No.184 雲取山(2,018m)登山記録(2007.6.18-19)

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Kumotori.jpg(記録担当 勝巳)

 ずいぶん久しぶりの雲取である。中学や、高校のときによくこの辺を経由して奥秩父に向かったのだが、いまやほとんど記憶は無い。僅かな記憶は、原生林の苔むす道を倒木を苦労してテントや水の重い荷物を持って越えたことである。茂さんは、古希の記念に取っておいた大切な山だし、善さんは埼玉で一番の高さの山に登るというそれぞれの思惑を抱えている。

 天候の悪化を危惧してコースを急遽大幅に変更、善さんの車で林道を奥深く入り、三条の湯経由で雲取山に登って、雲取山荘に一泊することとした。天気は梅雨にしては比較的安定して、暑くも寒くもない天気だ。山小屋は200人収容の新築。そこに僅かに10人の宿泊、清潔な個室の快適さは格別であった。道は多くの人が歩き踏み固められていて歩きやすく危険箇所は無い。むしろ未舗装の凸凹な後山林道を10km近く入る車中のほうがはるかに危険だ。参加者が4名ということもあり気楽な登山だ。しかし余計な荷物を一切持たないというルールをお互いに守り、杖もしっかり使い安全に配慮し爽快だった。集団登山は斯くありたいものだ。

 林道は少しの雨でも通行止めになる。車止めには5台も置けばいっぱいになる駐車スペース。幸いにも最後の空間を見つけて駐車、出発。三条の湯までは深い渓谷の緑の中を緩やかに登る。やがて多少はきれいになった三条の湯が出てくるが人の気配はまったく無い。昔からこんなものだったが丹波観光開発という会社の経営はこれでやっていけるのが不思議だ。道は小屋の前を通り、森に囲まれ小鳥の声に満ちた長いのぼりになる。いっせいに今鳴き出したような「春ゼミ」が新緑の森を一面に覆う。沢の音すらもきこえない。何度かの休憩の後、小さな水場にで出る。

 滾々と清水が湧き出ている横に新しい金属製のコップがしっかり鎖につながれている。誰が寄付したのか、その親切を心行くまで飲み干す。やがて三条ダルミに到着しやっと尾根に出る。ここからの石尾根の景色は優雅だ。ゆったりと起伏する尾根道が足元からはるかに続き、やがて森に消えている。あの先に奥多摩湖がある。うす曇の中でかすかに秩父の山があるが、名前は知らない。山頂へは標高差で300m近いため多少汗をかく。でもこれくらいは登らないと小屋でのビールが旨くない。

 山頂はにぎやかと思いきや、誰もいない。雲取山頂で誰もいないなんて、二俣川で高校生が座り込んでいないことよりも意外だ。埼玉県が建てた山頂の標識と、東京都の標識があるが埼玉のほうが立派としきりに岡田さんが言うのでそんな気もしてくる。山頂の無人小屋は実にきれいに整備されトイレも有る。曇り空のもと奥秩父主脈縦走路が延々と続いている。静かだ。風の音すらない。ゆったりと休んで雲取山荘についたのが15時。山小屋への到着時刻としては標準だろう。暮れなずむ庭に出て、我ら青年男女が人もいないベンチで快適にビールを飲む。一日の快い疲れの癒されるときだ。OZさんの「ひぼら」(檜洞のことらしい)登山の楽しかった話や、ピットネス(誤字ではない)の効果、ラジオ体操のグループ分裂、体力測定でのコース逸脱や、荷重のことなどが酒の肴だ。これが実に旨い。

 翌朝は早朝4時起床。5時朝食。5時30分出発。計画に一分の狂いもない。多少の霧の中を少しばかり遠回りして東まき道を経て石尾根に向かう。奥秩父の苔むす原生林を垣間見るためだ。倒木の森はやはり深く深閑としているのに、なぜか懐かしい暖かさがある。ここにある風景は原始の森そのままだろう。やがて石尾根にでて再び雲取山頂に向かう。昨日より天気が快復し、富士山も瞬間的に雲間にでる。日が差してきた。朝日に眼がやたらに眩しい。三条のタルミに来てゴミの多さに愕然とする。来たときにも判っていたので小屋の人に言ったがそんなはずは無いと取り合わない。たぶん、この地点が「三条の湯」と「雲取小屋」の中間で、どちらも手を出さないためにこのゴミの山なのだろう。大きなビニール袋で何十杯分もあり組織的な取り組が必要であるためあらためて手配することとした。

 帰りは山道の工事のダンプとのすれ違いで冷や汗をかきながら林道を出て、丹波の湯につかる。朝早いためか誰もいない。実にいい湯だ。残ってる菓子類を皆で出し合い、腹ごしらえをする。柳沢峠はここから30分。実に近い。かって中学の頃柳沢峠から砂利道をトボトボと氷川の駅まで8時間も歩いたのが懐かしい。後は、塩山から中央高速に乗り、横浜に。まだ3時40分だった。

  • 日時:2007年6月18日-19日
  • 参加者
    善右衛門、勝巳、才美、茂、以上計4名
  • コースタイム(着/発)
    • 第1日(6月18日)
      二俣川駅JA前(/5:50)......奥多摩湖......お祭......後山林道......車止め(/9:45)......三条の湯(10:15)......青岩鍾乳洞(10:40)......水場(11:50)......三条ダルミ(/13:00)......雲取山頂(/14:30)......雲取山荘(/15:00)
    • 宿泊 「雲取山荘」?0494-23-3338 一泊7500円。ビール500円。水豊富。テント場あり。水洗トイレ。コタツ。布団清潔。8畳ほどの個室。天上高く清潔。料理はマアマア。
    • 第2日(6月19日)
      雲取山荘(/5:30)......東まき道......石尾根......雲取山頂(6:30)......三条ダルミ(7:10)......水場(8:00)......三条の湯(9:00)......車止め(9:45/)......林道入り口(10:30/)......丹波山温泉着(11:00//12:30)......柳沢峠(/13:00)......塩山高速入り口(13:40)......横浜(15:40/)
    • 丹波山温泉「のめこい湯」600円。きれい。すいてる。大きい。みやげ物豊富。大福旨い。すべるので注意。
    • 費用は、宿泊、交通費、温泉全て込みで1万円。

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このページは、akirafが2007年6月25日 10:23に書いたブログ記事です。

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