉に代わる雪山散歩の拠点になりますね。 昭
湯の丸山。一般向きのコースとはいえ、スノーシューを履いて、最後の急登はきつかった。それでも、身体の底から力が沸いてきて嬉しくなった。
村上山。単彩色の世界だったが、幾度か「いい景色」と叫びそして頷きあった。そんな村上山の山頂付近は陽を浴びて
…まさに、陽画の世界であった。夏か、秋か、また来年のこの時期に大勢の仲間と、この景色を見たいと思った。 紘正
いい山行ですねえ・・・・・。いろいろなハプニングがあるなか、仲間と助け合いながらやり終えた時の充実感が体を金色のエネルギーで包み込んでくれるような感覚、『何とも言えない幸せな気分』、よく伝わってきました。
それにしても日本は、かなり積雪があったのですね・・・・。
ゆきより